こんにちは!
今回は、世界の戦車兵装備シリーズ(?)の一環で、フランス軍のスーツを分析します。
やはりアメリカ軍フライトスーツの影響を受けていますが、地上部隊ならではの改良も施されていますよ。
でも、その改造って…
目次
- 1 フランス陸軍戦車兵用スーツとは?
- 2 フランス陸軍戦車兵用スーツの全体及び細部写真
- 3 フランス陸軍戦車兵用スーツその特徴とは?
- 4 フランス陸軍戦車兵用スーツ製造とサイズのデータ
- 5 フランス陸軍戦車兵用スーツまとめ
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1 フランス陸軍戦車兵用スーツとは?
第二次大戦で、先進的かつ優秀な戦車を多数保有しながら、然程でもない性能のドイツ戦車部隊にボロ負けしたフランス。
戦後フランスでも多くの分析がなされましたが、勝敗の鍵は「機動力」と「攻撃力」とされました。
そして戦後、フランスはいち早く戦車部隊の充実に努めます。
ほぼ軽戦車とも言える車体に不釣り合いな長砲身大口径の戦車砲を積んだAMX13、105mm砲搭載戦車では最軽量のAMX30など、斬新な戦車を多数量産しましたね。
(多輪装甲車に初めて戦車砲を搭載したのもフランスでしたね。)
勿論、戦車兵用の装備にも力を注ぎましたよ。
参考にしたのは、やはりアメリカ軍の装備でした。
今回のモデルは、フランス軍がつい最近まで使用していた戦車兵用スーツです。
独特の改良をどう評価するか、意見の分かれる所です。
さて、どんなスーツなのでしょうか?
早速、確認していきましょう!
2 フランス陸軍戦車兵用スーツの全体及び細部写真
全体前面
上半身前面
下半身前面
全面背面
臀部のU字型ジッパーに注意
上半身背面
下半身背面
上半身前面裏側
明るい色のテープはナイロンのインナーハーネスです。
下半身前面裏側
ハーネスはラペリングハーネスのように、太腿部を支えています。
見えなくなっている所は、ポケット生地があるから。
上半身背面裏側
ハーネスは背面の方が判りやすいですね。
下半身背面裏側
まるで、立体起動装置のようなハーネスです。
タグ①
印字消失で手書きです。
タグ②
製造会社、納入年度(?)と持ち主の名前
ネームタグ
右胸ポケット
ポケットはジッパーで開閉
左胸ポケット
中にペンポケットがありました。
脇の通気孔
刺繍です。
腰ポケット
ジッパーで開閉
肘から手首の補強生地
爆弾型です。
袖口はジッパーで開閉
膝の補強生地
その上にふくらはぎポケット
裾はジッパーで開閉
ふくらはぎのポケットは、マチ付きパッチポケットです。
珍しいですね。
ジッパーは勿論、上下開閉のダブルジッパーです。
裏側のハーネス
胸の前でバックルで留めます。その他は縫い付け。
ハーネスの取り回し①
背中のハーネスは二重になっています。
さらに頑丈ですね。
ハーネスの取り回し②
背中のスリット
マジックテープで開閉
スリットからおもむろに手を入れて、二重のハーネスを掴み、兵士を引っ張り上げます。
気絶していたら、一人では難しいかもしれませんね。
ハーネスは、ナイロンのヘリンボーンです。
問題の臀部のパネル
ジッパーで開閉
これでトイレも安心?
各ジッパーの刻印
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3 フランス陸軍戦車兵用スーツその特徴とは?
まずスーツに用いられている生地ですが、やや厚めでダークグリーンのコットンです。
よく見ると、M64戦闘服と同じ織り方ですよ。
でも色調がダークグリーンというのが、変わっていますよね。
デザインは、あきらかにアメリカ軍フライトジャケット(または、それから派生したCVCスーツ)が原型になっているようです。
とは言え、ラグラン袖、ふくらはぎのパッチポケットなど、フランス独自のアレンジもありますよ。
特筆すべきは、臀部のU字型ジッパーです。
これなら、トイレも問題なさそう…です?
また背中には マジックテープで開くスリットがあって、インナーに縫い付けられているハーネスを引っ張れるようになっています。
ここはとても頑丈で、確実に兵士を持ち上げることができます。
反面、全体的にスーツの重量が重くしていますよ。
4 フランス陸軍戦車兵用スーツ製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 1984年
・製造場所 フランス
・契約会社 フランス
・製造会社 〃
・材質 難燃繊維
(ナイロン)
・表記サイズ 108M
(日本人のL〜XL)
・各部のサイズ(平置)
着丈 約153センチ
肩幅 約50センチ
身幅 約62センチ
袖丈 約58センチ
ウエスト 約54センチ
股下 約73センチ
裾幅 約14センチ
・状態 中古上品
・官民区分 官給品
・入手場所 ヤフオク
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5 フランス陸軍戦車兵用スーツまとめ
このスーツも実際に着用して真夏のツーリングに行ってきました。
他国の同じ用途のスーツより生地が厚いので、走っている間はともかく、信号待ちで暑かったですね。
逆に春秋は、下に何か着込めば、ちょうど良いかもしれませんね。
各ポケットにジッパーが付いていて、物を落とさないのは良いのですが、開閉が少々面倒でした。
(これは、ジッパーの性能によるのかもしれませんが…。)
ふくらはぎのポケットは、パッチポケットなので肌に当たる不快感はなかったですが、重量物を入れるとやはり脚に違和感がありましたよ。
問題の臀部パネルですが、着用しているとジッパーが開けづらいですね。
ジッパーの動きが悪い上、ジッパーが直線でないのが原因のようです。
時間は測っていませんが、上半身を脱いで用を足す方が早そうです。
(パネルを上に跳ね上げさせて固定できないのも少々不便ですね。)
インナーハーネスも、普段は必要なくてオーバースペックと言えるかもしれません。
とは言え、コットンの吸湿性はノーメックスより快適ですし、使い慣れたらトイレも大丈夫かもしれませんね。
全般的には、戦車兵用スーツとしては充分なモデルと言えます。
さて、このスーツですが、現代でもまだ入手可能です。
購入する場合は、身体にぴったりのものより、少々大きいサイズを選ぶのがコツです。
ジャストサイズは、座ったり腰を下ろした時に、窮屈感や圧迫感を感じることがあります。
今回のモデルに限らず、カバーオール購入時には要注意ですよ。
今回は、フランス軍の戦車兵用スーツを分析しました。
次回は、国籍不明の砂漠用迷彩服を分析します。
お楽しみに!
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参考:各国の戦車兵用スーツ等の記事はこちらです。⬇︎
スーツと同年代のフランス軍戦闘服の記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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