
今回は、1980年代の航空自衛隊鉄帽用中帽(ライナー)を分析します。
アメリカ軍M1ヘルメットの影響を受けたモデルですね。
帽体の材質が変更された中期型になります。
勿論デッドストックですよ!
目次
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1 航空自衛隊鉄帽用中帽(ライナー・中期型)とは?
第二次大戦でアメリカ軍が使用したM1ヘルメットセットはその構造や機能から、それまでの各国軍ヘルメットの概念を覆す画期的なものでした。
戦後、衝撃を受けた各国軍(特に西側諸国)は標準的に自国にも同種ヘルメットを採用していったのは当然の帰結と言えそうです。
フランス、オランダ、ベルギー、ノルウェー、初期のドイツ…そして自衛隊も例外ではありませんでした。
今回のモデルは、そんなM1ヘルメットを参考に開発、各自衛隊に支給されてしていた鉄帽(スチールヘルメット)用中帽(ライナー)の航空自衛隊調達品になります。
通常の訓練や災害派遣においては、この中帽(ライナー)単体で使用されることが多かったので、隊員にとっては最も馴染み深いヘルメットでしたよ。
さてさて、それはどんな中帽(ライナー)なのでしょうか?
今回は、航空自衛隊装備マニアのいならず、災害時や作業時に使用できる軍物軽量ヘルメットをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体形

前面

左側面

背面

右側面

上面

底面
顎紐付き。

顎紐なし。
顎紐はこめかみ付近にある四角いループに末端を通します。

ヘッドバンドは合成皮革です。
アメリカ軍のヘルメットと比べて、全く汗を吸いませんでした。

後頭部用バンドを留めている金具。

後頭部用バンド。

この裏にはタグあり。
サスペンション全体は1989年度契約品ですね。

ヘッドバンド外側にはコットン生地で覆われた硬めのスポンジクッション付き。
周囲に5個あります。

ライナー本体は1990年契約品
メーカーの刻印もあり。

サウペンションは6枚のHBTテープと紐で深さを調整。
紐を解くことでサスペンションが分解でき、洗うことができます。
(ヘッドバンドと後頭部のバンドは分解不可)

顎紐
ボタン留めで分解可能。
デッドストックですが、保管時の影響で変形しています。


顎紐のボタン
ネジ式で取り外し可能。


顎紐のバックル。


顎紐のボタン取り付け箇所。


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3 その特徴とは?
帽体は、OD(オリーブドラブ)の強化プラスティック製で、形状はアメリカ軍M1ヘルメットのライナーを踏襲しています。
一方サスペンションは、おそらくコットン/ビニロンのHBT(ヘリンボーンツイル:杉綾織)のOD生地テープで構成されていて、帽体内側にあるループに通して取り付けます。
ヘットバンドはレッドブラウンの合成皮革製で、サスペンションに縫い付けられていますね。
また後頭部の部分には、生地テープで専用のバンドが設けられていますよ。
顎紐は皮革製で、表面はブラウンに染められています。
片側を帽体内のループに通し、もう片側は分解できるボタンで留め、バックルで長さを調整しするシンプルなデザインですね。
この顎紐は、やはり大戦中のアメリカ軍M1ヘルメットライナーの顎紐を参考にしていますが自衛隊独自の工夫もありますよ。
全体的な造りは、丁寧かつ正確で日本製品らしい堅実な品質となっています。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1989〜90年
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 強化
プラスティック
合成皮革
皮革
ブラス
表記サイズ なし
(フリーサイズ)
各部のサイズ(平置)
全長 約27cm
全幅 約22cm
高さ 約16cm
重量 約370g
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 東京のイベント
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
自衛隊が発足(当時は警察予備隊)時にはアメリカ軍のM1ヘルメットが供与されました。
でもすぐに国産化しましたね。
最初の国産モデルは、M1ヘルメットのライナーと同様にライナー帽体がベークライト製でした。
でも1960年代(諸説あり。)からは今回のモデルのような強化プラスティック製に変更になっていますね。
これにより全体的に帽体の強化と軽量化が図られていますね。
サスペンションの紐を調整することで、被りの深さを調整できるのも大きなポイントです。
(現行の後期型では、ウレタン製のサスペンションに変更されているので、被りの調整は限定的でした。)
顎紐もシンプルで必要充分な気がします。
(そう言えばアメリカ軍M2ヘルメットでは、空挺用を除きライナーの顎紐を省略していましたね。おそらくライナー単体で使用する頻度が少ないと考えたのでしょう。)
総じて実戦はいうに及ばず、各種作業でも問題なく使用できるヘルメットなのでは?

…それはともかく、この中期型は既に廃盤になっていて、現在では後期型に更新されていますね。
中期型の入手は困難ですが、陸上自衛隊用でしたらオークションやイベントでも入手できそうですよ。
同じ製品なので、代替品に使用できそうですね。
(逆に今回のモデルは、他自衛隊の代替品としても使えそうです。)
探しているあなたは、オークションサイトにキーワードを登録して待ってみましょう。
多くの場合、鉄帽(スチールヘルメット)とセットで出品されている場合が多いので注意してください。
また、必ず程度(状態)を確認しましょう!
私は、初期型や後期型のデッドストックを探してみたいと思います。
今回は、長く使用されていた航空自衛隊鉄帽用中帽(ライナー)を分析しました。
いやー自衛隊装備品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20251203更新)
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参考:今回のモデルの原型となったアメリカ軍M1ヘルメットに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のヘルメットに関する記事はこちらです。⬇︎
他の自衛隊装備に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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