今回は、1960年代のチェコスロバキア軍ヘルメットを分析します。
旧ソ連軍ヘルメットデザインの流れを汲むヘルメットですね。
さすがに現代では使用されていないようです。
少々傷んでいますが、デッドストックですよ!
目次
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1 旧チェコスロバキア陸軍スチールヘルメット(Vz53)とは?
一説によると、紀元前から使用されている金属製ヘルメット。
主に剣、矢そして槍から頭部を保護することが目的でした。
しかし、高性能のヘルメットが登場したのは第一次大戦でしたね。
この当時のヘルメットは、落下してくる瓦礫から頭を守るイギリス軍タイプ(皿型)と銃弾から頭を守るドイツ軍型(卵型)に分かれていましたよ。
いずれも鋼板一枚にサスペンションのついたデザインでした。
チェコスロバキア軍は、第二次大戦前には独自デザインのヘルメットを採用しています。
やはり銃弾からの防御を考えたドイツ軍タイプ(卵型)ですね。
チェコスロバキア軍M34ヘルメット
ブログ「男の隠れ家」から引用
http://www.sun-inet.or.jp/~oginoart/wolf_schanze/images/hel_images/hel43.htm
戦後、社会主義化に伴い軍装備も旧ソ連軍の影響を受けて、ヘルメットも旧ソ連軍ssh–40ヘルメットのデザインを継承していますね。
今回のモデルは、その中でも1960年代のモデルになります。
兵器や装備の開発には、定評のあるチェコスロバキア軍ですが、このヘルメットも単にソ連軍ヘルメットのコピーに終わらず、独自の工夫で改良されていますよ。
さてさて、それはどんなヘルメットなのでしょうか?
今回は、チェコスロバキア軍装備マニアのみならず、火災時でも使用できる熱に強いヘルメットをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 スチールヘルメットの全体及び細部写真
全体形
意外に明るい色調ですね。
前面
背面
側面
側面の一部が、下にやや垂れ下がっているのが特徴です。
上面
表面に出ているリベットは3個で、ここが識別点ですね。
内部のサスペンション
レザー製でテンションを紐で調整
ヘルメット裏側も表側と同じ焼き付け塗装です。
チンストラップもレザー製
ヘルメットの縁に折り返しはありません。
取り付け部は割りピン式なので、分解も可能です。
ダークグリーンに塗装されたバックル
ヘルメット内部のスタンプ
交差する剣のマーク
その右側の数字は、63?83?
サスペンションのサイズは、ダットファスナーで数センチ調整可能
レザーで頭部の周囲にあたる部分には分厚いフェルトのクッション材付き。
サスペンション裏側には各種スタンプが!
1963年製???
サスペンションにはブラウンに塗装された金属製のハトメが。
ここに紐を通します。
チンストラップやサスペンションの金属部品は、この小さなリベット(3個)で留められています。
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3 その特徴とは?
材質は高抗力張スティールで、薄いですが適度な硬度と弾性を兼ね備えているのが特徴です。
全面ダークグリーンの焼き付け塗装が施されていますね。
声は当時の東側軍車両や火砲に使用されていた共通のカラーですね。
(勿論、僅かな色調誤差があるようです。)
デッドストックだからでしょうか?とても美しい仕上がりです。
デザインは旧ソ連軍が1940年代から使用していたSSh–40ヘルメットを継承していますね。
そのためアメリカ軍や自衛隊のように、シェルとライナーという二重タイプではありません。
真横から見ると耳の部分がやや下方に垂れ下がっているのが特徴です。
でも、サスペンションは大戦中のドイツ軍型に似たレザー製ですね。
(クッション材に厚いフェルトを使用しています。)
5個の通気孔がある8枚のフィンを紐で調整するタイプです。
サイズ調整はダットファスナーで可能。
チンストラップ(顎紐)もレザーで、金属製バックル付きの幅広タイプですね。
サスペンションやチンストラップは、合計3枚のスチール板で吊り下げられていますよ。
そのため、ヘルメット表面には3個の小さなリベットが見えますね。
(旧ソ連軍ヘルメットは6個でした。)
全体的な仕上げはとても丁寧で、チェコスロバキアのレベルの高さを垣間見ることができます。
4 製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 1960年代?
・製造場所 旧チェコスロバキア
・契約会社 旧チェコスロバキア
・製造会社 〃
・材 質 カーボンスティール
レザー
フェルト
・表記サイズ 5B
(日本人のL)
・各部のサイズ 全長 約29センチ
全幅 約26センチ
全高 約28センチ
・状 態 デッドストック
・官民区分 官給品
・入手場所 大手通販サイト
・入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
じつは、この種のスチールヘルメットは、完全に銃弾を止めることはできません。
(曲面で構成されたヘルメットなので、浅い角度では銃弾の侵入を防ぐという説もありますが…。)
それでもヘルメットの有無は頭部の負傷に大きな影響を与えるとの研究結果もあります。
現在のヘルメットは、実際に銃弾を止める機能もあるらしいですが、その昔は今回のようなヘルメットでも「ないよりマシ」だったのかもしれませんね。
もはや骨董品と化したこのヘルメットですが、じつは現在でも使用できる場合があります。
それは災害時です。
特に火災においては、現行の防災ヘルメットが殆ど強化プラスティック製で、衝撃から頭部を保護できますが、火災においては溶けたり最悪燃えてしまう恐れもありますね。
そういった場合、やはりスチールヘルメットがあれば安心なのでは?
少々重いですが、逆に被ると心理的な安心感を得ることができる重さですよ!
ところで、今回のモデルは2021年現在、数が激減しています。
一時は通販サイトでもデッドストックが入手できましたが、現在は専門店の片隅や、オークションで中古品を僅かに見かけるのみになりました。
まだ入手していないあなたは、ぜひ探し出してみてください!
明らかに旧ソ連軍のssh–40より上質なヘルメットですよ!
今回は、亡国旧チェコスロバキア軍の一般的なスチールヘルメットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20220515更新)
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参考:他の軍用ヘルメットに関する記事はこちらです。⬇︎
旧チェコスロバキア軍装備品に関する記事はこちらです。⬇︎
🇨🇿旧チェコスロバキア(Czechoslovakia) カテゴリーの記事一覧
現在のチェコ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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現在台風16号が発生していて、今後の進路が気になるところですね。
気象庁台風16号進路予想図
(2021年9月27日15時予想)
https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#4/30.638/143.086/&elem=root&typhoon=all&contents=typhoon
この時期日本付近は、冷たい空気と暖かい空気がぶつかる時期でもあります。
(秋雨前線が停滞して影響を受けやすいですね。)
そこに台風が近づいてくると、台風から湿った空気の影響で、離れている地域でも大雨になったりします。
やはり油断せず、災害に対する備えが必要ですね。
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読んでいただき、ありがとうございました。
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