今回は、1970年代の旧南ベトナム軍迷彩ユニフォーム(タイガーストライプ)を分析します。
勿論モデル品ですが、上下で仕様が変わっていました。
いかにも混乱していた当時のタイガーストライプ迷彩ユニフォームを再現したのでしょうか?
それはともかく、今回のアイテムもデッドストックですよ!
目次
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1 旧南ベトナム陸軍迷彩ユニフォーム(タイガーストライプ・モデル品)とは?
旧南ベトナム軍が支給した、いわゆるタイガーストライプ迷彩服は、そのパターンだけで分厚い専門誌が発刊されているくらい種類が豊富でしたね。
この迷彩は元々、ベトナムの宗主国であったフランスがインドシナ戦争で使用していたリザード迷彩が原型とされています。
一説によると当初南ベトナム軍は、フランス軍が残していったリザード迷彩の生地などを使用して、各種迷彩服などを製造していたようです。
しかし迷彩生地の枯渇により、後のタイガーストライプ半ば自然発生的に製造され始めたとか?
(確かに、レッドブラウンが目立つリザード迷彩よりも、グリーンの多い方がベトナムの風土に合致した迷彩に思えますね。)
過去記事:旧南ベトナム陸軍迷彩服(一般的なタイガーストライプ)
でもタイガーストライプ迷彩の中でも、褪色すると全体的に黄色味が強くなるモデルをマニアは「ゴールドタイガー」と呼ばれていました。
このゴールドタイガーストライプは、当時の兵士は勿論、後の全世界で大人気になりました。
その人気にあやかって、多くのモデル品も製造されましたよ。
国産のゴールドタイガーストライプのモデル品としては「TP社」と「H社」が先駆けでしたが、両社の迷彩生地は共通していることで知られていますね。
過去記事:旧南ベトナム陸軍迷彩服(TP社製ゴールドタイガーストライプ・モデル品)
今回のモデルは、そのうち「H社」の製品になります。
1980年代の出現当時は、官給品そっくりだったので、大人気になりましたね。
さてさて、それはどんなタイガーストライプなのでしょうか?
今回は、ベトナム戦争マニアのみならず、迷彩服モデル品コレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
シャツ
前面
背面
前面裏側
背面裏側
サイズスタンプ
っぽいですね。
襟周りレイアウト
サイズタグ
モデル品の証ですね。
胸ポケット
2個のボタンで開閉
左袖ポケット
ボタンで開閉
小さいサイズ
袖
袖口はボタンとタブで開閉・調整
トラウザーズ
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはボタンです。
ボタンは大戦中のようなARMY刻印のアルミボタン
こんなモデルもああったのでしょうか?
メーカー及びサイズスタンプ
有名な「H」社製ですね。
右側面
ウエストのサイズ調整タブ
ボタンで調整
臀部のポケット
2個nボタンで開閉
膝ポケット
こちらもボタンで開閉
右膝ポケット下の小ポケット
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3 その特徴とは?
迷彩は、タン(またはライトカーキ)の生地にライトオリーブグリーン、ライトブラウン、ブルーブラックを用いて、葉や帯のようなパターンを描いています。
各色が殆ど重ならないのが特徴ですね。
当時の官給品は、グリーンとブラウンの明度差があまりなくて、洗濯や日射で褪色、両色とも殆どダークイエローのような色調に変化しました。
でも、ブルーブラックは濃いバイオレットに変色して大きく変わらないことから、遠目に見ると実物の虎のように、イエローとブラックに見えますね。
(文字通り「タイガーストライプ:虎縞」ですね。)
生地はコットンのツイルで、現時点(デッドストック)では、やや固めですが、洗濯を繰り返すことでとても柔らかくなってきますよ。
デザインは、シャツがエポレットなし、胸ポケット×2、左袖ポケット。
トラウザーズが、腰スラントポケット×2、臀部ポケット×2、膝ポケット×3で標準タイプなのですが、トラウザースはボタンがアルミ製になっていました。
こんなモデルもあったのでしょうか?
なかなか面白い再現方法です。
全体的な縫製は、丁寧かつ正確でいかにも日本製といった仕立てですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ L(シャツ)
M
(トラウザーズ)
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
シャツ
着丈 約74cm
肩幅 約51cm
身幅 約56cm
袖丈 約60cm
トラウザーズ
ウエスト 約43cm
股上 約30cm
股下 約80cm
裾幅 約22cm
着丈 約106cm
状 態 デッドストック
官民区分 民生品
入手場所 岐阜の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
残念ながら、今回のモデルは現代の技術で製造されたもので、特に迷彩のプリントにおいては最新(?)のものが使用されています。
そのため洗濯を繰り返したり、日光に当てても、なかなか1960年当時と同じように褪色はしないようですね。
でも、さすが老舗の作るモデル品だけあって、再現度は非常に高いです。
また商品としても、定期的にスポット製造されているようです。
今後も入手するチャンスはありそうですね。
もし、できるなら同じ迷彩生地を用いたM65フィールドジャケットを製造してもらいたいですね。
今回は、モデル品ながらよく出来たタイガーストライプ迷彩服を分析しました。
いやー軍装品って、モデル品も本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20230811更新)
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参考:他のタイガーストライプ迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
ベトナム戦争で使用されたその他の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
* * *
ところでTwitterで、参考になる画像を見つけました。
パッと見どこの国の製品かわからないものでも、バーコードの頭の数字で判別出来ます
— 中国共産党に対して新型コロナウイルスによる損害賠償請求を目指す会 (@demandfromchina) 2020年8月20日
良識ある日本国民であれば、どこの国の製品が安心・安全かはおわかりかと思います
この表は永久保存ですね pic.twitter.com/thtlDTzA2S
勿論、あくまで参考ですよ💕
要注意国は「パパ(88)はロック(69)で!」と覚えましょう!
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