今回は、1980年代のインドネシア軍リバーシブル迷彩フィールドジャケットを分析します。
フィールドジャケットでリバーシブルは珍しいですね。
でも完全リバーシブルではありませんでした。
残念ポイントがありますが、今回もデッドストックですよ!
目次
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1 インドネシア陸軍リバーシブル迷彩フィールドジャケット(ミッチェルパターン)とは?
以前もインドネシア軍DPMフィールドジャケットを分析しましたね。
でも、今回は待った地違う迷彩パターンのフィールドジャケットになります。
元々、オランダの植民地であったインドネシア。
その後独立したインドネシア軍としては、あまり迷彩服に興味がなかったようですね。
でも近隣(?)ベトナムで発生した二つの戦争(インドシナ戦争、ベトナム戦争)でフランス軍やアメリカ軍が、各種迷彩服を着用していたことに刺激を受けて、1970年代末くらいから迷彩服の開発を進めていたようです。
そこで参考にしたのが、かつての宗主国オランダ…ではなく、やはりアメリカの装備だったようですね。
(もっともオランダ軍自体も大戦当時は迷彩服採用に消極的でしたが…。)
今回のモデルには、アメリカが1940年代に開発(諸説あり)した…とされる通称ミッチェルパターン(絵柄通りリーフパターンとも呼ばれる場合もあります。)が採用されていますね。
しかもリバーシブル!
赤道付近の国でフィールドジャケットそしてリバーシブルとは、いったい何を想定していたのでしょうね?
そもそもそれは、どんなフィールドジャケットなのでしょうか?
今回は、インドネシア軍装備マニアのみならず、迷彩服コレクション初心者のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
迷彩側前面
全体的なデザインは、アメリカ軍のM65フィールドジャケットに似ていますね。
迷彩側背面
中央に一部迷彩のプリントミス(色が薄くなっている)があります。
迷彩が短い間隔で繰り返しプリントされていますね。
単色側前面
オリーブグリーンではなく、濃緑色ですね。
単色側背面
前合わせは、ジッパーとダットファスナーです。
タグ
単色側にあります。
…ということは、迷彩側が表側になりますね。
エポレットは迷彩側のみです。
テーパーなしのクサビ型。
迷彩側胸ポケット
ダットファスナー(金属製)で開閉。
迷彩側腰ポケット
こちらもダットファスナーで開閉。
袖
僅かにテーパーが付いています。
袖口はタブとマジックテープで開閉
三角生地も装備
襟はチンストラップで立てることができますが…ゆるゆるですね。
背中のアクションプリーツ…らしきデザイン。
殆ど機能していません。
襟の裏にはジッパーが。
中には、やはり簡易フードがありました。
リップストップ生地の状況
単色側胸ポケット
プラスティックの ダットファスナーで開閉
単色側腰ポケット
ポケット内部はホワイトの生地
腰のドローコード
単色側に出ています。
取り出し口には金属製のハトメ付き。
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3 sの特徴とは?
迷彩は、ライトグリーンの生地に、濃淡3色のグリーンとブラウンを用いて広葉樹の葉を描いています。
(葉脈(主脈) までも描いたものあり!ブラウンは、差し詰「枯葉」といったところでしょうか?)
また、濃いブラウンで枝も描かれています。
迷彩パターンは、アメリカ軍がヘルメットカバーやテントに使用したミッチェルパターンにそっくりですが、配色はやや違っているようです。
一方、単色側はグリーンで、色調は旧日本軍機に用いられた濃緑色に近いですね。
生地は、両面ともコットンとポリエステルの混紡で、薄いリップストップになっています。
(通気性は抜群です!)
デザインは、やはりアメリカ軍のM65フィールドジャケットを参考にしているようです。
構成は、迷彩側がエポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2で、襟には簡易フードが内蔵されていました。
単色側は、エポレットなし、胸ポケット×2、腰ポケット×2でタグ、ジッパー、袖の三角布は剥き出しで、やはりこちらの側が裏側のようです。
全体的な縫製は、やや雑で強度も足りないようですよ。
4 製造とサイズのデータ
製造・契約年度 1980年代
製造場所 インドネシア
契約会社 インドネシア
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ XL
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約77cm
肩幅 約51cm
身幅 約61cm
袖丈 約56cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
ミッチェルパターンは、とても稚拙でお世辞にも効果がある(?)とは言い難い迷彩でしたが、色調を変えることで、こんなにも印象が変わるんですね。
この色調だったら、ジャングルでも一定の効果がありそうですよ。
反面、単色側は完全リバーシブルではなく、少々使いづらいですね。
でも迷彩側をメインに使用し、単色側のポケットは内ポケット、そしてグリーンのライニングがあると考えると、これはこれで使えるジャケットかもしれませんね。
サバイバルゲーム、狩猟、野鳥観測、キャンプ場でのかくれんぼなどには、問題なく使用できそうです。
薄い生地ですが、2枚合わせになっているので、インナーを工夫したら春秋でも使えるのでは?
ただし、このジャケットも品薄です。
インドネシア軍としては、使用期間が短かったようですね。
(私も5年に一回くらいオークションで見かけるくらいです。日本ではまず出回っていないですね。)
でも探してみる価値はありますよ。
東南アジア物に強い大阪の「C」店、ネットのフリマやオークションを覗いてみましょう!
私は、存在は不明ですが、同じ迷彩の戦闘服上下セット(デッドストック?)を探してみたいと思います。
今回は、珍しいインドネシア軍のちょっと変わったリバーシブルフィールドジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20230707更新)
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参考:他のインドネシア軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
インドネシア軍が参考にした迷彩パターンの衣類はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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