今回は、1980年代の中国人民解放軍陸軍の迷彩服を分析します。
色調もパターンも何処かで見た迷彩に似ていますよ。
この時期には多種多様な迷彩服が開発されていましたね。
今回のモデルは、貴重なデッドストックになります。
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目次
1 中国人民解放軍陸軍特殊部隊用迷彩シャツ(陸上自衛隊1型迷彩類似・ジャングル用)とは?
今でこそ軍事大国である中国人民解放陸軍ですが、1980年代くらいまでは世界でも有数の弱小軍隊でした。
旧ソ連製の兵器を自国で生産し、数は多かったものの質的には全く満足のいかないものでしたね。
何しろ当時のトリンドル…ではなくて、ドクトリン(その軍隊の原則的な戦い方)では「我が軍の兵士で戦場を埋め尽くす」でしたから。
つまり豊富な人材をフルに投入し、人海戦術で勝利を得るという、いかにも中国らしい考え方で終始していました。
(しかし核武装していましたよ。切り札は所持していたのですね。)
そんな人民解放陸軍の個人装備は、大人数の兵士に対応するため、必要最小限の装備を支給していましたよ。
(驚くことに、中には旧日本軍の装備を参考にしたものもありました!)
迷彩服は、少数がソ連から供与され、それを限定使用していましたね。
しかし1970年代中期からは世界の趨勢を鑑みて、人民解放陸軍でも本格的な迷彩服の研究を開始します。
そして1980年代には、オリジナルの迷彩服を開発しました。
同時にこの頃から各国の迷彩を研究し、その一部をコピーした類似品を一定数製造したりしました。
(どうやら実際に兵士に着用させてテストしていたようです。)
現在判明しているのは、アメリカ軍のERDL(リーフパターン)迷彩、イギリス軍のDPM、そして陸上自衛隊の迷彩服1型でした。
今回は、その陸上自衛隊迷彩類似パターンの迷彩シャツになります。
勿論そっくりそのままコピーしているのではなく、中国4000年の手抜きと誤魔化しがありますよ。
一説には、一部の特殊部隊に支給されて、公にできない作戦に使用されたとか?
(恐ろしいですね。)
さてさて、それはどんな迷彩シャツなのでしょうか?
今回は、中国共産党人民解放軍装備マニアのみならず、この迷彩服の存在を知らない貴方と、一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
シャツ
前面
今回のモデルは半袖ですが、長袖のモデルもあります。
背面
ベース色以外はパターンも色調もある迷彩に似ていますが、配色が違いますね。
前面裏側
生地が薄いので、裏側にも迷彩が透けていますね。
背面裏側
エポレット
テーパーなしのクサビ型です。
胸ポケット
ボタンで開閉
プリーツはフェイクです。
ポケット下部のブラックの部分に、横にプリントされていない線が見えますね。
袖
シンプルです。
トラウザース
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはボタンです。
臀部のポケット内側生地
迷彩生地を裏返して使用されています。
ウエスト正面頂部の大きいボタン
その他のボタン
裾はボタンとタブで絞りを調整できます。
この当時の人民解放軍陸軍の伝統的デザインですね。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ライトグリーンをベースに、レッドブラウン、グリーン、ブラックで雲や葉のようなパターンを描いています。
配色と色調は違っていますが、パターンは陸上自衛隊の迷彩服1型に酷似しています。
(イメージとしては、緑っぽい熊笹迷彩と言ったところでしょうか?)
特に、迷彩服1型官給品生地の特徴である、「ワンコ」や「プテラノドン」とよく似たパターンもあって、コピーは明白ですね。
迷彩パターン
プテラノドン?
陸上自衛隊迷彩服1型の迷彩パターン
今回のモデルは配色が違いますが、この迷彩とよく似たパターンが散見されます。
勿論偶然ではありません。
生地は薄いコットン平織りです。
(旧ソ連軍のような粗末な生地ですね。)
デザインは、シャツがエポレット付き半袖、2ポケットで、どことなくフランス軍の半袖シャツに似ていますね。
トラウザースは腰左右のスラントポケットと右臀部にスラッシュポケットというシンプルなものです。
裾には、その後も伝統となるサイズ調整タブがあります。
(これもフランス軍に似ていますね。)
通常古い製品でも、人民解放陸軍の被服には、必ず製造データなどを示すスタンプが押されているのですが、今回のモデルには一切なかったですね。
そういえば、使用されているボタンは、一見アメリカ軍やフランス軍のものに似ています。
いったいどんな用途を想定して製造されたのでしょうか?
4 製造とサイズのデータ
製造・契約年度 1980年代
製造場所 中国
契約会社 中国
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ なし
(日本人のM〜L)
各部のサイズ(平置)
シャツ
着丈 約69cm
肩幅 約46cm
身幅 約57cm
袖丈 約22cm
トラウザース
ウエスト 約43cm
股上 約32cm
股下 約70cm
着丈 約103cm
裾幅 約21cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 大阪の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
今回の迷彩は、全体的に緑かかっていますが、もっと迷彩服1型に近い色調の生地も存在しています。
テストとは言え、何か他の目的がったあったのではないか?…なんて思ってしまいますね。
(実際、どんな作戦で使用されていたのでしょう???興味が尽きません。)
さてこの迷彩服ですが、全体的に暗く、メリハリがないので、森林地帯の日陰では効果を発揮しそうです。
逆に日向では目立ってしまいそうですね。
幸か不幸か、このモデルも品薄です。
敢えて初心者のあなたが、普段使いのために入手するモデルではないようです。
ただし、中国人民解放陸軍マニアや迷彩服コレクターは、万難を排して入手するべき迷彩服といえます。
中国共産党人民解放軍の迷彩服史において重要な意味のある迷彩ユニフォームです。
見つけたら取り敢えず購入しておきましょう!
私は、今後も同じ迷彩のバージョン違いを探してみたいと思います!
今回は、プーさん率いる中国共産党人民解放軍陸軍特殊部隊用試作迷彩ユニフォームを分析しました。
いやー軍装品って、本当に面白いですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240123更新)
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参考:今回のモデルが参考にした陸上自衛隊迷彩服1型に関する記事はこちらです。⬇︎
他の中国人民解放陸軍(PLA)装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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