今回は、1990年代の中国人民解放軍陸軍の迷彩ユニフォームを分析します。
以前、海軍のモデルを分析しましたが、今回は陸軍のモデルですね。
「量」しかなかった中国人民解放軍でしたが、このモデルからは「質」も向上し始めましたね。
人民解放軍に何があったのでしょう?
それはともかく、今回のアイテムもデッドストックですよ!
目次
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1 中国人民解放軍陸軍97式迷彩ユニフォーム(グリーンウッドランド)とは?
あなたは覚えているでしょうか?
昔、TBSで「世界ウルルン滞在記」という番組を放映していました。
俳優、女優、アイドル、場合によっては(?)お笑い芸人などを、外国にホームステイさせて、現地人との触れ合いや生活様式などを体験させるとともに、一部をクイズにしているという番組でした。
私は大好きだったので、可能な限り見ていましたね。
中でも中国の回は、必ず観るようにしていました。
何故なら、かなりの確率で迷彩服を着用している人が出てきたからです。
面白いことに、とっくに人民解放軍を退役(?)していると思われる老人が普段着として使用していたり、村人の誰かが着ていたりしていました。
(女性が着ていたこともあったような…。)
TVカメラ越しとはいえ、迷彩服がどんなふうに見えるのか…というのは貴重な資料でしたから、食い入るように観てましたよ。
その番組で多く目撃したのが今回のモデルです。
1990年代から支給が開始されたようですね。
(一説によると、九七式という型式番号があるとか?今回はそれを採用しました。)
明るい迷彩は、それまでの人民解放軍のイメージを払拭するものでしたね。
さてさて、それはどんな迷彩ユニフォームなのでしょうか?
今回は、迷彩服コレクション初心者のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
ジャケット
前面
効果はともかく明るい迷彩ですね。
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはジッパーとダットファスナーです。
襟周りのレイアウト
襟はジッパーで立てることができます。
各種データスタンプ
生地のナンバリング
エポレット
こちらはボタンで開閉
胸腰ポケット
一枚の生地で造られています。
合理的ですね。
胸ジッパースライダーの刻印
腰ポケットはスラントポケットです。
(海軍の迷彩服はジッパーでしたね。)
ダットファスナー表面の刻印
左袖2本のループ
ペン用でしょうか?
袖
ややテーパーが付いています。
肘には楕円形の補強生地が。
袖口はダットファスナーで開閉
右袖ポケット
こちらもダットファスナーで開閉
裾左右にはゴムを内蔵
トラウザーズ
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはボタンのみです。
ボタンはいずれもエポレットとは違うタイプでした。
右側面
裾
例によってタブとボタンで絞れます。
臀部には申し訳なさそうに丸い補強生地が。
真後ろのベルトループ
2本あります。
幅広一本でも良かったのでは?
股間の裁断
三角形の生地ですが、左右で大きさが違っていますね。
ウエストの大きなボタン
その他の小さなボタン
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3 その特徴とは?
迷彩は、白色の生地にライトグリーン、グリーン、ブラウン、ブラックで、雲型を描いています。
明るい色調の迷彩ですね。
かなりアメリカ軍のウッドランドやリーフパターンを意識しているようです。
(配色は違いますが…。)
ところでこの迷彩生地は、直射日光や蛍光灯の紫外線で、まずグリーンのみがオリーブ色に褪色します。
紫外線による褪色状況
(今回のモデルとは別の個体です。)
保管には要注意ですね。
生地は薄いコットンとポリエステルのポプリンで、通気性や肌触りが良いです。
どちらかというと、夏用ですね。
(上述の番組では、真冬でも着ていました。おそらく下に着込んでいるのでしょうね。←レイヤードシステム?)
デザインは、前作九四式の一部を簡略化したイメージです。
ジャケットは、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2、袖ポケットで、丈の短い人民服タイプ。
トラウザーズは、腰スラントポケット×2のみでシンプルです。
94式との違いは襟上部で、今回のモデルは上までジッパーを上げることで襟を立てることができますが94式はできません。
一説には、この迷彩生地は「三防」生地と呼ばれていて、「防火、防擦、防赤外線」処置がなされているとか?
本当でしょうか?
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1997年
製造場所 中共
契約会社 中共
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ 4
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
ジャケット
着丈 約70cm
肩幅 約51cm
身幅 約64cm
袖丈 約59cm
トラウザーズ
ウエスト 約50cm
股上 約30cm
股下 約77cm
裾幅 約23cm
着丈 約107cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 愛知県の専門店
入手難易度 1(容易)
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5 まとめ
一種、能天気とも言える明るい迷彩は、何故か心が休まりますね。
どこで使用することを想定していたのかわかりませんが、華南地方から北京付近まで、一時は全てこの迷彩服を使用していましたよ。
(後に現地にあった違うパターンも開発されました。)
一つ前の九四式から急に近代化した中国軍の装備。
何故か不安を感じていましたが、案の定どうやら軍事拡充の最初の段階だったようです。
中国人民解放軍…侮れませんね。
大まかで明るい迷彩は、日本のフィールドでは少々持て余し気味ですが、それでもサバイバルゲーム、狩猟、野鳥観測には使用できそうですよ。
特に生地が薄いので、夏場の使用に適しているようです。
(秋や、春でも着込めばなんとかなりそう?)
使える迷彩服なのではないでしょうか?
さてこの迷彩服ですが、1990年代に東京上野御徒町の老舗SHOPが安価に、かつ大々的に販売していたのは記憶に新しい所です。
(まだ販売されているのでしょうか?)
しかし現在、見かけなくなりました。
まだ入手していないあなたは、急いで入手しておいた方が良いでしょう。
入手は実店舗(東京上野御徒町の老舗ショップ系)かネットオークションで見つかる確率が高いです。
諦めず探してみましょう!
今回は、中国人民解放軍陸軍の明るいカラーの迷彩ユニフォームを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240603更新)
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参考:他の中国人民解放軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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