今回は、1970年代のアメリ陸軍航空機識別訓練用カードセットを分析します。
まさかこんなものまで官給品で準備していたとは驚きでした。
さすがアメリカですね!
箱は傷んでいますが、カードはデッドストックですよ!
目次
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1 アメリカ陸軍航空機識別訓練用カードセット(1977年)とは?
日本の諺(ことわざ)で「百聞は一見にしかず」というものがあります。
これは「百回の説明を聞くより、自分で一回でも見た方が確かだ!」ということでした。
確かにそれは言えますね。
特に教育の場では、口で説明するより図なり写真なりを見せた方が理解が進んだり、早く覚えさせることができるかもしれません。
今回のモデルは、アメリカ陸軍の兵士に対し、世界の航空機を識別できるようにするための訓練用カードになります。
アメリカにも上述のような諺があって、それが元になって開発されたものかもしれませんね。
(そういえば、よく似たカードは大戦中から存在していましたよ。)
概ね1950年代以降の航空機が取り上げられています。
全54機種をカバーしていますが、ラインナップを見ていたらある疑問が湧いてきました。
さてさて、それはどんなカードなのでしょうか?
今回は、アメリカ軍装備マニアのみならず、航空機モデラーのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
収納箱
前面
1977年度契約品です。
他にもシリーズで戦車とか艦艇がありそうですね。
背面
カードを取り出してみました。
(本来は違う順番で並んでいました。)
カード例
表面
当時のダグラスA–4スカイホーク攻撃機の大きな側面図
裏面
こちらには4面図と複座(二人乗り用)の側面図も!
図はとても正確です。
2枚のブランク(空白)カードも付属
これで2機分がいつでも追加できますね。
中には珍しい機体も!
これはMig19(NATOコードネイム「ファーマー」)
こちらも正確なシルエット!
他機種のカード(一部です。)
イギリスの模型メーカー「Airfix:エアフィックス」で製品化されている機体
もしかして、KIT(プラモデル)を参考にしたのでしょうか?
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3 その特徴とは?
カードはナイロン製の袋に密封され、専用のケースに入れられていました。
(撮影のために開封!)
カードの表面には、機体のシルエット(側面図)と特徴が記載されています。
おそらく実機の図面を元にしているのか、とても正確ですね。
裏面には、前面、下面、複座の場合の側面が描かれています。
単純な図形に加え、機体のパネルラインも記載されていて逆に勉強になりますよ!
面白いのは、裏面には必ず航空機下面のイラストが描かれているところです。
なるほど、陸軍なら航空機を下から見ることが多いですよね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1977年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 紙
カードのサイズ 縦 約89ミリ
横 約63ミリ
取扱機種 54機種
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 沖縄の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
インターネットと携帯電話が普及・発達した現在では、場合によっては飛行中の航空機に携帯をかざすだけで機種を識別してくれるようなアプリがあったりするかもしれません。
(…まだそんなアプリは聞いたことがないのですが…植物では実用化されていますね?)
でも、ネットの「ネ」の字もなかった時代に今回のカードは、かなり有効な教材だったのではないでしょうか?
今回のセットは、世界中の僅か54機種しか再現していないので、欠けてる機種も多いですね。
(日本の国産航空機は一機もありませんでした!)
しかしシリーズで準備しているなら、あるいは世界中の軍用機を網羅しているかもしれません。
少々疑問に思ったのは、今回のセットではイギリスや日本の有名模型メーカーが縮尺1/72で模型化している機種が多かったということです。
(型式もそのままだったりしました。)
もしかしたら、模型やその取扱説明書を参考にして制作したのかもしれませんね。
それはともかく、このマイナーなカードセットは、マニア垂涎のアイテムなので、まずお店で見かけることはないですね。
私も沖縄にある専門店片隅のジャンクボックスから掘り出して、やっと入手にすることができました。
それでも数年に一回くらい、国内のオークションで見かけますよ。
大戦中ものは高額で落札されていますが、比較的近年のものなら、まだ入手が容易かも。
モデラーの皆さんは、自分が制作したKITの脇にこのカードを配するだけで「映える」写真が撮れること請け合いです!
ぜひ入手してみてください!
私は、他のシリーズ(他の航空機セットに加え、戦車や艦艇も)を探してみたいと思います。
今回は、とても珍しいアメリカ陸軍の航空機識別用カードセットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に面白いですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231220更新)
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参考:このカードが使用されていた頃のアメリカ陸軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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