今回は、1940年代のアメリカ陸軍航空隊フライトジャケットB-11を分析します。
残念ながらモデル品ですが、とても良く再現されていますね。
現用のN-3系の先祖とも言える防寒能力に優れたデザインが特徴です。
一部汚れがある中古品ですが、使用感が殆どない極上ですよ!
目次
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1 アメリカ陸軍航空隊(AAF)フライトジャケットB-11(国産高級モデル品)とは?
第二次大戦勃発当初、アメリカ陸軍航空隊(Army Air Foece)航空隊のフライトジャケットは、馬革や羊革を用いたものが主体でした。
(勿論コットン製もありましたが。)
無理もありません。
ナイロンやポリエステルなど現代のような優秀な化繊がなかった時代、フライトジャケットに防風性と保温性に優れた動物の皮革を用いるのは、何もアメリカ軍だけではありませんでしたね。
ところが戦争も後半になると動物の皮革が不足。
代替品でコットンやナイロン製のフライトジャケットが量産されました。
今回のモデルは、そんなコットン製フライトジャケットなのですが、有名なB-3の後継とも言えるもので、前作B-9同様、後のN-3系に繋がるデザインが特徴です。
そのリッチな素材と優れたデザインで、冬のファッションにも最適ですよ!
さてさてそれはどんなフライトジャケット(のモデル品)なのでしょうか?
今回はアメリカ陸軍航空隊装備マニアのみならず、フライトジャケットコレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
前面裏側
ウールとアクリルのボアライニング付き。
背面裏側
フードにもボア付き。
フード周りレイアウト
フード前縁にはムートンが回り込んでいますね。
フード付け根の左側にはボタンで留まっているチンストラップあり。
チンストラップは3個のボタンで調整可能。
ちゃんと内側にムートンがありますね。
チンストラップ装着例
前合わせはジッパーとボタンです。
タグ
黒地に黄色の刺繍で、当時のタグを良く再現しています。
ちゃんとメーカー名が入っているのが良心的ですね。
エポレット
テーパーなしのクサビ型。
ボタンで開閉。
付け根は縫い付けられています。
(汚れが少し…😅)
フードのドローコード
経年変化で変色?していますが、この色調には疑問あり。
胸ポケット
オケっと内側の生地は、濃いOD(ブラウン?)の毛布生地。
(でも官給品とは少々違っていますね。)
胸ポケットフラップは上下端が縫い付けられています。
腰ポケット
こちらのポケットフラップはフリー。
メーカーのランドリータグ
フードは「ムートソ」?
ムートンの間違いでは?
脇はG-1のような裁断。
裏地はナイロン?
袖
ややテーパー付き。
袖の手首付近には絞りを調整する金属製のバックル付きストラップあり。
金属製バックルは黒染め。
袖と裾は、コットン生地が裏側へ回り込んでいます。
背面のギャザー
ゴムを内蔵。
フードのトップには、被りの深度を調整するストラップ付き。
N-3系に似ていますね。
ジッパー
刻印は「TALON」
でも少々乱れている?
左袖付け根のAAFマーク
熱転写されています。
前見頃裏側のAAFマーク
こちらは白抜き。
ボタン
マホガニーブラウンのプラスティック製。
付属していた取り扱い説明書のケースと値札
中身は品名用紙、取り扱い説明書、葉書
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3 その特徴とは?
シェルはODのコットンツイルですが、細い糸で編まれていて薄く柔らかいです。
防風性能も高そうですね。
一方ライニングは一見アルパカウール風ですが、タグによるとアクリルが使用されているようです。
(でも、商品のパンフレットにはアルパカウールとありますねどちらなのでしょう?)
総じて少々重いですが防寒能力は高かく、着ると重さは感じません。
(嬉しい重さですね。)
デザインはフード付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2で、配置はB-9と同じです。
(後のN-3系に通じるものがありますね。)
デザイン比較
今回のモデル
アメリカ空軍N-3B
エポレットの有無や袖のデザインが違っていますが、よく似ているように思えますね。
全体的な縫製は、とても正確かつ丁寧なのですが、何故かボタンの縫い付けがとても緩く、メーカーらしくない仕立てですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年代
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
ウール
アクリル
表記サイズ 40
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約76cm
肩幅 約59cm
身幅 約66cm
袖丈 約63cm
状 態 中古極上品
官民区分 民生品
入手場所 名古屋のデパート
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
このジャケットは昔ながらの材質で製造されたモデルを忠実に再現しているので、意外に重量があります。
でも着用すると気になりませんし、その「重さ」に安心する…というか落ち着く不思議なジャケットですよ。
勿論、暖かさは半端なく真冬の衣料品としては必要十分ですね。
またMA-1などを始めとする多くのフライトジャケットより丈が長く、ハーフコートのようなデザインもポイント高いですね。
ただシェルはコットンなので擦り切れやすく(特に袖口)ここは要注意ですね。
じつはこのB-11は、前作B-9とともに、アメリカ軍のフライトジャケットとしては、人気が今ひとつなのです。
そのため現在でも価格を気にしなければ当時の官給品が入手可能ですね。
ただし残っている官給品の程度は、価格の割に悪いものが多く、閉口する場面も。
その点、新品が入手できるモデル品なら、リエナクトにも実用にも最適ですね。
幸いなことに、今回のモデルも含めたいくつかのモデル品が不定期に販売されていて、入手はなんとか可能です。
また国内のオークション・古着屋・リサイクルショップでも見かける場合があります。
新品なら意外に高価ですが、中古品なら幾分入手しやすくなっていますよ。
あなたのシチュエーションに応じて入手してみてください!
今回は大戦中のアメリカ陸軍航空隊防寒フライトジャケットB-11のモデル品を分析しました。
いやー軍装品って、モデル品も本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
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参考:他のフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
第二次大戦中の各国軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国の防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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