今回は、1980年代のイタリア陸軍空挺ジャケットを分析します。
日本でも大人気でのジャケットですね。
独特の機能が魅力です。
なんとデッドストックですよ!
目次
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1 イタリア陸軍空挺ジャケット(OD単色)とは?
1959年にイタリア軍は、それまで使用していたM1ガーランドに替えて、BM59という歩兵用ライフルを正式採用しました。
これにあわせて1960年代には、空挺部隊の装備が一新されましたね。
中でも専用ジャケットは、イタリア軍の常として「カッコよさ」をデザインに取り入れたことから、当時のヨーロッパでは、フランス軍と一二を争うスマートな戦闘服に仕上っていますよ。
やはり空挺部隊は、一般兵科との差別化を図って隊員の士気を上げるというのは、各国とも共通した方策のようですね。
今回のモデルは、そんなイタリア自慢のジャケットになります。
概ね1980年代まで使用されていたようですよ。
さてさて、それはどんなジャケットなのでしょうか?
今回はイタリア軍マニアのみならず、ファッションリーダーのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
なんかカッコいいですね。
背面
ウエストには全周にゴムが内蔵されているので、自然と締まって見えますね。
前面裏側
胴体部分にはライニングがあります。
背面裏側
前合わせは ダットファスナーです。
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エポレット
テーパーなしのクサビ型で太短いタイプです。
胸ポケットは細長いタイプ
じつは、BM59ライフルのマガジンパウチも兼ねています。
実際にマガジンを収納してみました。
ベトナム戦争当時のアメリカ軍M14マガジンパウチのように、キツキツではなくサイズに余裕があるので、入れ易く、取り出し易いですね。
フラップは余裕でダットファスナーで留めることができます。
腰ポケット
同じくダットファスナーで開閉
容量が大きいので助かります。
裾は一番下まで ダットファスナーがあります。
これには理由があるのです。
襟には星が目立ちます。
チンストラップでスタンドカラーになります。
肘の補強生地
楕円で大面積です。
袖はマチ付きでボタンで開閉
背面裾には中央にプリーツがあります。
第二次大戦中のアメリカ軍空挺ジャケットのようですね。
裾後部裏側には、ボタンで開閉できるゴムテープが。
これは、裾前部裏側に取り付けて、裾のバタ付きを抑えます。
イギリス軍デニソンスモックのテイルピースなどと同じ機能ですね。
ボタンはブラックグリーンのプラスティック製
ダットファスナー表面の防反射処理。
イタリアとは思えない繊細なモールドです。
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3 その特徴とは?
生地のカラーはOD(オリーブドラブ)ですが、濃くて茶色味が強いです。
他国では類を見ないカラーですね。
(本来ODはこの色調という説がありますね。)
生地は、細い糸で緻密に織られています。
イギリス軍のギャバジンに近い感じですよ。
デザインは、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2ですが、胸ポケットが細長くて開口部が外側に傾いています。
どうやらこのポケットは、マガジンパウチも兼ねているようですね
(7.62mm NATO弾(308ウインチェスター弾)を使用するマガジンが余裕で収納できます。)
でも縦に長いので、通常のポケットのように使用すると、小さい物を取り出すのに苦労しますよ。
特筆すべきは後ろ裾の裏側にゴム付きストラップが二本あるところですね。
股間を通してストラップを前裾に取り付けることにより、裾全体のバタ付きを抑える工夫がなされています。
空挺独特の装備ですね。
(でも多くはゴムがヘロヘロになっていますよ。)
でも、ジャケットにライナーは装着できません。
このジャケットだけでは、冬や高空は寒そうですね。
全体的な縫製はとても丁寧で、イタリア軍らしくない上質な仕立てです。
(これは今回のモデル(のメーカー)だけかもしれませんが。)
4 製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 1988年
・製造場所 イタリア
・契約会社 イタリア
・製造会社 〃
・材 質 コットン
・表記サイズ 52
(日本人のL〜XL)
・各部のサイズ(平置)
着丈 約76センチ
肩幅 約50センチ
身幅 約59センチ
袖丈 約62センチ
・状 態 デッドストック
・官民区分 官給品
・入手場所 ヤフオク
・入手難易度 1(容易)
5 まとめ
実際にこのジャケットを着用してみると、ウエストのゴムの影響でしょうか、予想以上に身体にフィットしている感じがします。
緻密に織られた生地は、防風性能が高いですね。
そのためライナーはありませんが、インナーにフリースやセーターを着込むことで、初冬くらいまでなら普通に使えそうですよ。
(真冬はフィールドジャケットを着て対処しましょう!)
ただバイクでは風がバンバン入ってきますね。😅
前合わせがボタンのみというのが原因のようです。
(逆に、暖候期のバイクには向いているかも。肘は補強されていますし。)
また、裾のバタ付きを防止するストラップも、普段使用しないので持て余す装備ですね。
(実際に部隊でも、兵士がは切り取って使用している場合が多かったです。)
とは言え、全体的にカチッとした造りは、着ていて嬉しいジャケットと言えます。
このジャケットは、バブル全盛期には中古のボロボロが1万円以上で販売されていました。
しかし現在はデッドストックが半値以下(場合によっては1/3の価格)で購入できるので、お買い得と言えるでしょう。
普段着には、おすすめのジャケットです。
購入する場合でオリジナルにこだわる方は、裾のストラップのゴムテープが劣化していないものを選びましょう。
ファッション目的の方は、よく試着をして体のサイズに合ったものを購入しましょう。
今回は、イタリア軍の素敵な空挺ジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20211210更新)
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参考:イタリア陸軍フィールドジャケットの記事はこちらです。⬇︎
その他のイタリア陸軍装備品の記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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