今回は、1990年代のアメリカ海軍の空母デッキクルーシャツ(ジャージ)2種を分析します。
有名なレインボーギャング愛用のシャツですね。
特に初期の製品はサイズに特徴がありますよ。
中古並品とデッドストックを用意しました!
目次
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1 アメリカ海軍空母デッキクルーシャツ(ジャージ・新旧2種)とは?
公開が来年5月に迫ったトムクルーズ主演「トップガン マーベリック」。
楽しみですね。
諸事情で公開が延期されたので、時折漏れ出てくる情報に少々食傷気味ではありますが…ミリタリーマニアは期待しておきましょう。
さて、「トップガン」といえば、アメリカ海軍戦闘機乗りのトップに冠せられる称号ですが、アメリカ海軍戦闘機といえば、やはり空母の艦載機でしょう!
そして空母といえば「レインボーギャング」ですね。
レインボーギャングとは、アメリカ軍空母の甲板上で各種作業をするデッキクルー(甲板要員)の愛称です。
彼らは、吹きっさらしの空母で作業を行うなかなか過酷な勤務で知られています。
最も有名なのは、カタパルト(航空機射出装置)操作員ですね。
(かつての映画「トップガン」で人気が出ましたね。)
今回のモデルは、そんなレインボーギャングたちが着用するシャツ(品名はジャージ)になります。
さてさて、それはどんなシャツなのでしょうか?
そもそも何故「レインボーギャング」なのでしょうか?
今回は、アメリカ海軍装備マニアのみならず、映画ファンのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
⑴ イエロー(1990年度契約品:中古並品)
前面
背面
前面裏側
背面裏側
タグ
サイズに注意
1990年度契約品です。
袖ニット、袖は別パーツで製造、後から縫い付けられています。
肩から首にかけての縫い目には補強生地が縫い付けられています。
これは肩の縫い目が身体に与える影響も低減させる効果あり。
⑵ グリーン(2012年度契約品:デッドストック)
前面
背面
前面裏側
背面裏側
タグ
サイズに注意!
2012年度契約品です。
やはり各パーツごと縫い合わされていますね。
ところが、肩から首のステッチをカバーする生地は省略されていました。
袖ニット
新しいモデルは後着丈が長くなっています。
自転車競技用シャツみたいなデザインですね。
バーコードシール
デッドストックの証ですね。
記載されているのはNSN(国際物品番号)です。
おまけ
(20221009追記)
ホワイト(生成り:漂白していないコットン)中古品
前面
背面
タグ
1990年度契約品ですね。
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3 その特徴とは?
生地はコットン製で、柔くて肌触りの良いものです。
デザインは、クルーネック、ロングスリーブ(長袖)、襟と袖口がニットになっています。
日本で言うところの冬用長袖シャツといった感じですね。
初期型のイエローは、一般的なシャツの着丈で、肩から首にかけてのステッチ裏側には補強生地が縫いつけられています。
でも後期型のグリーンは、後の着丈が伸ばされていて、まるでサイクリング用シャツのようです。
(ただし、肩から首ステッチの補強生地は省略されていますね。)
面白いのはサイズで、初期型・後期型ともXLなのですが、実寸が大きく違っているところです。
(特に初期型は、日本人のLサイズくらいです。)
洗濯で縮んだのでしょうか?
サイズの見直しがあったのでしょうか?
全体的な縫製は少々雑ですが、消耗品…と考えると十分な仕立てですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年
2012年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ XL
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ(平置)
イエロー
着丈 約63cm
肩幅 約47cm
身幅 約53cm
袖丈 約61cm
状 態 中古並品
グリーン
着丈 約86cm
肩幅 約43cm
身幅 約62cm
袖丈 約69cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 岐阜・沖縄の専門店
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
勘のいいあなたなら、もうわかってしまったかもしれませんね。
実はレインボーギャングは、その全員が大きくそれぞれの職種や担当に分かれていて、各々職種毎の専属カラーの衣類を着用します。
つまり
レッド :武器関連
ブラウン :機体整備長
イエロー :航空機移動・誘導関連
グリーン :離着陸機器関連
(カタパルト、着艦索)
ブルー :車両、エレベーター関連
バイオレット:燃料関連
ホワイト :医療、安全関連
というふうに分かれているのですね。
Pictures of the day: 11 December 2015 in 2021 | Aircraft carrier, Flight deck, Fighter jets
着用する衣類のカラーが分かれているために、必要な兵士が揃っているかどうか、正しい位置にいるかどうか…などが遠く(多くは艦橋)からでも一目瞭然なんですね。
なかなか考えられた衣類と言えます。
アメリカ海軍では、すでに第二次大戦中にはこの概念が導入されていたとの説もあります。
(最近は中国共産党海軍も真似して使用しているとか?)
多くの目立つカラーが同時に甲板で作業している様子が、あたかも虹に似ているのと、労務者などを「ギャング」ということから「レインボーギャング」と呼ばれるようになりました。
面白いですね。
さて今回のモデルですが、実際に空母で活動しない我々には、別の使い道があります。
その軍物らしくないカラーからファッションに使用することです。
そうでなくても地味な(OD、OG、迷彩など)軍物衣類の、ワンポイントとして着用してみてはいかがでしょうか?
(どの季節でも使用できますね。)
勿論、デッキクルーのコスプレには必需品ですよ。
今回分析したのは、衣イエローとグリーンですが、その他のカラーも少ないですがなんとか入手可能です。
(ホワイトは、生成りになります。中にはステンシルで文字や図柄を描いたカスタム品も存在します。)
ただし、バイオレット、ブラウンは少々コーディネートが難しいかもしれませんね。
でも、腕に覚えのあるファッション上級者のあなたなら、きっと大丈夫でしょう!
今回は、アメリカ海軍空母甲板要員が着用するデッキクルーシャツを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20230926更新)
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参考:他のアメリカ海軍水兵用装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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