今回は、国籍不明軍の砂漠用迷彩フィールドジャケットを分析します。
また新しい配色のDPMを発見しました。
いくつかの国のデザインが混じりあった面白いジャケットです。
全く使用感のないデッドストックですよ!
目次
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1 国籍不明軍デザート迷彩フィールドジャケット(DPM)とは?
イギリス本国では、すでにお役御免となっているDPM(Disruptive Pattern Material:分裂模様素材)。
一説によると、大戦中のデニソンスモックに使用されたパターンを発展させたものとされていますね。
DPMには、
・明度の違う複数の色彩を使用
・刷毛で小さく丸く塗ったようなパターン
・場合によっては細かい斑点でボカシを加える
という特徴がありました。
全体としては、コントラストが明瞭な色調を混在させ、人体の輪郭を視覚的に分裂させるという効果がありました。
配色を変えることにより、砂漠から森林、はては都市まで幅広く使用できる汎用性の高い迷彩ともいえます。
現在でも(色調の差はあれど)全世界で採用されている迷彩パターンですね。
(因みに私が最も好きな迷彩パターンです!☺️←その情報必要?…と、またも奥(神)様から愛のあるツッコミが…😓)
当ブログでは、これまでイギリス本国をはじめ多種多様なDPMを使用した衣類を分析してきました。
しかし今回は、国籍を示すタグやスタンプが一切ありませんでしたよ。
でも本格的な造りや、軍衣料品の特徴を備えていていることから、どこかの国の軍隊用であることは間違いなさそうですね。
(しかも砂漠用だと思われます。)
あなたはどこの国用のフィールドジャケットだと思いますか?
今回は、迷彩服コレクションベテランのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 デザート迷彩フィールドジャケットの全体及び細部写真
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前面裏側ライナー付き
背面裏側ライナー付き
ライナーの袖口にはニットが!
襟周りレイアウト
襟の形はM65フィールドジャケットに似ていますね。
襟はチンストラップで立てることができます。
ここもM65フィールドジャケット系デザインですね。
前合わせはジッパーとダットファスナーです。
エポレットはテーパーなしのラウンド型
イギリス軍系のデザインです。
胸ポケット
ボタンで開閉
ボタンは表出し
イギリス軍系のデザインです。
腰ポケット
角度が付いていて、ボタンで開閉
こちらもイギリス軍系デザイン
袖
ほぼストレートです。
袖内には三角形の生地が!
マジックテープで開閉
アメリカ軍M65のデザイン
背面のアクションプリーツ
M65系デザインですね。
裾のドローコード
ゴムを内蔵
前面裏側にはライナー用のボタンが。
ウエストのドローコード
こちらはただの紐です。
うなじ付近にもライナー用ボタンが。
ボタンはライトブラウンのプラスティック製でアメリカ軍BDUタイプ
ジッパーは全て「YKK」でした。
脇の通気孔
金属製ハトメで4個
襟内には簡易フードを内蔵
フィードはサンド単色でした。
M65系デザインですね。
フード付け根の伸縮生地
ライナー
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前面は毛足の長いフェイクファー
(肌触りはヒマラヤンの子猫💕)
裏側はセーターのような編み方
袖ニット
ライトブラウンの化繊製です。
裏側のループは、袖内側のボタン用
ボタンホール部分は迷彩生地で補強
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3 その特徴とは?
迷彩はDPMなのですが、イギリス本国で使用されているどのDPMとも配色が違っています。
また、細かい斑点によるボカシは省略されていますね。
配色は、ホワイトに近いアイボリーの生地に、ライトカーキーグリーン、濃淡2色のブラウンで、合計4色です。
全体的に淡い色調ですが、アイボリーのせいでしっかりコントラストがついていますね。
生地は、おそらくコットンとポリエステル混紡のツイルで、密に編まれていますが軽量です。
裏側ほぼ全面に、ベージュのコットンポプリン製ライニングが設けられています。
またアメリカ軍M65フィールドジャケットの様に、専用のライナーが取り付けられるよう裏側にはボタンが付属していますね。
ライナーは、毛足の長いフェイクファー付きで肌触りが良く、とても暖かいです。
デザインは、アメリカ軍M65フィールドジャケットとイギリス軍のP68スモックの特徴を合わせたようなデザインですね。
構成は、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2、内ポケットはありません。
襟はチンストラップで立てることができて、ウエストや裾にはドローコードを装備。
面白いのは、各ポケットのボタンが表出しで、ライナーの袖にニットが装備されているところです。
全体的な縫製は、丁寧ですが強度はやや足りないようです。
4 製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 不明
・製造場所 不明
・契約会社 不明
・製造会社 〃
・材 質 コットン
ポリエステル
アクリル
・表記サイズ 表記なし
(日本人のL)
・各部のサイズ(平置)
着丈 約79センチ
肩幅 約50センチ
身幅 約65センチ
袖丈 約62センチ
・状 態 デッドストック
・官民区分 官給品
・入手場所 大阪の古着屋
・入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
個人的には、ポケットのボタン表出しは少々残念に思いますが、その他は感動の出来だと思いますね。
造りは本格的で、4色のDPMには妥協がありません。
洗練されたフィールドジャケットですね。
でも細部に渡り調査しましたが、国や製造場所を示すタグやスタンプは一切ありませんでした。
全体の雰囲気から、アフリカや中東の気配を感じますが、製造にはアジアの国が関わっている…そんな印象があります。
全くミステリアスなジャケットですね。
当然市販品としてショップで見かけることはなく、国内はおろか海外のオークションサイトでも発見できませんでした。
もしかしたら試作品や商品サンプルなのかもしれませんね。
(店長さんもわからないとのことでした。😞)
あなたが使用国を特定できるアイテムでしたら、ぜひ(優しく)教えてください。
今回は、国籍不明ながら洗練された砂漠用迷彩のフィールドジャケットを分析しました。
次回は、フランス軍の防寒着を分析します。
お楽しみに!
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参考:他の国籍不明軍の装備に関する生地はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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