
今回は、1960年代のオランダ空軍パイロットスーツ(フライトスーツ)を分析します。
全体的なデザインから、やはりアメリカ軍の影響を受けているようですね。
でもパーツは意外な国のものが使用されていました。
中古品ですが程度は良好ですよ!
目次
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1 オランダ空軍パイロットスーツ(フライトスーツ・OD・コットンギャバジン)とは?

第二次大戦でドイツに国土を蹂躙され約1週間で降伏したオランダ。
中立を宣言しながらも、非力な軍隊では、全く抑止力がないことを証明してしまいました。
その教訓を経て、戦後はアメリカ、イギリス、ドイツ製の兵器を装備して強い軍隊の目指しているようです。
(現在のオランダ空軍は、アメリカ製F-16やF-35を装備していますね。)
今回のモデルは、そんなオランダ軍が1960年代に支給したパイロットスーツになります。
ちょうどアメリカ製F-84、F-86、F-104戦闘機を装備していた頃ですね。
パイロットスーツもアメリカに倣ったようですよ。
さてさて、それはどんなパイロットスーツ(フライトスーツ)なのでしょうか?
今回は、世界のパイロットスーツコレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体前面
アメリカ軍のパイロットスーツK-2Bを参考にしたデザインですね。

前面上半身
ウエストのサイズ調整タブはありません。

前面下半身

全体背面
ウエスト部にはゴムを内蔵しています。

背面上半身

背面下半身

前面上半身裏側

前面下半身裏側

背面上半身裏側

背面下半身裏側

襟周りレイアウト
襟はアメリカ軍に準じた丸襟ですね。
超音速用のスーツでしょうか?

前合わせはジッパーのみ。
ちゃんとストームフラップ(ウインドシールド)がありますね。

ストームフラップ(ウインドシールド)は上端が斜めにカットされたデザイン。

タグ①
うなじ付近にあります。
サイズはヨーロッパに多くみられる表記で「50」のようです。

タグ②
1961年度契約品です。
当時のオランダ軍独自物品番号が記載されていますね。
「K.Lu」は王立空軍(コーニンクライケ・ルフトマハト)の略。

肩の補強生地
前面

肩の補強生地
背面

フロントジッパー
刻印は「GUSUM」
かつてスウェーデンに存在したメーカーですね。

もちろんジッパーは上下から開くダブルジッパーです。

胸ポケット
ジッパーで開閉。
何故かジッパーのプルタブが折り曲げられていました。

右膝ポケット
水平のジッパーで開閉。

左膝ポケット
縦のジッパーで開閉。

ふくらはぎポケット
ジッパーで開閉。
後方にはマチあり。

足首のジッパー
マチ付き。


ウエストのスリット
表側

裏側

袖
テーパー付き。


袖ポケット
袖と平行ではなく、角度を付けて縫い付けられています。

手首のジッパー
マチ付き。


ウエスト部のギャザー。

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3 その特徴とは?
生地はODに染められたコットン・ギャバジン製。
緻密に織られていてある程度の防風性能がありそうです。
また肌触りも良好ですよ。
デザインは、アメリカ軍のパイロットスーツ(K-2B)を参考にしているようです。
デザイン比較
今回のモデル
前面

アメリカ空軍K-2B
前面

今回のモデル
背面

アメリカ軍K-2B
背面

デザインは似ていますが、ウエスト部の処理や左膝ナイフポケットの有無、両袖の処理が違っていますね。
構成は、エポレットなし、丸襟、胸ポケット×2、腰スリット×2、膝ポケット×2、ふくらはぎポケット×2、袖ポケットで、袖口と裾はジッパーで開閉できます。
またウエストのサイズ調整タブ(またはストラップ)はありませんが、背面にはゴムテープを内蔵しているのがヨーロッパ系のデザインですね。
全体的な縫製は丁寧かつ正確で、高い技術で仕立てられていますよ。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1961年
製造場所 不明
契約会社 不明
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 50
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約54cm
身幅 約62cm
袖丈 約67cm
ウエスト 約51cm
着丈 約172cm
股下 約80cm
裾幅 約21cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 大阪の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
ヨーロッパの空軍では、多くがシンボルカラーとして衣類にグレイを用いている場合が多いですよね。
(最近はアメリカに倣ってセージグリーンも増えていますが。)
でも今回のモデルは、1960年代に開発されたにもかかわらず、渋いOD(オリーブドラブ)というのが珍しいですね。
しかもコットンギャバジン製とくれば、これはかなり実戦を想定したレベルの高いパイロットスーツと言えます。
仕立ても良いですし、着心地も素晴らしいですよ!

ただし、大手通販サイトのみならず並いるネットショップでも全く見たことがありません。
勿論大手ミリタリーショップにも在庫しておらず、入手はとても困難だと思われます。
ただし過去には国内のオークションで出品されていた例もあるので、全く入手できないわけではなさそうですね。
そもそもこのパイロットスーツの存在自体、ご存知でない業者も多いのでタグが失われていると「アメリカ軍物」として販売されている可能性もあります。
探しているあなたは、生地色のODと左膝ポケットの形状を頭に入れて探してみましょう!
(タグがあれば無問題ですが。)
特に海外オークションが出会える確率が高いと思われます。
頑張って探してみましょう!
私はこのパイロットスーツのデッドストックを探してみたいと思います!
今回は、古いオランダ空軍のパイロットスーツを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
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参考:他のオランダ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のパイロットスーツに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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