今回は、1970年代の旧ソ連軍サバイバルマチェットを分析します。
同軍の特殊部隊も使用したので「スペツナズ・マチェット」とも呼ばれていますね。
多機能でヘビーデューティーな造りが魅力です。
中古品ですが、奇跡的にあるものが残っていた極上品ですよ！
目次
スポンサーリンク
スポンサーリンク
１ 旧ソ連軍サバイバルマチェット（スペツナズマチェット・初期型）とは？
日本では、映画「ランボー（原題：First Blood）」以降、大流行したサバイバルナイフ。
元は、パイロットや兵士のために開発された多機能ナイフでしたね。
当ブログでもアメリカ軍をはじめとする、いくつかのサバイバルナイフを分析しました。
アメリカ軍サバイバル装備の考え方としては「数種類の機能に限定した小型装備品を、数多く持ち歩く」としていますね。
例えばアメリカ海軍パイロットサバイバルナイフでは、せいぜい2〜3種類の機能しかありませんでした。
これは現代の主流となる考え方で、多くの国で採用されていますね。
でも、世の中には全く違うコンセプトで開発された装備もありましたよ！
今回のモデルは、旧ソ連軍が開発したサバイバルマチェット（マチェット：山刀）です。
特殊部隊の他、なんとパイロットにも支給されたという説もありますね！
多くの機能が凝縮された、まさに旧ソ連軍御自慢の一品です。
さてさて、それはどんなサバイバルマチェットなのでしょうか？
今回は、旧ソ連軍装備マニアのみならず、災害時にも使用できる効果的（？）なマチェットをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう！
２ 全体及び細部写真です！
左側面
（注意！パラコードは私が取り付けたもので、付属品ではありません。）
右側面
ブレードとハンドルの角度に注意！
上面
下面
ブレード
ブルーイング（黒染め）されています。
ハンドル
後部にかけてくびれエンド部は垂れ下がるデザイン。
ブレード先端
ショベル、斧、分度器の機能付き。
粗い仕上げに注意。
ブレードには15センチメートルのスケール（物差し）付き。
導火線の調整に便利ですね。
ブレードを貫通しているこの二つの穴の用途は？
偏楕円形？には人差し指が入りますね。
（「1」の下にある小穴については後述します。）
ブレード中央下部は一部が薄いソーブレードになっていますね。
ブレード先端下部
ここが斧の部分。
（厚い刃になっています。）
ブレード中央から後部
ここは、鉈やナイフですね。
ブレード上面（峰側）はソーバック。
互い違いの鋸刄。
ブレード付け根下部には、コードカッターあり。
クロスガード上下には大小の穴が開いてます。
紐を用いて棒にくくりつける他、峰側の小穴には照門の役目もありますね。
ブレード付け根の防水処理はなし。
ブレード右側面の刻印
製造廠のマークとシリアルナンバーでしょうか？
製造廠（？）の刻印（中）が映画「レッドドラゴン」を思い出しますね。
ブレード先端の形状
ショベルの役目をすると言われています。
ポンメルは金属製の蓋とリーマー（穴あけ）が付属しています。
リーマーは向きを組み替えることで槍として使用できます。
リーマーには穴が開いていて、糸や紐を通すことができます。
もう一方端には、大きなマイナスドライバーあり。
蓋にはOリング付きで防水仕様です。
内部に方位磁石は入っていません。
ハンドルは約半分が中空で、中にサバイバルギアを格納することができます。
ブレードはフロータングでワッシャーとナットで固定されていますよ。
ハンドルは、ベークライト製。
左右貼り合わせですね。
接合部分の仕上げが粗いです。😅
ハンドル内に格納されていたサバイバルギア
釣り糸、釣り針、錘（鉛製：かみつぶし？）、二種類のマッチ
（マッチの本数は、これが正規なのかどうかは不明です。）
かなり太い釣り糸（テグス）
釣り針と錘
ナイロンでパウチされています。
釣り針は、大、中、小。
見え難いですが、錘は２個あります。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
３ その特徴とは？
ブレードはカーボンスティールで、
- 斧（おの）
- 鉈（なた）
- 槍（やり）
- 鋸（兼ロープカッター）
- 鋸鎌（ノコギリかま）
- ナイフ
- コードカッター
- 分度器（兼四分儀）
- スケール（物差し）
- ショベル（スコップ）
- 釣竿
- リーマー（穴あけ）
- ドライバー（マイナス）
の機能（全14種）が確認できます。
（他にもあるかも。😅）
勿論、接近戦での武器としても使用可能です。😃
（グルカ兵のククリナイフくらいの脅威がありますね。）
一方、ハンドルはベークライト製の角柱タイプで、表面左右には滑り止めがモールドされています。
（後期型ではブラックの強化プラスティック製に変更されています。）
一見ただの四角柱に見えますが、後部にかけてやや絞られていて、見た目より握りにくくはありません。
加えてポンメルに近い部分は下側に垂れ下がっているので、振り下ろした時のストッパーの役目も備えています。
ハンドル長の約半分くらいは中空で、中には
- 釣り糸（テグス）
- 釣り針×3
- 錘（おもり）×2
- マッチ（２種）×13
のサバイバルグッズが格納されていました。
（これが正規の員数かどうかは不明です。）
また、ハンドルとブレードには角度が付いていて、平行ではありません。
これは…一説にはショベル（スコップ）として使用する際に、より使い易くしているのだとか？
また、特筆すべきは分度器の存在ですね。
これは分度器の専用の穴（◯部分）を利用して四分儀として使用することができます。
その方法は、まず◯穴に錘の付けた糸を通す。
（一身上の都合（？）で今回の錘は7.62ミリNATO弾のダミーカートを使用。😅）
四分儀を用いた緯度の測定方法
いかにも広い国土を有する旧ソ連の装備…といったところでしょうか？
全体的な造りは、有名メーカー製の高品質マチェットに比べるとかなり荒削りですが、当時の官給品としては必要十分な仕上げですね。
今回は準備できませんでしたが、本来は立派なレザー製または粗末なナイロン製シースが付属しています。⬇︎
スコップとして使った時にブレードのR頂点がグリップの鉛直線上に来るからこの辺の兼ね合いもあるのかもしれないけど…… ひょっとして幅広と手前の狭いところの間にあるセレーションに合わせてる？ pic.twitter.com/qvvkBABYkH
— ておどら (@TDItheod) 2015年10月17日
４ 製造とサイズのデータです！
製造・契約年度 1970年代
製造場所 旧ソ連
契約会社 旧ソ連
製造会社 〃
材 質 カーボン
スティール
ベークライト
各部のサイズ（平置）
全長 約380mm
全幅 約30mm
全高 約100mm
ブレード長 約245mm
ブレード厚 約5mm
ハンドル長 約120mm
ハンドル厚 約29mm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 名古屋のデパート
入手難易度 4（極めて困難）
スポンサーリンク
●●オンタリオ/Ontario ON18 6144 ミリタリー ジャングル マチェット 片刃 鉈【送料無料】
スポンサーリンク
５ まとめ
一本の大きなマチェットに多機能を組み込んでいるのは、アメリカ軍の考え方とは正反対のコンセプトで面白いですね。
このマチェットが開発された当時、まだインターネットはおろか、GPSなども存在しなかった時代でした。
そんな中、戦場や敵地で自分の位置の把握や生存に必要な道具を沢山持ち歩くには重量、体力的に限界がありますね。
（ましてや単独行なら言わずもがなです。）
その点、今回のモデルがあると、荷物が少なくなって良いかもしれません。
ただし世の中の十得ナイフがそうであるように、この種の装備は各機能の性能が中途半端で「帯に短し襷（たすき）に長し」的で、全く使えない場合も多いですね。
今回のモデルは…チャンスがあれば実際に使用して、各機能を確認してみたいですね。
（もう一本入手できたら、使ってみたいです😃）
それはともかく、このサバイバルマチェットはオークションでも数年に一回見掛けるかどうかという希少なアイテムです。
入手は極めて困難でしょう。
それでも探しているあなたは、海外のオークションを覗いてみましょう。
（あるいは後期型なら出品されているかもしれません。）
私は、レザーのシース付き初期型とハンドルが強化プラスティックに変更された後期型のそれぞれデッドストックを探してみたいと思います。
今回は、旧ソ連軍が開発した便利なサバイバルマチェット（スペツナズマチェット）を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね！
それではまた、次回をお楽しみに！
（20231119更新）
スポンサーリンク
スポンサーリンク
他のミリタリーナイフ等に関する記事はこちらです。⬇︎
旧ソ連軍の装備に関する記事はこちらです。⬇︎
その他のサバイバル装備に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
スポンサーリンク
●●オンタリオ/Ontario ON18 6144 ミリタリー ジャングル マチェット 片刃 鉈【送料無料】
●●ガーバー GERBER G3473 バーサフィックス マチェット 鉈 ステンレス鋼/ラバーハンドル VERSAFIX【送料無料】
CONDOR コンドルCTK1820-12.5HCKing Kukri Macheteキングククリマシェット【47】
スポンサーリンク
- provided courtesy of iTunes
- provided courtesy of iTunes
- provided courtesy of iTunes
- provided courtesy of iTunes
