今回は、近年のイギリス陸軍ガスマスクバッグを分析します。
イギリス軍ではガスマスクを「レスピレイター」と呼んでいますね。
でも昨今は、この種のバッグをあまり使用しないようです。
両モデルとも中古品ですが程度は極上ですよ!
目次
スポンサーリンク
スポンサーリンク
1 イギリス陸軍ガスマスク(レスピレーター)用バッグ2種とは?
第一次世界大戦で本格的に使用され始めた毒ガス。
多くの毒ガスがドイツによって開発されたので、種類によっては「G」ガスとも呼ばれることもありますね。
でも紀元前から、有毒な煙などを用いた兵器はあったようです。
(今に始まったことではないのですね。)
一方毒ガスが発達するにつれ、防御装備も同時に発達してきましたね。
中でもガスマスクはすぐに着用でき、毒ガスを防ぐとともに、対戦車ロケット弾等の噴流などからも顔面を保護することもできますね。
今では各国の軍隊で装備されていますよ。
今回のモデルは、そんなガスマスクを収納して携帯する専用のバッグになります。
イギリス軍のモデル2種を準備しました。
(S6とS10用のガスマスク用バッグになります。)
参考:イギリス軍ガスマスク
右:S6
左:S10
(よく似ていますが、目のガラス部分の形状が違っていますね。)
ガスマスク用のバッグですが、なかなか魅力的で利用価値もありそうですよ!
さてさて、それはどんなバッグなのでしょうか?
今回は、イギリス軍装備マニアのみならず、手軽に使用できる防水ショルダーバッグをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 ガスマスク(レスピレーター)バッグ2種の全体及び細部写真
⑴ S6用バッグ
前面
背面
上面
底面
左側面
下部にオープンタイプの小さなポケット
左側面の小ポケット
本来は側面から伸びる紐をまとめて入れておくべきもの。
(残念ながら紐は最初から切り取られていました。)
右側面
こちらには蓋付きポケット
右側面ポケット
マジックテープで開閉
iPhone SE(旧)がちょうど入るくらいです。
大戦中のガスマスクバッグから付いている金具
内側からブラスのリベット留め
背面のDリングとループ
ピストルベルトも通せる幅広タイプ。
Dリングとショルダーストラップフック
全て金属製です。
これは左側ですが、右側は縫い付けで外せません。
ショルダーストラップにはバックルがあって長さを調整できます。
上蓋前面の ダットファスナーと指掛けループ。
蓋はマジックテープとダットファスナーで開閉。
諸元スタンプ
1989年度契約品
ブロードアロー(矢印)も見えますね。
上蓋の裏にはゴムテープが2本
用途は?
内部
二つのコンパートメント
広い方には、毒ガスを中和する薬剤を入れるループとポケット付き
ペンポケットとして使えるかも。
もう一方のポケット
大きさからキャニスター(吸気管)を入れるものでしょうか?
硬質スポンジのパット入り。
同じくS6用バッグの年度違いモデル
最初のモデルよりややグリーンが強い生地
左側小ポケットに入る紐
これを用いて大腿部や腰に取り付けます。
こちらは1987年度契約品
生地のコーティングが一部剥がれ始めていますね。
⑵ S10用バッグ(後期型)
前面
今回はDPMですが、初期型にはオリーブグリーンのモデルも存在します。
背面
背面には用途不明のパネルがあり、開くと金具がありました。
これは?
上面
底面
左右に水抜き穴(金属製ハトメ)あり。
左側面
薄く縦に長いオープンタイプのポケット
右側面
右側面には蓋付きポケット
マジックテープで開閉
ショルダーストラップのバックルやスクエアリングは全て強化プラスティック製
こちらのモデルも、左側は外せますが右側は縫い付けです。
S10用バッグの上蓋裏側にも2本のゴムテープが。
蓋はマジックテープとダットファスナーで開閉
内部のポケットは一つ
マジックテープで開閉
薬剤入れのループがありますが、このポケットにキャニスター(吸気缶)は入りませんね?
生地にコーティングはなく、ライニングが準備されています。
(ポケット以外)
内部下部にも謎のゴムテープが!
こちらのモデルにはNSN(国際物品番号)と品名のみ。
上蓋の指掛け用ループ
その下にダットファスナー
スポンサーリンク
スポンサーリンク
3 その特徴とは?
⑴ S6用バッグ
生地はODで、ナイロン生地に防水のコーティング(表裏とも)が施されています。
(そのためライニングはありません。)
そのため、生地表面にはやや艶があります。
上蓋の開閉は、ダットファスナーとなジックテープ併用で、簡単に開け閉めが可能。
勿論ショルダーストラップが付いていますよ。
バックルやDリングは全て金属製です。
ポケットは内外合わせて4個で、背面にはベルトに通すためのループがありますね。
(ベルトに通すこともできます。)
ちゃんと蓋をしておくと、ほぼ防水仕様ですが、逆に中に水が入ってしまうと排出には時間がかかりそうです。
⑵ S10用バッグ
生地はDPMのナイロン生地で防水のコーティングは各ポケット内部のみで、バッグ本体内にはナイロンのライニングがあります。
生地表面は艶消しで、記載はありませんが赤外線対策がされているかもしれません。
上蓋の開閉は、こちらもダットファスナーとなジックテープ併用で、簡単に開け閉めが可能です。
勿論ショルダーストラップも付いていますが、バックルやDリングは全て強化プラスティック製です。
ポケットは内外合わせて4個で、背面にはベルトに通すためのループがありますね。
(ベルトに通すこともできます。)
面白いのは、背面のパネル内側に、意味不明の金具があることです。
(用途はなんでしょう?)
S6用バッグに比べ、完全防水ではないようですが、底には水抜き穴がありました。
S6用バッグとは、コンセプトが大きく違っていますね。
4 製造とサイズのデータ
S6用バッグ
・製造又は契約年度 1989年
・製造場所 イギリス
・契約会社 イギリス
・製造会社 〃
・材 質 ナイロン
・各部のサイズ 縦 約25センチ
横 約19センチ
奥行 約12センチ
・状 態 中古良品
・官民区分 官給品
・入手場所 名古屋の専門店
・入手難易度 3(困難)
S10用バッグ
・製造又は契約年度 1990年代
・製造場所 イギリス
・契約会社 イギリス
・製造会社 〃
・材 質 ナイロン
・表記サイズ 32
(日本人のL)
・各部のサイズ(平置)
縦 約27センチ
横 約27センチ
奥行 約12センチ
・状 態 中古極上品
・官民区分 民生品
・入手場所 大手通販サイト
・入手難易度 1(容易)
スポンサーリンク
スポンサーリンク
5 まとめ
日本でもテロで使用された毒ガスがありましたが、神経ガスの中には皮膚から侵入するタイプもあります。
そのため現在では、ガスマスクで呼吸を保護することのみならず、全身の防護が必要という認識が一般的ですね。
(普通ガスマスクに各種フードを取り付けて使用する場合が多いようです。)
このため多くのガスマスク用バッグが、その容量不足からお役御免になっているのが現状です。
(だから数多くのガスマスク用バッグが払い下げられているのですね。)
ところで、ガスマスクバッグのデザインに関しては、各国とも頭を悩ましていて、多種多様なデザインが存在しています。
イギリス軍は、上蓋が上に開く一般的なショルダーバッグタイプなので、汎用性の高いデザインと言えます。
(国によっては、すぐガスマスクが使えるように、下方に開くデザインもありますね。)
また今回の両バッグとも手頃な大きさで、ショルダーバッグとしては、使い易いサイズですね。
容量もクレイモアバッグなどより遥かに大きく、40mmグレネード弾なら40発以上収納できるのでは?
(何の話?)
小ポケットが多く、防水仕様なのも助かりますね。
(意外にベルトを通せるのは便利かも!)
ところが、残念ながらS6用のバッグは現在入手困難です。
(在庫も殆ど無くなってしまったようです。)
でもS10用バッグでしたら、現在でも大手通販サイトで入手可能ですよ。
(ただし、DPM後期型のみ。OGモデルやDPM初期型は数が少ないですね。)
しかも、とても安価です。
これは使用しない理由はありませんね。
サバイバルゲーム、狩猟、野鳥観測、キャンプそしてファッションの小物持ち運びに使用して見るのはいかがでしょうか?
おすすめですよ!
今回は、使えるイギリス軍のガスマスク(レスピレーター)用バッグ2種を分析しました。
次回お楽しみに!
スポンサーリンク
スポンサーリンク
参考:他のミリタリーバッグはこちらです。⬇︎
👜ミリタリーバッグ(Bag&backpack) カテゴリーの記事一覧
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
スポンサーリンク
イギリス軍放出品 ガスマスクバッグ DPM迷彩 デッドストック品 英軍 ガスマスクポーチ ミリタリー サバゲー 装備品 防護面バッグ ミリタリーサープラス ミリタリーグッズ
スポンサーリンク