
今回は、1990年代のスロバキア陸軍防寒ジャケットを分析します。
かつてのワルシャワ条約機構に多いタイプの防寒着ですね。
でも、どこかエレガントな雰囲気が見受けられる一品です。
まさかのデッドストックですよ!
目次
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1 スロバキア陸軍防寒ジャケット(カーキ・キルトライニング)とは?

諸説ありますが、古くはボーア戦争くらいから使用されてきた軍装の「カーキ(黄褐色)」。
当時は制服で戦争するのが常識でしたが、それまでの原色や原色に近い派手な軍装に替えて、目立たないこのカラーは、イギリス軍で使用されたのが始まりだとされていますね。
ところが第二次大戦では次第により目立たないOD(オリーブドラブ)やグレイに置き換えられていきましたね。
ところが戦後もしばらく…いえ、つい最近までカーキを主に使用していた国がありました。
それはワルシャワ条約機構を構成していた旧ソ連を含む国々です。
今回のモデルは、そんな国の一つであった旧チェコスロバキアから独立したスロバキア陸軍の防寒ジャケットになります。
全般的なデザインは旧ソ連/ロシアの影響を受けているようですよ。
さてさて、それはどんな防寒ジャケットなのでしょうか?
今回はスロバキア軍装備マニアのみならず、シックで落ち着いた防寒ジャケットをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
一見軍物に見えないデザインですね。
フロントは頂部を除き隠ボタンです。

背面
背面もシンプルです。

前面裏側
裏側のほぼ全面にキルトのライニングがあります。
襟裏のボタンに注意。

背面裏側
キルティングは縦とジグザグのステッチ。

内ポケット
オープンタイプで内側の生地はダークイエローの薄いコットンポプリン。


襟周りレイアウト
左襟の合成皮革製タブに注意。

開襟の状態

背面のヨーク部

右襟裏のボタンと左襟タブで…

襟を立てることができます。

前合わせはボタンのみ。

前合わせのボタンホール部はグレイの生地で補強されていました。

うなじのタグ表と裏側


前裾左裏側下端にあるスタンプ
サイズ表記が旧チェコスロバキア時代に似ていますね。
でも旧チェコスロバキアや現在のチェコ軍装備を表す交差する剣のマークはありません。

前裾右裏側下端にあるスタンプ
この数字は右側の数字と同じですね。

肩の生地
ただの長方形ではなく下端がカットされていますね。

腰ポケット
ポケット口がやや絞られているデザイン。
オープンタイプなので、これなら内容物を落としにくくなるのかも。
ポケット内側生地もシェルと同じです。


袖
緩やかなテーパー付き。


袖口はタブとボタンで絞ることができます。


シェルは内側に廻り込んで縫製されていますね。

前見頃のボタン(大)
オリーブ色のプラスティック製。

袖ボタン(小)
同じくオリーブ色のプラスティック製。

襟のタブ表と裏
合成皮革製で、表面は艶ありブラウン。
袖タブも同じですね。


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3 その特徴とは?
生地はカーキに染められた防風織されたコットンポプリンで、肌触りが良いです。
色調は、旧ソ連軍系のカーキではなく、どちらかというと大戦中のアメリカ軍系に見えます。
一方ライニングはグレイのポプリンのキルトで、中綿は重量からポリエステルではなくコットンだと思われます。
そのためジャケット全体の重量は、やや重いですね。
デザインは、エポレットなし、腰ポケット×2、内ポケットで、襟はタブとボタンで立てることができます。
特筆すべきはそのタブで、合成皮革というところです。
これは旧ソ連軍でも多く使用されていました。
(こんな所にも旧ソ連軍の影響が見え隠れしています。)
全体的な縫製は、丁寧ですが、所々不正確な箇所がある面白い仕立てです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年代
製造場所 スロバキア
契約会社 スロバキア
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 53-2B
(日本人のXL)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約52cm
身幅 約68cm
着丈 約62cm
袖丈 約62cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 香川のリサイクル店
入手難易度 1(容易)
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5 まとめ
カーキのカラーはともかく、一見軍物に見えないのは、
- 肩の生地の先端が斜めにカットされている
- 胸ポケットがない
などのデザインからくる印象でしょうか?
カラーもジーンズやスーツに合いそうですよ。
実際に着用してみましたが、冬は風を通さず保温力もあって暖かいジャケットですね。
重量も全く気になりません。
ただし前合わせがボタンのみなので、バイクでは冷気が侵入してお腹が冷えました。
(普通車や公共交通機関なら問題はなさそうです。)
バイクでの使用時には、何か工夫が必要ですね。
またライニングが綿なので、水濡れ時には完全に乾燥させることが重要です。

それはともかく、このシックな防寒ジャケットは、現在でも大手通販サイトでデッドストックが入手可能です。
ただ1990年当時からは、価格がかなり上がっていますね。
探しているあなたは資金を貯めて、通販サイトは当然ながら同時に国内のオークションもチェックしてみましょう。
ただし通販サイトもそうですが、多くの場合チェコ軍物として販売されているので注意が必要です。
購入時にはサイズと程度をよく確認しましょう。
(中古品の場合は、破損、修理、汚れ、欠品にも要注意です。)
私は、フード付きのパーカーの購入を試みたいと思います!
今回は、素敵なスロバキア陸軍の防寒ジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
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参考:他のスロバキア軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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