今回は、1970年代のアメリカ軍M2ヘルメットを分析します。
以前分析したM1ヘルメットの後継モデルですが、各部が大きく違っていますね。
ベトナム戦争を扱った映画では定番のヘルメットです。
中古品ですが、程度は良好ですよ!
目次
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1 アメリカ軍M2ヘルメット(空挺ライナー・迷彩ヘルメットカバー付)とは?
第二次大戦中にアメリカで開発された画期的なM1ヘルメット。
でも実戦では、幾つが不具合が見つかりました。
それは、
- ヘルメットの重心が高い
- チンストラップがシェルに縫い付けられている
- チンストラップの連結金具(バックル?)が完全固定
- チンストラップやサスペンションの生地がカーキ
- ライナーを単体ではあまり使用しない
というものでした。
その後(諸説ありますが)朝鮮戦争終了前後からM1ヘルメットの改良に取りかかりました。
そうして開発されたのが、今回のモデルであるM2ヘルメットです。
(名称は諸説ありますが、ここでは識別のためM2ヘルメットとします。)
材質・ストラップ・サスペンションが大幅に改良されていますね。
今回は希少な空挺部隊用ライナーを準備してみました。
さてさて、それはどんなヘルメットなのでしょうか?
今回は、アメリカ軍装備マニアのみならず、ベトナム戦争リエナクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
シェル
全体形
大戦中のモデルに比べて、艶消し用の粒が密ですね。
前面
右側面
左側面
背面
上面
底面
チンストラップ
チンストラップはシェル後部に留められることが多かったですね。
シェル表面
所々表面が剥がれているので、再塗装されているかも。
ライナー
全体形
前面
右側面
背面
左側面
低面
空挺部隊用のライナーなので、左右に逆A字型ストラップあり。
このストラップに、専用のチンストラップを取り付けます。
上面
ライナー表面
ライナーのサスペンション(拡大)
サスペンションの後方三本にはバックルがあって、被りの深さを調整できます。
後頭部用のバンド
ヘッドバンドのスタンプ
不鮮明です。
M2用ライナーは、チンストラップのダットファスナーを用いて、シェルと連結できます。
空挺部隊専用ライナーのチンストラップ
表側
裏側
金属製ハトメ部分
チンストラップは一本ではなく、二本で顎を包み込むようなデザイン。
空挺用チンストラップ取り付け。
チンストラップは金属製バックルで取り付けます。
空挺モデルは、二本のチンストラップで頭部に固定します。
ヘッドバンドの汗止め
(デッドストック)
汗止めは頭部に接する部分に皮革が用いられています。
汗止めはクリップ式金具でヘッドバンドに留めます。
この金具が黒染めで、コットンの生地がOGというのがM2ヘルメットの特徴ですね。
汗止めは、バックルで長さ(頭部の外周)を調整できます。
チンウトラップ
(デッドストック)
全体形
これはデッドストックなのでシェルのループに取り付けるための金具が開いています。
チンストラップの金具表側
右側のフックが左側のボールピンに掛かっています。
この位置ではストラップにテンションが掛かると自動的に外れます。
勿論、左側金具本体(右端◇部分)に取り付けるとすぐには外せません。
チンストラップ金具裏側
取り付け金具
右側の刻印が「P」を上下左右反転させているのは左右の識別でしょうか?
チンストラップの長さを調整するバックル
ライナーへはこのダットファスナーで取り付けます。
おまけ
リバーシブルヘルメットカバー
(中古極上品)
ミッチェルパターンですね。
二枚の迷彩生地で製造されています。
春夏側
秋冬側
ヘルメットカバーは1980年代製造品でDPSC製。
ヘルメットカバー装着例
全体形
前面
左側面
背面
右側面
ヘルメット用偽装バンド
(デッドストック)
陸軍のみ装備していました。
ヘルメットカバーの上から装着します。
一本のゴム内蔵平紐を縫い付けてループにしています。
後期型のような2枚の反射材はまだ縫い付けられていません。
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3 その特徴とは?
シェルはスチール製で、コークスを細かく砕いた粒がぎっしり貼り付けられていて、その上からダークグリーン(フォレストグリーン?)で艶消し塗装されています。
このた完全艶消:光を反射しない仕様ですね。
シェルのチンストラップは別部品のOGコットン製で、両端の金具でヘルメット支給後に兵士が取り付けます。
大戦中のM1ヘルメットのように、シェルのループに縫い付けられていないのが特徴ですね。
一方ライナーは、ベークライト製で表面はダークグリーンに塗装されています。
今回のモデルは空挺用ライナーなので、専用のチンストラップを取り付ける逆A字型ループを備えているのが特徴です。
(ちなみに一般用ライナーにはこのループががありません。)
シェルとライナーは、チンストラップ両端とライナー内側左右にあるダットファスナーで固定します。
ライナーのサスペンションは、三本のODコットン製テープで、三本とも後方のバックルを用いて被りの深さを調整できます。
今回のモデルは後頭部を安定させるように、別パーツの六角形バンドが付属していました。
全体的な造りは、やや雑なところがありますが大切な部分は丁寧にしっかり造られています。
この頃のアメリカ軍個人装備と同じですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1970年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 スチール
ベークライト
コットン
表記サイズ フリーサイズ
各部のサイズ(平置)
縦 約29cm
横 約23cm
高さ 約18cm
重 量 約1.6kg
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 愛知の専門店
入手難易度 2(やや困難)
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アメリカ軍 米軍 海兵隊 M65ミッチェル迷彩 ヘルメットカバー
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5 まとめ
今回のモデルは、大戦中のM1ヘルメットと比べると随所に「進化」が確認できますね。
特にライナー専用のチンストラップを廃し、シェルのチンストラップのダットファスナーを用いてシェルとライナーを固定させるのは妙案といえます。
でも、後のモデルではチンストラップ自体をシンプルなものに変更、ライナーはシェルと連結されなくなりました。
量産が進むにつれて段々省略されていくのですね。
それはともかく、このM2ヘルメットはベトナム戦争で多用されたことで超有名です。
また海兵隊の一部を除き、ほとんどのM2ヘルメットには、ミッチェルパターンのリバーシブル迷彩ヘルメットカバーが使用されました。
(この辺りは、各種ベトナム戦争映画でも確認できますよ!)
後にリーフパターンやウッドランドのヘルメットカバーも製造されましたが、今回のモデルのようなヘルメットカバーが最もしっくりする気がしますね。
(オールドコレクターだからでしょうか?)
ところでベトナム戦争終了後には掃いて捨てるほどあったミッチェルヘルメットカバー付きM2ヘルメットも、現在では減ってきましたね。
それでも大戦中のM1ヘルメットに比べれば、まだ在庫は豊富といえます。
残念ながら大手通販サイトでは官給品の取り扱いは殆どありませんが、まだ有名SHOPにはまだ残っているようですよ。
特に沖縄のSHOPには多いですね。
あとはネットオークションや個人SHOPをチェックしてみましょう。
その場合には、「M1」という名称が用いられている場合があります。
チンストラップやライナーをよく確認して入札してみましょう!
(ただし空挺用ライナー付きは少数派です。)
今回はベトナム戦争で大活躍したアメリカ軍M2ヘルメットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
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参考:各国軍のヘルメットに関する記事はこちらです。⬇︎
ベトナム戦争関連国軍の装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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