こんにちは!
今回は、アメリカ軍の元フライトジャケットを分析します。
記事のタイトルは、フライトジャケットにしていますが、現在は「極寒候期用パーカー」と名称が変更されていますね。
1945年採用のN–3が起源のヘビーゾーン(–10℃〜–30℃)を担当するジャケットですよ!
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目次
- 1 アメリカ空軍フライトジャケットN–3B(6279J・セージグリーン)とは?
- 2 アメリカ空軍フライトジャケットN–3B(6279J・セージグリーン)全体及び細部写真
- 3 アメリカ空軍フライトジャケットN–3B(6279J・セージグリーン)その特徴とは?
- 4 アメリカ空軍フライトジャケットN–3B(6279J・セージグリーン)の製造とサイズのデータ
- 5 アメリカ空軍フライトジャケットN–3B(6279J・セージグリーン)まとめ
1 アメリカ空軍フライトジャケットN–3B(6279J・セージグリーン)とは?
現代第二次大戦くらいまでは、シープスキン(羊革)製やコットン製のフライトジャケットを主に使用していたアメリカ陸軍航空隊。
しかし第二次大戦中にナイロン製衣料が完成すると、1945年以降のフライトジャケットは、次第にナイロン製へと移行していきました。
やはり動物の皮革やコットンと比べると、遥かに軽量で強度もありコストパフォーマンスが高かったので、当然な流れと言えますね。
そのうちヘビーゾーンを対応したのはN–2とN–3と呼ばれるフライトジャケットでした。
この2種類のフライトジャケットは、数々の改良を重ねて、現在も使用されていますね。
以前ジャケットタイプのN–2Bというモデルを分析しました。
今回のモデルは、コートタイプのN–3Bというコートタイプのモデルになります。
(ただし、シェルの材質をナイロンから変更したモデルですよ。)
さてさて、それはどんな感じのモデルなのでしょうか?
今回は、まだこのモデルをお持ちでないあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 アメリカ空軍フライトジャケットN–3B(6279J・セージグリーン)全体及び細部写真
前面
白いファーが目立ちますね。
背面
シェルはナイロンとコットンの混紡です。
前面裏側
ライニングは濃いグレイです。
インターライニングは軽量で暖かいポリエステル製ですよ。
背面裏側
フードは内側に、ポリエステル製(アクリルかも?)のボアがあります。
前合わせは、ジッパー 、ボタン、ダットファスナーです。
N–3A以前の型より、前面のストームフラップが短くなっています。
これは着用した時の動きやすさを考慮したものです。
タグ
1981年度契約品で、サブタイプは「J」で比較的最近のモデルですね。
メーカーはあまり知られていませんね。
胸ポケット
2個のダットファスナーで開閉
ポケット内側は毛布生地です!
ハンドウォーマーも兼ねていますね。
ポケットの縁がすぐに擦り切れるのでここは要チェック箇所です。
腰ポケット
こちらもダットファスナーで開閉
胸ポケット同様、内側は毛布生地です。
ん?、よく見ると生地の色が違いますね。
ジッパーは「SCHOVILL」で、少々動きが悪いです。
後でローソクの蝋(パラフィン)を塗っておきましょう!
左袖のシガレットポケット
ジッパーの生地は、写真のようなカーキの他に数色あります。
前身頃のボタンは、コード(ひも)のループで留めます。
このボタンが稀少ですよね。
袖
単純な構造ですが、肘に大面積の補強生地が。
袖は内側にもニットがある二重袖です。
(最新型モデルでは、外側の袖が省略されてニット剥き出しになったようです。N–3、N–3Aと同じですね。)
腰にはドローコードも準備
フードはアクリルのフェイクファー付きです。
モデルによってはコヨーテ製もありますよ💕
大きくて深いフードです。
フード頂部にはストラップがあって、金属製のバックルでフードのサイズ調整できます。
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3 アメリカ空軍フライトジャケットN–3B(6279J・セージグリーン)その特徴とは?
まずシェルはセージグリーン(というよりはグレイ)のコットンとナイロンの混紡です。
オックスフォードと呼ばれる場合もありますね。
細い糸で細かく織られていて、軽量ながら防風性能が高いです。
インターライニング(中綿)は、軽量なポリエステル製でとても保温力が高いことで知られています。
(M65ジャケットのライニングやポンチョライナーと同様ですね。)
デザインは、N–3から大きく変わらず、フード付き、胸及び腰ポケット×2、シガレットポケットです。
胸、腰ポケット内部の生地は毛布生地で、ハンドウォーマーを兼ねていますよ。
これは有難いですね。
全体的な縫製は、少々雑ですが、強度は抜群ですよ。
サイズ感は、MA–1などより、ややゆったりしていますね。
(最も外側に着る衣料品なので、重ね着を計算した作りになっているようです。)
4 アメリカ空軍フライトジャケットN–3B(6279J・セージグリーン)の製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 1981年
・製造場所 アメリカ
・契約会社 アメリカ
・製造会社 〃
・材質 コットン
ナイロン
・表記サイズ M
(日本人のL〜XL)
・各部のサイズ(平置)
着丈 約84センチ
肩幅 約51センチ
身幅 約65センチ
袖丈 約63センチ
・状態 中古上品
・官民区分 官給品
・入手場所 浜松の専門店
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5 アメリカ空軍フライトジャケットN–3B(6279J・セージグリーン)まとめ
今回のモデルの先祖とも言える1945年に開発されたN–3は、品名が「飛行服」でした。
しかし次第に格下げされて、今では「極寒候期用パーカー」に変わり、空中勤務員以外でも着用しているようですね。
皮肉なことに、このジャケットもパイロット装備から外れる頃から、材質の見直しが図られて使い易くなっていきました。
面白い現象ですね。
さて今回のモデルですが、実際に着用すると、とても暖かいジャケットです。
フードもボア付きで、かつ深いので強風時でも寒さを感じませんね。
シェルもオックスフォードなので、ナイロン100%よりやや火にも強いのも助かります。
使える防寒着ではないでしょうか?
(暖冬で、しかももうすぐ冬が終わるのに何を今さら?…いえいえ寒冷地に住む方と、来年のためにと思いまして…。)
動き回るサバイバルゲームはともかく、比較的動きの少ない野鳥観測、狩猟(アンブッシュ:待ち伏せ)、釣りには向いているかもしれません。
バイクでの使用は、防寒トラウザースであるF–1Bとの併用で、真冬のツーリングも可能です。
(でも、フードや裾が少々邪魔ですね。アメリカンならともかく、ヨーロピアンとかは使い辛いかも。)
幸いな事に、N–3BもMA–1などと同じく、新しい型ほど不人気で、安価で販売されているようです。
(今回のモデルは、中古品だったのでめちゃ安かったです。)
実用目的かつファッションにこだわらなければ、新しい型の中古品はお買い得ですね。
(価格を気にしなければ、新しい型は現在でもデッドストックの官給品が購入可能ですよ!)
一方ナイロンモデルは全般的に高価ですが、機能が殆ど変わらないモデル品も多数販売されていますね。
こちらはカラーも豊富ですよ。
初心者の貴方は、まずは官給品の中古(ネットが比較的安いです。)もしくは、モデル品から始めてみましょう。
将来の事を考えている方は、各年代のデッドストック入手を目指しましょう!
(理由は、もうお判りですよね!)
今回は、アメリカ空軍の、以前はフライトジャケットだった防寒パーカーを分析しました。
次回は、ブルガリア軍の迷彩服を分析します。
お楽しみに!
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参考:他のアメリカ空軍装備品はこちらです。⬇︎
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今日は花金(死語!)です。
退社後に暗い話題を吹き飛ばす宴会も良いですが、早めに帰宅して家族やペットとゆっくり過ごす手もあります。
世間は新型Cウイルスの話題でいっぱいですが、我々は「恐れず、侮らず」の姿勢で冷静に対処していきましょう!
読んでいただき、ありがとうございました。
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