今回は、ブルガリア軍の迷彩カバーオールを分析します。
長らく続いたブルガリア迷彩服シリーズも、今回で一旦終了です。
でも、最も初期のモデルを最後に分析するというのも、何か変ですね!
今回は、デッドストックで行きます。
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目次
1 ブルガリア陸軍迷彩カバーオール(その2・最初期型)とは?
おそらく第二次大戦中のドイツ空軍降下猟兵(空挺部隊)に支給された迷彩スモックが原型であろうと思われるブルガリア軍スプリンター(破片)迷彩。
効果は不明ですが、なかなか魅力的な迷彩でしたね。
これまで分析してきたモデルを通じて判明したことは、年代によって迷彩の色調とパターンに変化があるということです。
その理由は不明ですが、年代が新しくなるにつれ、迷彩色調が暗く、迷彩パターンがシャープになってきているのが面白いですね。
ところが今回は、そんなブルガリア軍スプリンター迷彩の中でも、最初期にあたるモデルで、近年のモデルとは一線を画す迷彩になっていますよ!
さてさて、どんな迷彩カバーオールなのでしょうか?
今回は、ブルガリア軍装備マニアのみならず、迷彩服コレクション初心者のあなたと一緒に、確認して行きましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面全体後のモデルと、カラーもパターンも全く違いますね。
明るい色調が、何故かのんびりしている感じがします。
前面上半身
スプリンターと言えなくもないですが、パターンはシャープさに欠けていますね。
前面下半身
背面全体
よく見ると、左右の生地の色調が微妙に違っています。
背面上半身
背面下半身
前面上半身裏側
生地はやや厚いですが、迷彩は裏にやや透けています。
前面下半身裏側
背面上半身裏側
背面下半身裏側
前合わせはボタンのみです。
胸ポケット
プリーツはダミーです。
ボタンで開閉
腰ポケット
ボタンで開閉
ボタンには五芒星!
胸、腰のパッチポケットは、生地を横に使用しています。
ポケットフラップ裏側は別生地ですね。
その下にある腰スラントポケット
袖口
ボタンとタブで調整
裾
こちらもボタンとタブで調整
フード左右
スタンプ各種
上:サイズ
下:製造所、納入年度(1953年度)
デッドストックだったので、両胸上部には紙タグも二種類縫われていました。
勿論、使用する前に取り外します。
袖の裏側は付け根を別の記事で補強生地
プリントミスで、インクが所々ついています。
手作り感満載ですね。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ライトカーキにグリーンとレッドブラウンで破片を描き、余白にはレッドブラウンに掛からないよう同色グリーンで縦に破線を描いています。
面白いのはそのパターンで、後年のモデルに比べてシャープさが感じられません。
まるで、素人が手作業で迷彩パターンを彫り、のんびりプリントした…そんな垢抜けしていない感じです。
(所々あるプリントミスが、他人がやった作業とは思えないくらいの親近感。)
でも、当時としては画期的な迷彩服だったのかもしれませんね。
生地は、やや厚めのコットンツイルです。
よく言えば質素な、悪く言えば粗末な生地ですね。
(旧ソ連時代の迷彩服生地に似ています。)
デザインは、オリーブグリーン単色や雪上迷彩のカバーオールと同様で、左右の胸、腰に大小のパッチポケット、腰にスラントポケットで、フードが最初から取り付けられています。
(おそらくスモック的な使い方をしたのでしょう。…とするならスナイパーカバーオール?)
全体的なサイズ感は、着丈のわりに身幅が大きく、やはり単体で使用するカバーオールではなさそうですね。
縫製はやや雑で、強度も少々足りないようです。
4 製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 1953年
・製造場所 ブルガリア
・契約会社 ブルガリア
・製造会社 〃
・材 質 コットン
・表記サイズ Ⅲ
(日本人のL〜XL)
・各部のサイズ(平置)
着丈 約156センチ
肩幅 約52センチ
身幅 約60センチ
袖丈 約69センチ
ウエスト 約60センチ
股下 約72センチ
裾幅 約64センチ
・状 態 デッドストック
・官民区分 官給品
・入手場所 ヤフオク
・入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
2020年現在、1953年製の他国軍迷彩服、しかもデッドストックが入手できるなんて奇跡ですよね。
迷彩のプリントミスなどは二の次です!(開き直り)
この貴重な迷彩カバーオールを後世に残すために、大切に保管していきたいと思います。
居ないとは思いますが、入手を考えてらっしゃる方はネットを中心に網を張って、気長に待ちましょう。
(時々オークションで見かけます。)
実用を考えている方は、もう少し後の年代の製品(1970年以降のモデル)なら比較的出回っています。
有名SHOPなどでも取り扱っているので、ぜひ探してみてください。
今回は、古いブルガリア軍のまるで手描きのような迷彩カバーオールを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20211208更新)
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参考:ブルガリア軍の各時代における迷彩服はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
(この記事は2020年3月に掲載したものをリライトしました。)
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