今回は、1980年代のイタリア陸軍コマンドセーターを分析します。
デッドストックで入手していましたが、サイズが少し大きかったため、試着後「タンスの肥やし」になっていたものです。
とは言え、なかなかファッショナブルなセーターですよ!
目次
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1 イタリア陸軍防寒コマンドセーターとは?
第二次大戦でイギリス軍により開発された、いわゆるコマンドセーター。
戦後は、世界中で大流行して、官民問わず多くの組織に採用されました。
今やロシア軍や自衛隊でも採用されていますね。
勿論イタリア軍にも採用されていますよ。
ところが、自他とも認めるファッションの国イタリアは、イギリスのデザインを採り入れつつも独自のテイストを効かせて仕上げていますね。
さてさて、それはどんなセーターでしょうか?
今回はイタリア軍装備マニアのみならず、他者とは少し違うセーターを着用したいあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
着丈が長く、肩や肘のパッチの色がやや濃くて角が丸いのが特徴ですね。
袖は折り曲げています。
背面
前面裏側
袖は伸ばしています。
背面裏側
エポレットはテーパーなしのクサビ型です。
マジックテープで開閉
クルーネックです。
最初からネームタグ用のマジックテープが付いていました。
珍しくペンポケットもあります。
中にはステンレスのペンカバーが二本入っていますよ。
袖の補強生地
袖を伸ばすとこんな感じです。
ネームタグ
ブラウンです。アクセントになりますね。
同じサイズの生地を縫い付けて、その上に縫い付けられています。
なるほど、力が加わるので補強されているのですね。
裾は編み込 しぼられています。
肩のパッチはかなり後ろまでカバー
タグ
袖の小さなタグ
サイズではないようです。
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3 その特徴とは?
まず毛糸の色調は明るいODです。
でもドイツ軍ほどブラウン系ではなく、イギリス軍ほどグリーン系ではない、いい感じの中間色ですね。
各国とも、概ね毛糸とパッチの色調を合わせている場合が多いのですが、イタリアは敢えて替えていますよ。
パッチの形も角が取れて、いかにもイタリアらしいファショナブルな感じです。
珍しいところでは、左袖に専用のペンポケットが設けられていて、中には金属製のペンカバーがあります。
(昔のアメリカ軍フライトジャケットみたいですね!)
また、ネームタグ用のマジックテープ(ブラウン)も予め縫い付けられています。
全体的な縫製は、イタリア軍らしくない丁寧で正確なものですよ。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1989年
製造場所 イタリア
契約会社 イタリア
製造会社 〃
材 質 ウール
コットン
表記サイズ Ⅲ
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約71cm
肩幅 約47cm
身幅 約57cm
袖丈 約66cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 1(容易)
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5 まとめ
このブログで、各国の軍装品を分析している過程で、思いついたことがあります。
第二次大戦後、主にイギリス系の軍装品を採用した国(オランダ、ベルギーなど)とアメリカは、イギリス軍と寸分変わらないデザインのセーターを採用しています。
でも、断固としてイギリス系を採用しなかったドイツ、フランス、イタリアは、イギリス系をベースとしながらも、独自のデザインを追求していますね。
国としての建前はともかく、こんな所でもその国の方針や、仲の良し悪しみたいな物を垣間見られるのは、興味深くて面白いですね。
さて、このセーターですが色調が落ち着いていて、ボトムを合わせ易いです。
これからの季節に活躍してくれそうですよ。
このセーターを試着した時、奥(神)様から
「あら、そのセーターもカッコ良いわね。でもあなたが着るとダサく見えるのは何故?」
とミリタリーマニアの神経を逆撫でする評価をいただきました!
(どうやらサイズが大きかったため、胴長短足が強調されたようです…。)
でもセーターに罪はありません!
皆さんは自分に合ったサイズのセーターを着用しましょう!
きっと似合いますよ!
嬉しいことに、このセーターは現在でも各ショップや大手通販サイトでデッドストックが入手可能です。
値段もブランド系セーターの半値以下で購入できる場合が多いですね。
コストパフォーマンスの良いセーターと言えます。
この冬にいかがですか?
今回は、ファッショナブルなイタリア軍のセーターを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231030更新)
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参考:各国のセーターに関する記事はこちらです。⬇︎
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