今回は、1950年代のベルギー陸軍空挺迷彩ユニフォームを分析します。
以前分析したベルギー陸軍空挺迷彩スモック(ブラッシュパターン)とは、少々仕様が違うモデルですね。
今回はスモックだけではなく、トラウザーズ(オーバーパンツ)も準備しました。
スモックは中古極上品、トラウザーズはデッドストックですよ!
目次
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1 ベルギー陸軍空挺迷彩ユニフォーム(ブラッシュ&雲型迷彩)とは?
第二次大戦でドイツ軍に国土を蹂躙されたベルギー。
でも戦後はいち早く軍備を整えました。
特に個人装備の迷彩化には、他の多くの国よりも早かったですね。
また国連軍の活動にも参加し、戦後間も無くに勃発した朝鮮戦争にも参加しましたよ。
その際にはすでにいくつかの迷彩装備を限定的ながら支給していました。
(アメーバ型迷彩のジャケットのみでしたが。)
今回のモデルは、朝鮮戦争後に採用された空挺迷彩ユニフォームになります。
海外では「ブラッシュストロークパターン」とか「ムーン&ボールパターン」と呼ばれていますね。
やはり迷彩、デザインともイギリス軍デニソンスモックの影響を受けているのが特徴なのですが、迷彩パターンが違っているので、印象が大きく違っていますね。
さてさて、それはどんな空挺迷彩ユニフォームなのでしょうか?
今回は、ベルギー軍装備マニアのみならず、世界の空挺装備コレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
スモック
前面
基本的なデザインは、イギリス軍のデニソンスモックを踏襲していますね。
でもポケットが垂直なのがベルギーオリジナルですね。
背面
勿論テイルピースも付属しています。
前面裏側
前見頃にある長方形の内ポケットに注意。
背面裏側
ライニングは同じ迷彩生地で、肩口と背面裾にあります。
襟周りレイアウト
襟はジッパーで立てることができます。
前合わせはジッパーのみ。
ジッパーは途中までのプルオーバータイプですが、イギリス軍デニソンスモックよりも深い切れ込みですね。
タグ
1955年契約品です。
エポレット
微妙なテーパー付きのナマコ型。
ボタンはオレンジブラウンのプラスティック製
皿型のイギリス軍タイプ
胸ポケット
ダットファスナーで開閉
腰ポケット
こちらもダットファスナーで開閉
ダットファスナー表面は、撮影時に塗装が剥がれてしまいました。
裾左右のサイズ調整タブとダットファスナー
裾に並行ではなくて、前下がりの斜めに取り付けられているのが珍しいですね。
内ポケット
左右にあります。
デニソンスモック型ですね。
袖付け根裏側
左肩の一部には折り返しの生地が足りない部分も。
でもしっかり縫製されていますよ。
脇の通気孔(表側)
刺繍で6個
袖
脇はかなりの余裕があります。
スモックの左右サイドは別生地で縫製されていますね。
テイルピース用ダットファスナー(表側)
テイルピースは、股間を通して前面裾裏側にあるダットファスナーで留めます。
日本の褌みたいですね。
各部に見られる力布
腰ポケット
脇の通気孔
テイルピース用ダットファスナー
テイルピース用ダットファスナー(裏側)
裾のサイズ調整用ダットファスナー
袖ボタン
用意周到かつ頑丈ですね。
トラウザーズ
(オーバーパンツ)
前面
左右非対称のデザインですね。
背面
前面裏側
背面裏側
ウエスト前面
前合わせはありません。
タグ
トラウザーズは1954年度契約品です。
裾のドローコード
足首の内側が出口になっています。
裾
ほぼストレート。
膝の補強生地
大面積ですね。
左側面レイアウト
腰スラッシュポケット
左右にあります。
膝ポケット
左側にしかありません。
この辺りもイギリス軍装の影響を受けていますね。
ボタンで開閉
腰ポケットの力布
着用例
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3 その特徴とは?
迷彩は、ライトカーキ(もしくはタン)の生地に、ダークグリーンとレッドブラウンを用いて、大まかな雲型を描き、その隙間を刷毛で擦らせたようなパターンを描いています。
その中でもダークグリーンの一部には、丸いパターンに8本のギザギザを描いているパターンがありますよ。
(これが特徴ですね。)
また、この迷彩には同じ配色ながら色調の明度にバリエーションがあるのが特徴ですね。
(そのため上下で色調を合わすのがとても困難ですよ。)
生地は目の細かいツイルで、防風性能が高そうです。
(しかも肌触りも良好ですよ!)
デザインは、スモックがエポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2、内ポケット×2で、袖はボタンで調整するタイプ。
前合わせはイギリス軍デニソンスモック同様、途中までジッパーで開閉できるプルオーバータイプなのですが、デニソンスモックより大きく開放できます。
トラウザーズは、前合わせなし、左腰ポケットのみで、とてもシンプルですね。
ウエストと裾にはドローコードを内蔵しています。
全体的な縫製は、ベルギー製にしては少々雑で不正確ですが、強度は問題なさそうです。
4 製造とサイズのデータ
製造・契約年度 1950年代
製造場所 ベルギー
契約会社 ベルギー
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ スモック
6
(日本人のXL)
トラウザーズ
4
(日本人のXL〜XXL)
各部のサイズ(平置)
スモック
着丈 約74cm
肩幅 約55cm
身幅 約67cm
袖丈 約60cm
トラウザーズ
ウエスト 約56cm
着丈 約109cm
股上 約40cm
股下 約74cm
裾幅 約27cm
状 態 スモック
中古極上品
トラウザーズ
デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
今回のモデルは、迷彩パターンはともかく配色やデザインがイギリス軍のデニソンスモック(主に大戦型)に似ているのが特徴ですね。
そのため巷では、実しやかに「イギリス軍デニソンスモック」として販売されている場合もあります。
(それを信じている一定数の御仁がいるのも、また事実!)
騙されないようにしなければ行けませんね。
ところでこの時期(1950年代)のベルギー陸軍空挺迷彩スモックには、同じ迷彩パターンやデザインでも色調の違うモデルが多数存在していることでも知られています。
(製造誤差との説もありますが…。)
1950年代のベルギー軍空挺部隊⬇︎
全てベルギー軍用迷彩スモックを着用していますが、数種類の迷彩パターンが確認できますね。
(ベレー帽も記章の有無、サスペンダー装着の有無なども確認できます。)
それどころか、別のブラッシュパターンや後に採用されるジグソーパターンのモデルもありましたよ。
同じ軍の職種で、短期間に多くの種類の迷彩装備が開発されるというのはとても珍しいですね。
その理由は…今となっては不明ですが、いつか知りたいところです。
…それはともかく、このブログを始めた2019年からみても、ベルギー軍空挺迷彩ユニフォーム、特にスモックは価格が高騰していますね。
SHOPによっては、着用に抵抗のあるくらいのボロボロが、信じられないほどの高額で販売されている場合もありますね。
減っていっているアイテムなので購入を急ぐ必要がありますが、程度やサイズを慎重に確認しましょう。
(少しでも気になるところがあれば、購入は控えましょう!)
幸い、大手通販サイトでも取り扱われているので、資金さえあれば入手可能です。
迷彩色調にもばらつきがあるので、じっくりお探しください。
今回は、ベルギー陸軍空挺迷彩ユニフォームを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20240921更新)
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参考:他のベルギー陸軍空挺迷彩スモックに関する記事はこちらです。⬇︎
その他のベルギー軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の空挺装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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