今回は、1960年代の陸上自衛隊水筒セットを分析します。
かなり古い製品ですね。
水筒カバーのデザインが変更される前の製品です。
中古品ですが、時代を考えると程度は極上ですよ!
目次
スポンサーリンク
スポンサーリンク
1 陸上自衛隊水筒セット(水筒覆い・カップ付き・1960年代・シングルファスナータイプ)とは?
日常生活においても必要不可欠な「水」。
一説によると人間は、食物を摂取しなくても数週間生きられますが、水分を摂取しなければ3日持たないらしいですね。
ましてや過酷な戦場では、言わずもがなでしょう。
そのため、各国とも兵士に必要な水分を摂取させるため、創意工夫を凝らした水筒を開発していますね。
それは自衛隊も同じです。
全体的なデザインはアメリカ軍の影響を強く受けていますが、自衛隊独自の工夫もありますね。
さてさて、それはどんな水筒セットなのでしょうか?
今回は、コアな陸上自衛隊装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
セット全体
前面
水筒覆いの生地色調が、後のモデルよりオリーブ色が強いですね。
水筒押さえ(フラップ)は2枚ですが、留めるファスナーは1個のタイプですね。
背面
太いワイヤー(針金)はピストルベルト(弾帯)に取り付けるためのもの。
キャンバス生地のループは、ピストルベルトを通すためのもの。
上面
底面
左側面
右側面
ファスナー
クローズド(閉鎖)タイプですね。
ファスナー背面
しっかり取り付けてあります。
2枚目のフラップは金属製のハトメ付き。
ファスナー基部
水筒カバー内側
丁寧で頑丈な縫製です。
水筒カバーのタグ
1962年度契約品ですね。
水筒及びカップ
前面
背面
水筒本体
前面
特徴ある傷は、カップのリベットによるもの。
背面
凹んでいて身体に密着する造り。
側面
本体は前後2分割されたアルミパーツで、溶接で接合されています。
上面
底面
水筒の刻印
こちらは1965年度契約品ですね。
製造は、戦前から旧軍の水筒を製造していたメーカー製です。
キャップと紛失防止のチェーン
チェーンはメッキされていますが、経年変化で錆が出ていますね。
(いつかソーダブラストしたいです。)
キャップは硬質プラスティック製
中には紙製(?)のパッキンあり。
付属のカップ
前面
背面
1目盛は約100ccで等間隔に刻印されています。
(でも、カップは逆テーパー付きなのですが…😅)
側面
カップの縁は、補強も兼ねて折り返して整形されています。
底面
凹みは、水筒の溶接部の影響を受けています。
内部の凹みは、水筒本体の溶接跡によるもの。
ハンドルを抑えるプレートは、強固なリベット留めされています。
カップの刻印
水筒本体と同じですね。
ハンドルは起こして使用します。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
3 その特徴とは?
水筒本体は、ある程度厚みを持ったアルミ製で、軽量ですが意外と頑丈です。
(それでもアルミ製なので凹むことはありますよ。)
注ぎ口、本体前後の3パーツからできているのが特徴です。
このデザインは、アメリカ軍が大戦後期に支給した水筒に酷似しています。
第二次大戦中のアメリカ軍水筒
(このタイプはステンレス製)
キャップはブラックの強化プラスティック製で、チェーンで本体に繋げるようになっていますね。
(紛失防止ですね。)
カップも全てアルミ製で縁は折り返し仕様。
下半分に計量目盛がありますよ。
水筒カバーは防水コーティングされたやや厚いキャンバス製で、背面にはピストルベルト(弾帯)に通すワイヤーフックや、厚い生地のループがあります。
水筒本体を固定する方法は、2枚のフラップを中央のファスナー1個で固定するタイプですが、気が付いたら外れていることが多く、後に2個のファスナーに変更されました。
全体的な造りは丁寧かつ正確で、いかにも手先の器用な日本の職員が精魂込めて作った印象です!
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1965年
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 アルミニウム
強化
プラスティック
各部のサイズ(水筒本体)
全高 約20cm
全幅 約14cm
奥行 約11cm
容量 約860cc
状 態 中古上品
官民区分 官給品
入手場所 神奈川のイベント
入手難易度 3(困難)
スポンサーリンク
スポンサーリンク
5 まとめ
私が陸上自衛隊に入隊した1981年には、教育隊〜部隊では水筒押さえ(フラップ)が2個のファスナーで留める新しいタイプでした。
でも航空自衛隊ではファスナーは1個でしかもフラップは2枚とも金属製ハトメ付き、ファスナー先端を捻って留めるタイプ(だったような気が…うろ覚えです。😅)でした。
(水筒本体やカップは殆ど同じですよ。)
これまでの自衛隊生活では、今回のモデルのようなタイプを見たことがありません。
もしかしたら初期の製品で、短い期間のみ使用されたものかもしれません。
…だとすると、意外と貴重なのでは?😃
それはともかく、現在の陸上自衛隊では新型の水筒に更新されて久しいですね。
旧型の水筒は、これからさらに数が減ってゆくので、もし見つけたら即購入しておいた方が良さそうです。
ところで今回のモデルでも付属していたカップについて、イギリス軍で興味深いエピソードがあったのでご紹介しましょう。
1980年代後半でしたか、イギリス軍の水筒がそれまでのアルミ製から強化プラスティックに変更されました。
本体のみならずカップも強化プラスティック製で、水筒セット本体の軽量化と製造コストの削減を図ることが目的でした。
ところが支給されるやいなや、殆どの兵士が先を争って軍払い下げショップへゆき、前のモデル(P44?)であるアルミ製の中古カップを購入したそうです。
理由は「プラスティック製のカップは、直接火やストーブにかけられない」からだとか?
面白いですね。
それを考慮して(?)でしょうか?
陸上自衛隊の新型水筒は、水筒本体は強化プラスティック製ですが、カップは従来通りのアルミ製でしたね。
さすがは陸上自衛隊、用意周到ですね!
(ちなみに新型水筒は、現在全自衛隊に支給されているとの情報があります。)
いつか新型水筒を入手したいです!
今回は、陸上自衛隊が使用していた古(いにしえ)の水筒セットを分析しました。
いやー自衛隊装備品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20240517更新)
スポンサーリンク
スポンサーリンク
参考:他の自衛隊装備に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
スポンサーリンク
【ふるさと納税】 【自衛隊装備品モデル】(衛生隊員用)メディバッグ 「MIシリーズ」Made in MIZUSAWA&ISAWA[AP001]
【ふるさと納税】【自衛隊装備品モデル】(MCV隊員用)MCVバッグ(可変型)「MIシリーズ」Made in MIZUSAWA&ISAWA[AP003]
【ふるさと納税】【自衛隊装備品モデル】(水陸両用作戦隊員用)マリンバッグ 「MIシリーズ」Made in MIZUSAWA&ISAWA[AP002]
【ふるさと納税】【自衛隊装備品モデル】(偵察オートバイ隊員用)マップケース 「MIシリーズ」Made in MIZUSAWA&ISAWA[AP004]
スポンサーリンク