今回は、1940年代のアメリカ陸軍ウールオーバーコートを分析します。
着丈が長いタイプで、主に下士官・兵に支給されました。
このコートも、のちに自衛隊をはじめ多くの国に影響を与えました。
一部虫食い、虫舐め、汚れがありますが、着用可能ですよ!
目次
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1 アメリカ陸軍ウールオーバーコート(1943年・#164)とは?
かつて軍隊では、下士官及び兵と将校で支給される衣類が違っていました。
(勿論、一部は現在でも残っていますが…。)
将校はよりリッチな素材や豪華なデザインなどで製造された製品。
それに対し、下士官や兵はより量産向けの一般的な素材やデザインで製造された製品が支給されていましたね。
どちらが良いのか…はともかく、階級のみならず装備でも差別化を図るとともに、軍隊における役割分担を明確にしていたのですね。
でも下士官・兵用に開発された衣類の中でも、デザインや見た目がとてもリッチな装備も存在しましたよ。
今回のモデルは、アメリカ陸軍が下士官・兵に支給した野戦用ウールオーバーコートになります。
厚いウール製で着丈が長く、見るからに暖かそうな外観が特徴ですね。
さてさて、それはどんなウールオーバーコートなのでしょうか?
今回は、第二次大戦中のアメリカ軍装備マニアのみならず、個性的なファッションを追求したいあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
バックストララップでウエストのサイズを調整できます。
前面裏側
上半身にはコットンツイルのライニングがあります。
背面裏側
前合わせはボタンのみ。
下部にある裾のめくり上がりを防ぐタブに注意。
襟周りレイアウト
サイズスタンプ
前面のライニングにあるタグ
1943年度契約品ですね。
よく残ってくれました。
裾の後合わせ
こちらもボタンですね。
戦闘時には開放して動きやすくします。
エポレットはテーパーなしのクサビ型。
腰ポケット
左右にあります。
ポケット内にはボタンで開閉するスリットあり。
背面のウエスト調整バンド
ボタンで開閉
袖
僅かにテーパー付き?
前合わせ下部のタブ
裾のめくり上がりを防止します。
メインのボタン(大)
ライトグレイブラウンのプラスティック製
(本来はライトブラウンなので経年で褪色した?)
エポレットのボタン(小)
その他のボタン(小)
今回のモデルは購入当初から左裾付近に虫食い穴がありました。😭
でもこのウールなら、修復する方法はありそうですね。
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3 その特徴とは?
シェルはODに染められた厚く重いハードウールで、防風・防寒性能が高そうです。
肌触りはガサガサですが、最も外側に着る衣類なので問題は少ないですね。
タグによると「ウールメルトン」と記されていますが、将校用に比べてキメが荒いメルトンですよ。
(でも野戦用と考えるなら、このくらいが偽装効果?もあって良いかもしれません。🤔)
デザインは、エポレット付き、腰ポケット×2(腰ポケット内スリット×2)で、背面にはストラップがありウエストサイズを調整することができます。
また背面裾中央は、ボタンを外して左右に大きく開けることができ、戦闘時の動きを阻害しないようになっています。
全体的な縫製は、分厚い材質ながら正確かつ丁寧な仕立てで、確かな技術で仕立てられているようです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1943年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 ウール
コットン
表記サイズ 38R
(日本人のM〜L)
各部のサイズ(平置)
着丈 約121cm
肩幅 約49cm
身幅 約57cm
袖丈 約60cm
状 態 中古上品
官民区分 官給品
入手場所 愛知の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
いやーとても重いコートです。
ハードウールなので、小さく折りたたむこともできず、電車に乗って持って帰る時には苦労しました。
さすがにこの重さでは、コートを着用、M1ヘルメット、装具、M1ガーランドを持って戦場を駆け回るのは難しいと感じました。
丈の長さも、私の身長(170cm)では少々持て余してしまいますね。
やはり旧式の装備品と言えます。
戦場での使用はともかく、実際に着用すると、風が通らないので、暖かく重量はありますが安心感を醸し出すコートですね。
丈が長いので膝まで風を防いでくれるのもポイントです。
何よりこのレトロな雰囲気がたまりませんね。
この雰囲気を生かし、ここは一つファッションアイテムとして使用するのも面白いかもしれません。
ただしこのコートも現時点では入手が困難です。
見つけたとしても、程度の悪いものが多いですね。
(戦後、民間に払い下げられて酷使されているものが殆どですよ。)
もし見つけて購入する場合は細部をよくチェックして、少しでも気になるところがあったら購入を控えましょう。
(後日、さらに程度の良い個体が見つかるかも?海外オークションが狙い目です!)
私は虫食いなどがなく、パッチ(ワッペン…でも、コートに縫い付ける例は少ないですね。)付きのモデルを探してみたいと思います。
今回は、大戦中のアメリカ陸軍ウールオーバーコートを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20231127更新)
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参考:第二時大戦中のアメリカ陸軍コートに関する記事はこちらです。⬇︎
今回のモデルに影響を受けた各国のコートに関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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