
今回は、1980年代のオマーン軍国王親衛隊迷彩スモックを分析します。
オマーンは色違いのDPMを採用していることが多いですね。
でも今回のモデルは、元となったイギリス軍DPMの色調に近い(?)のが特徴です。
偶然見つけたデッドストックですよ!
目次
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1 オマーン迷彩スモック(DPM・イギリス軍P68スモック類似デザイン)とは?

アラビア半島の東端に位置するオマーン。
かつてはイギリスの保護国でしたね。
そんなオマーン軍では通常の陸、海、空軍に加えて「国王親衛隊」という独自の軍隊を所持していることでも有名ですね。
兵力としては五千人くらいだと聞いていますが、国王を警護するのが主任務のようです。
そんなオマーン軍国王親衛隊の装備は、独自のものが与えられているようですよ。
今回のモデルは、そんなオマーン軍国王親衛隊用に開発された迷彩スモックになります。
現在も使用している各種兵器と同様に、イギリス軍の影響を顕著に受けたデザインと迷彩生地が素晴らしい一品ですね。
…でも、当然あるべきものが欠品となっていましたよ。
さてさて、それはどんな迷彩スモックなのでしょうか?
今回は、オマーン軍装備マニアのみならず、DPMをこよなく愛するあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
一見イギリス軍P68スモックを完全にコピーしているように見えます。

背面
でもDPMはとても鮮やかな色調ですね。

前面裏側
裏側のほぼ前面にポプリンのライニングがあります。
左右の胸にある内ポケットに注意。

背面裏側
裾付近にテイルピース(ビーバーテイル)があります。
でも…

襟周りレイアウト

襟はジッパーとボタンで立てることができます…

前合わせは自パートボタンで開閉。
襟から胸ポケットへ斜めに走るステッチに注意。

ジッパーは信頼の「YKK」
正しい選択ですね。


タグ
オマーンの有名なメーカー製ですね。

内ポケット
ライニングと同じ生地製のパッチポケット。
イギリス軍P68では左胸のみでしたが、このモデルは左右にあります。

ウエストのドローコード
ダークグリーンのナイロン製。

裾のドローコード
ウエストのドローコードと同じナイロン製です。

ドローコード出口はどれもボタンホールタイプ。

テイルピース
ボタンで開閉。

テイルピースを外すと裾ポケットあり。

裾のポケットは大小2気室

エポレット
テーパーなしのラウンド型。

胸ポケット
ボタンで開閉。


腰ポケット
こちらもボタンで開閉。


袖
強いテーパー付。


袖口はボタンで開閉。
でもイギリス軍P68スモックの様にマチはありません。


袖ポケット
ボタンで開閉。
このポケットも2気室ですね。


撮影で気付きましたが、テールピースはあるものの、それを取り付けるためのボタンが一切ありません。
これは…製造ミスでしょうか?


ボタン
濃いダークグリーンの肉厚プラスティック製。
アメリカ軍タイプで両面使用可能。

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3 その特徴とは?
迷彩は、ライトカーキの生地に、オレンジブラウン、グリーン、ブラウン、ブラックを用いて刷毛で小さく丸く塗ったようなパターンを描いています。
パターン自体はイギリス軍が採用していたDPM(Disruptive Pattern Material)なのですが、各色にあった細かい斑点による暈かしは省略されていますね。
またベース色が、タン(またはダークイエロー)からオレンジブラウンに変更されているため、オリジナルDPM(とは言っても、オリジナルも色調差が激しいのですが…。)より鮮やかに見えます。
生地は、薄いコットンのギャバジンで、目が細かくある程度の防風性能があります。
デザインは、やはりイギリス軍P68スモックをコピーしていますね。
デザイン比較
今回のモデル

イギリス軍P68DPMスモック(一般兵科用)

構成は、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2、内ポケット×2、背面裾裏側ポケット×2、袖ポケットで、テイルピースもあります。
でもテイルピース取り付け用のボタンは、裾前面や裏側にもありませんでした。
(取り付けた跡もありませんでしたよ。)
イギリス軍P68DPMスモック(一般兵科用)

今回のモデル

せっかくのテールピースが、このままでは使用することができませんね
全体的な縫製は、とても正確かつ丁寧で、素晴らしい仕立てです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 オマーン
契約会社 オマーン
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 4
(日本人のXL)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約55cm
身幅 約61cm
着丈 約84cm
袖丈 約60cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品?
入手場所 香川の古着屋
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
イギリス軍P68スモックは、デニソンスモックのデザインを一部踏襲してテイルピースを装備してます。
そのためフロント(前合わせ)裏側には、股間を通してテイルピースを固定するボタンが計6個ついてるのが特徴でした。
イギリス軍P68DPMスモックテイルピース用ボタン

一方、今回のモデルは忠実にイギリス軍P68のデザインを踏襲してテイルピースも装備していますが、肝心の固定用ボタンがありませんでした。
それどころか、ボタンを縫った跡どころかボタン位置のマーキングもありませんでしたよ。
最初からテイルピース用ボタンを取り付けるつもりがないように思うのですが?
(ならば、テイルピースも必要ないのでは?)
謎の省略がなされていて、とても違和感を感じますね。。
(最悪製造ミスなのかも?)

…それはともかく、迷彩色調がやや派手ではありますが紅葉シーズンでは効果を発揮してくれそうですし、ある程度の防寒性能もあるので普通に使える迷彩スモックですね。
ただし、この素敵な迷彩スモックは、極端な品薄…というか、殆ど市場に流通していないものなので、入手はとても困難だと思われます。
それでもイギリス軍DPMに紛れて一緒に販売されている可能性があるかもしれません。
探しているあなたは、イギリス軍を含むすべてのP68型DPMスモックを探してみましょう。
私は同じく国王親衛隊の他の装備を探してみようと思います。
今回は、希少なオマーン軍国王親衛隊用の迷彩スモックを分析しました。
いやー軍装品って、本当に面白いですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20261106更新)
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参考:オマーン軍DPMの迷彩スモックに関する記事はこちらです。⬇︎
他のオマーン軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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