今回は、2000年代のイギリス陸軍チェストウェビング(チェストリグとも。)を分析します。
面白い経緯で開発された装備ですね。
でも現在は殆ど使用されていないようです。
時代ですね。
中古品ですが、程度は極上ですよ!
目次
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1 イギリス陸軍チェストウェビング(チェストリグ・DPM)とは?
ベトナム戦争の頃からでしょうか?
中共で画期的なマガジンパウチ(弾倉入れ)が開発されました。
北ベトナムに供与された56式歩槍(AK47系小銃)用のマガジンパウチがそれです。
中共製56式歩槍用前掛け式マガジンパウチ
前掛け式で30RDマガジンしかなかったAKシリーズのために独特のデザインを採用していました。
まるで極端に短いエプロンか腹巻(!)のようなデザインですが、前面にはマガジンパウチと小さなユーティリティーパウチが付いていますね。
当時多くの国が採用していたウエストベルト(ピストルベルト)にマガジンパウチを取り付けるタイプに比べて、このモデルは身体のバイタルエリアを防御できるのが特徴でした。
その後、ローデシアなどでもFAL用の前掛け式マガジンパウチが開発・装備されましたよ。
そんな状況を見ていたイギリスのミリタリーショップが、イギリス軍向けに前掛け用マガジンパウチを自主開発して、駐屯地や基地内で販売しました。
なんと、これが兵士に大人気!
飛ぶように売れました。
あまりの人気であったため最終的にイギリス軍は、ややデザインを変更し官給品として採用・支給したのでした。
例えPX品といえど、使えるものなら官給品として取り上げる…というのは、さすが兵士思いのイギリス軍ですね。
(見習うべきなのかも…そういえば、イギリス陸軍防寒シャツ(ノルウェーシャツ)もそうでしたね。)
今回はその官給品のDPMモデルもなります。
さてさて、それはどんなチェストウェビング(チェストリグ)なのでしょうか?
今回はイギリス軍装備マニアのみならず、
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
ショルダーストラップは背面で交差します。
背面ストラップの位置関係
各ストラップは余裕があって、女性から大男まで使用できますよ!
サイドのユーティリティパウチ(大)
プラスティックのクイックリリースバックルとマジックテープで開閉
マジックテープは、普段はカバーされていて、カバーを外さないと使用できません。
何かと、くっついて煩わしい場合があるので、これはナイスアイディアですね。
各ポケットはコーティングされていて防水仕様のようです。
中央のマガジンパウチ
3個あります。
1個のパウチにL85系(5.56ミリ)の30RDマガジンが3本入るかも?
(合計270発以上携行可能?)
こちらもユーティリティーパウチと同じです。
各部のクイックリリースバックル
ブラックの強化プラスティック製です。
中央背面のポケット
2個のダットファスナーで開閉
開口部は狭いですが、背面全部(□の部分)がポケットになっています。
これなら、地図なども入れることができますね。
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2004年度契約品です。
なんと赤外線対策済みです!
ユーティリティーパウチの上面
パウチの背面にはオープンタイプもポケットがあります。
すぐ取り出せるものも入れられますね。
でも不時落下に要注意です。
左ショルダーストラップには ダットファスナーが付いていて、何かのパウチを付けられそうです。
各部のステッチは少々雑ですが、部分的にトリプルステッチになっています。
これは頑丈ですね。
ショルダーストラップとウエストストラップ
ウエストストラップは、右側のクリックリリースバックルで取り外し可能です。
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3 その特徴とは?
迷彩生地は防水コーティングされたナイロン製で、赤外線反射対策がなされています。
迷彩はお馴染みのDPMですね。
(最初OG(オリーブグリーン)でしたが、のちにDPMも追加されました。)
パウチは大小5個なのですが、左右サイドのユーティリティーパウチ背面にはオープンタイプのポケット、中央のポケットはとても大きいポケットになっています。
ショルダーストラップやウエストのストラップには余裕があって、お相撲さん以外では誰でも着用できそうです。
全体的な縫製は、少々雑なところもありますが、とても頑丈な仕立てです。
(アメリカ軍物のような印象です。)
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 2004年
製造場所 イギリス
契約会社 イギリス
製造会社 〃
材 質 ナイロン
表記サイズ なし
(フリーサイズ)
各部のサイズ(平置)
縦 約27cm
横 約65cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 愛知の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
ところで、今回のモデルをバイクのツーリングで使用してみました。
格好は少々物ものしくなります(それが魅力だったりします!)が、使い勝手は抜群ですね。
100km〜200kmくらいの日帰り短距離ツーリングなら、バックパックや車載コンテナは必要のないくらいの容量が確保できていますよ。
特にユーティリティパウチのオープン式ポケットは、ちょっとした飲料水や休憩時のグローブ(手袋)入れにと重宝しました。
装着する位置も上下で変えることができますし、背中側には何もないので必要ならバックパックを担ぐこともできますね。
(身体前面の風除けにも有効です!)
このように優れた装備なのですが…残念ながら実際の軍隊では、タクティカルベストが主流になりつつありますね。
現在では「旧式装備」ということで、第一線を退きつつあるようです。
(愛用している兵士は多いですよ!)
でも普段我々が使用する分には、無問題ですね。
(或いは普段使いに最も適した装備なのではないでしょうか?)
サバイバルゲーム、狩猟、野鳥観測、登山、ツーリングなどなど、使い道は盛り沢山ですよ。
…ところが、ひと頃容易に入手できていた今回のモデルも、昨今では少なくなってきましたね。
現在では、原型となったモデル(PX品)はおろか官給品も入手困難です。
でも、安心してください。
イギリス軍に拘らなければ、現在多くの種類が安価に販売されていますよ!
カラーも豊富で選び放題ですね。
どうしてもイギリス軍装備が欲しいあなたは、海外のオークションを除いてみましょう!
その際には、本記事を参考にして、官給品かそうでないかをよく判別しましょう!
私は、OGモデルと、原型のミリタリーショップ製モデルを探してみようと思います。
今回は、普段使いにとても便利なイギリス陸軍のチェストウェビングを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240911更新)
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参考:他国のウェブ装備はこちらです。⬇︎
他のイギリス軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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