今回は、1950年代と思われる旧西ドイツ空軍レザーパイロットスーツを分析します。
ボアライニング付きで、とても暖かいスーツですね。
しかし重量もあります。
中古品で欠品もありますが、程度は極上ですよ!
目次
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1 旧西ドイツ空軍レザーパイロットスーツ(フライトスーツ・グレイ)とは?
あまり知られていませんが、ドイツを含むヨーロッパでは革製品の加工や流通が盛んですね。
気候が良く農耕の盛んだった多くのアジア地域より、寒冷で狩猟を主としていたヨーロッパの多くの国では、狩った獲物の皮革を加工する技術が発達したのでしょうか?
かつてヨーロッパ各国軍が使用していた装備には多くの革製品がありましたよ。
バッグ、各種パウチ、スリング(負い紐)、ベルトそして勿論衣類も。
今回のモデルは、そんな皮革加工が得意なドイツが製造した旧西ドイツ空軍パイロットスーツ(フライトスーツ)になります。
同じく旧西ドイツ空軍がパイロットに支給していたレザーフライトジャケットとの共通点もありますね。
残念がらその根拠が全て失われていますが、それでも重厚な造りは所有感を満足させる逸品ですよ!
さてさて、それはどんなレザーパイロットスーツなのでしょうか?
今回は、ドイツ空軍装備マニアのみならず、個性的なバイク用レザーカバーオールをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
左右非対称なデザインです。
アメリカ軍のパイロットスーツに似たデザインですね。
前面上半身
実際に使用されていたので、各部に艶が出始めていますね。
前面下半身
背面
背面上半身
背面下半身
前面上半身裏側
裏側のほぼ全面にボアライニングがあります。
前面下半身裏側
背面上半身裏側
なんかボアが熊みたいな印象ですね。
本来ならうなじ付近にタグがあったはずです。
背面下半身裏側
襟周りレイアウト
大きい襟ですね。
本来は各ジッパーのプルタブに円形のサポートがあるはずなのですが、いくつかは失われていました。
うなじ付近には、なんとなくタグが縫い付けられていた跡(⬜︎部分内)があるような気がしますが…。
前合わせはジッパーのみ。
ストームフラップ(ウインドシールド)もありますね。
フロントジッパーは上下から開くダブルジッパーです。
プルタブの刻印は「riri」
胸ポケット
ジッパーで開閉。
背面腰左右にある腰ポケット&スリット
ジッパーで開閉。
スリットの後方にポケットがあります。
(グレイの部分がポケットです。)
右膝ポケット
水平のジッパーで開閉。
ポケット本体には、クリップが装着されていました。
左膝ポケット
こちらは垂直に近いジッパーで開閉。
左膝ポケットにもクリップあり。
でもこちらのクリップは、レザーの中で折れていました。😭
ふくらはぎポケット
左右にあります。
こちらもジッパーで開閉。
足首ジッパー
マチ付き。
袖
肘から下にテーパー付き。
袖口はジッパーとダットファスナーで開閉。
ダットファスナー凸部はニップルタイプ。
袖は二重袖になっていて、うち袖は袖口にゴムを内蔵。
袖ポケット
ジッパーで開閉。
ペンポケットの上に小さなポケットがあるところが旧西ドイツ空軍の特徴ですね。
ただし全体形はアメリカ軍風ではあります。
脇の通気孔
ライトグレイに塗装された金属製ハトメ付きで片側4個。
脇下は独特の裁断で、三角形の皮革があてがわれています。
ウエスト裏側にあるサイズ調整ストラップ
左右にあります。
グレイの生地製でゴム紐ではありません。
ウエスト調整ストラップのボタン
カーキのプラスティック製
イギリス軍タイプの皿型ですね。
プルタブのサポート
化繊の生地を円形のレザーで挟み込むタイプで金属製ハトメ付き。
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3 その特徴とは?
レザーはグレイに染められたゴートスキンで、柔らかく各部に艶が出始めていますよ。
グレーの色調は、旧西ドイツ空軍レザーフライトジャケットに似ています。
裏側のほぼ前面にボアのライングがあり。
(このライニングは、旧西ドイツの軍服】陸軍防寒パーカーのライナーにそっくりです。)
このため全体的に重量がありますよ、
デザインは、アメリカ軍のパイロットスーツが原型のようですね。
デザイン比較
今回のモデル
アメリカ空軍K-2Bコットンパイロットスーツ
構成は、エポレットなし、胸ポケット×2、腰ポケット&スリット×2、膝ポケット×2、足首ピケット×2です。
面白いのは、タグ類が一切ないことです。
それどころかドイツを示す国籍パッチや階級章を縫い付けた跡が全くありませんでした!
全体的な縫製は、とても丁寧かつ正確で、ドイツ人らしい上質な仕立てです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1950年代
製造場所 旧西ドイツ
契約会社 旧西ドイツ
製造会社 〃
材 質 レザー
(ゴートスキン)
コットン
アクリル
表記サイズ 不明
(日本人のM)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約44cm
身幅 約51cm
袖丈 約60cm
ウエスト 約45cm
着丈 約155cm
股下 約73cm
裾幅 約18cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品?
入手場所 名古屋の専門店
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
1980年代の終わり頃だったでしょうか。
大阪の有名SHOPで、やはり旧西ドイツ軍のレザーパイロットスーツが販売されているのを見た覚えがあります。
今回のモデルとは違って、胸ポケットのジッパーが水平(に近い?)で、両袖には国籍パッチが縫い付けられていました。
契約年度は確認できませんでしたが、商品タグには1960年代と手書きで書かれていました。
全体的な雰囲気は今回のモデルより新しい印象でしたよ。
とするなら、今回のモデルはもっと古い時代の製品なのかも?
それはともかく、今回のモデルは重量がありますが実際に着用すると気にならず、当然風を通しませんね。
(奥(神)様が着用した感想です!←奥(神)様はバイク乗り!)
ボアライニングのおかげで、一般的なレザーライダースーツよりも暖かいとのこと。
サイズ的に股下が短くバイクでは長いブーツが必要ですが、おそらく他に誰も着用していないことから個性を主張できそうですね。
残念ながら先の有名SHOPでも当時1着しか在庫がなく、その後もまず見掛けないことから、入手は極めて困難でしょう。
探しているあなたは、やはり国内外のオークションやドイツ軍物に強いSHOPをチェックしてみましょう!
私は、かつて購入できなかったポケットジッパーが水平のレザーパイロットスーツを探してみたいと思います。
今回は、旧西ドイツ空軍用と思われるレザーパイロットスーツを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20250326更新)
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参考:他の旧西ドイツ空軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他のドイツ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のパイロットスーツに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のレザー装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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