今回は、1960年代のアメリカ軍パイロットサバイバルナイフを分析します。
以前、近年のオンタリオ社製モデルを分析しました。
今回は有名なカミラス社製で、しかもベトナム戦争期のモデルになります。
残念ポイントもありますが、程度は良い方ですよ!
目次
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1 アメリカ海軍パイロットサバイバルナイフ(カミラス社製)とは?
1950年代に、アメリカマーブル社とアメリカ海軍との共同で開発されたパイロットサバイバルナイフ。
パイロットが緊急脱出した際のサバイバル活動や、場合によっては対人戦闘に使用するのが目的でした。
当初はブレード長が6インチでしたが、1960年代から5インチに短縮されてましたね。
これは、戦闘機などの狭いコクピットでは、より短いブレードが使い易いとの検討によります。
(当時は賛否両論でした。😅)
当初は海軍パイロット用として支給されましたが、後にベトナム戦争が始まると、海軍のみならず陸軍、空軍でも使用されるようになりましたよ。
特に陸軍および海兵隊の地上部隊には大人気でした。
今回のモデルは、そんなベトナム戦争中に支給された「カミラス社」製のパイロットサバイバルナイフになります。
まだシース(鞘)に金属製プレートが付いていない時代のモデルですね。
さてさて、それはどんなナイフなのでしょうか?
今回は、ベトナム戦争マニアのみならず、パイロット装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体形
左側面とシース表面
右側面とシース裏面
ナイフ刃側
ナイフ峰側
セレーション(ノコギリ状刃。ソーバックとも言われます。)が見えますね。
ブレード
ブゥーイタイプです。
ハンドル
直径の違うレザーワッシャーの積層で、六本の溝が付いています。
断面は真円ではなく楕円になっていますよ。
(握り易いです。)
ポンメル刻印
1968年度契約品です。
何故かポンメル底面?はライトグレイに塗られていました。
クロスガードに2個の穴が開いているのは、後のモデルにも継承されていますね。
シースの小ポケットにはシャープナー(砥石)が入っています。
でも、近年のオンタリオ製造モデルのように、金属プレートがありませんね。
シースにはベルトを通せるようにスリットが二本入っています。
ダットファスナーは、ハンドルを固定させておくためのもの。
シース先端にはタブがあって、2個の穴が開いています。
本来ならここに革紐が付いています。
シースのバックは勿論裏皮です。
シースは2枚の革製で、糸とリベット(?)留めです。
NSN、品名、契約番号などがスタンプされているはずなのですが、経年変化で判読が難しいですね。
参考:ブレード長が6インチの初期モデル2種との比較
ブレード長以外は大きく変わりませんね。
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3 その特徴とは?
ブレードはカーボンスティール(炭素鋼)で梨地のパーカライジング(リン酸塩処理)されています。
(後のオンタリオ製市販のパイロットサバイバルナイフより上品な仕上げですね。)
型はブゥーイタイプで背(峰)にはセレーション(ソーバックとも言います。)があります。
(木を切る…というよりは、ロープなどの切断に用いることが多いですね。)
クロスガードに2個の穴が開いていますが、これは棒などに取りつけて槍として使用する際の紐通しですね。
ハンドルはレザーの積層で、ポンメル(柄頭)できつく締められていますよ。
シースはレザー製で小ポケットが付いていますが、下部を覆う金属板がないモデルです。
シース上部には、トラウザースのベルトを通すスリット、ハンドルを押さえるループがあります。
当時の標準的なシースですね。
今回のモデルは経年変化でしょうか?
シースのレザーはとても柔らかくなっていて、ナイフのポイント(切先)周辺は少々不安を感じます。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1968年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 カーボン
スティール
皮革
各部のサイズ ナイフ
全長 約243mm
全幅 約57mm
ブレード長 約125mm
ブレード厚 約5mm
ハンドル長 約115mm
ハンドル太さ 約29mm
シース
全長 約270mm
全幅 約73mm
状 態 中古良品
官民区分 官給品
入手場所 愛知の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
今回のモデルは、ベトナム戦争当時から実際に使用されていた物です。
だからでしょうか?
なんとも言えない迫力がありますね。
でもナイフの携帯を考えた場合、やはり金属製プレート付きのモデルに比べ、安全性に問題があるようです。
特に使い込まれた中古品は、シースのレザーが柔らかくなっていて、場合によってはナイフのポイントがシースを破って飛び出てくる場合がありますね。
とは言え、今回のモデルはベトナム戦争期契約品…ということで歴史的に価値のあるモデルであることから、実用よりはコレクションとして保管しておいた方が良さそうです。
このブレードの短いモデルは、いくつかのメーカーで製造されましたが、日本で最も有名なのは「カミラス社」でした。
同社は長期にわたり官給品を納入しつつ、同時に市販モデルを製造していましたね。
おそらくコレクションされている方も多いのでは?
実用には、そんな市販のモデルを使用しましょう。
また情報では、カミラス社は倒産してしまったとか?
もし本当なら少々悲しいことですが、我々コレクターはしっかり目標を定めてコレクションを進めていきましょう!
さて今回の5インチブレードのモデルですが、その後もずっと生産されていて、多くの国でもコピーされました。
(アメリカ製の新しいモデルも開発されていますね。)
…どうやら5インチが正解だったようですね。
ナイフのデザインも、奥が深いです。
なお、使用する予定もないのにナイフを携行したり、シチュエーションに合わない場所(車のダッシュボードコンテナとか)へ保管していると、場合によっては警察に逮捕されることがあります。
また、キャンプでも警察官の所持品検査等を受ける場合もあり、ナイフが発見されると長時間にわたる事情聴取などを受ける場合があります。
ナイフの携帯と保管には、十分注意してくださいね!
今回は、有名メーカーが製造した、アメリカ軍パロットサバイバルナイフを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231126更新)
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参考:同じくカミラス者の初期型パイロットサバイバルナイフに関する記事はこちらです。⬇︎
他のミリタリーナイフに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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