今回は、1960年代の旧西ドイツ陸軍防寒パーカーを分析します。
暖かくてミリタリーマニアならずとも一般的に大人気のパーカーですね。
でも、今回は貴重な初期型になります。
残念ポイントがありますが、稀少品ですよ!
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目次
1 旧西ドイツ陸軍防寒パーカー(初期型)とは?
あまり知られていませんが、ドイツの緯度は、そのほぼ全土が北海道より北にあります。
そのため夏は25℃を超えることは殆どありませんが、冬は−10℃くらいになるそうですね。
日本よりかなり気温が低く、冬はとても寒くしかも長いそうですね。
(だからのウール戦闘服!)
そのため必然的に高性能な各種防寒着が発達・普及しています。
勿論、軍隊の防寒装備も優秀ですよ。
特に陸軍が支給した防寒パーカーは、とても暖かいことで知られています。
またフレック迷彩が採用された後、それまでのODパーカーが用途廃止になって民間業者に払い下げられると日本にも多量に輸入されて、マニアを狂喜乱舞させたことは記憶に新しい所ですね。
(勿論、誰も知らないと思いますが…。)
特に、東京の御徒町にある老舗SHOPでは、未使用品を安く販売していたことから、一時期ブームになりましたね。
(じつは今も在庫があったりして…。)
おそらく、貴方もお持ちでしょう!
そのドイツ軍防寒パーカーですが、その多くは後期型なんですよね。
でも、じつは細部が違うモデルが存在していました。
それが今回のモデルです。
さてさて初期型は後期型と、どう違うのでしょうか?
(単なるマイナーチェンジという説もありますが…。)
今回は、ドイツ軍マニアのみならず他者とちょっと違うドイツ軍パーカーをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
(貴方もお手持ちの防寒パーカーと比べてみてください。)
2 全体及び細部写真です!
前面
一見普通の防寒パーカーと変わりませんね。
背面
前面裏側(ライナー付き)
ライナーは後期型のようにボアではなくてキルトです。
(ボアのモデルもあったようです。)
背面裏側(ライナー付き)
前合わせはボタンと
タグ
1965年度契約品です。
エポレット
テーパー付きのクサビ型です。
胸ポケット
ボタンで開閉
ポケットの下(両側)には予備のボタンが!
これが初期型の特徴です。
左胸のネームタグ
腰ポケット
こちらもボタンで開閉
脇の通気孔
4個で金属のハトメ付き。
袖はタブとボタンで絞ることができます。
肘の補強生地も初期型の特徴ですね。
(後に廃止)
ライナーはフードの中まであります。
フードはドローコード付きです。
内ポケット
ボタンで開閉。
ライナーを付けると二重袖になります。
裾のドローコードは先端がループ状になっていて、使用しない時は専用のボタンに引っ掛けておきます。
ライナーは脇と肘の内側はインターライニング(中綿)がありません。
用途廃止のスタンプが押されていました。
前面裏側(ライナーなし。)
背面裏側(ライナーなし。)
袖口裏側
ライナー用ルーブと袖のボタン用力(ちから)ボタン
背中の部分は二重になっています。
おそらくナイロン製
ライナー
前面裏側
ライナー背面裏側
ライナータグ
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3 その特徴とは?
シェルのカラーは、後期型が旧西ドイツ軍特有のやや明るいOD(オリーブドラブ)です。
生地はコットンサテンで変わりません。
デザインは、胸×2、腰×2のポケット+内ポケットで後期のデザインと変わりませんが、
- 両胸ポケットの下に予備のボタン
- 肘に小判型の補強生地
- ライナーがキルト
- ボタンが薄い平ボタン
という部分が後期型と違っていますね。
後期型との外観比較
今回のモデル
(◯に注意!)
後期型
肘の補強生地と前面の予備ボタン(向かって左側)が最初からありません。
袖及びボタン
今回のモデル
補強生地に注意!
後期型
後期型には肘の補強生地がなく、ボタンも肉厚タイプです。
中でもボタンはとても割れやすく、今回のモデルでも外側に露出しているボタンは一部が破損しています。
(後期型では厚みのあるソロバンの駒型(円盤型)に変更されましたね。)
またライナーは後期型より軽量です。
でも寒い日に素肌に触れると、少々冷たいですね。
この辺りは起毛させた後期型が優れているようです。
全体的な縫製は、正確かつ丁寧で、ドイツの高い技術を感じる仕立てですよ。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1962年
製造場所 旧西ドイツ
契約会社 旧西ドイツ
製造会社 〃
材 質 コットン
ナイロン
表記サイズ 174/104
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約83cm
肩幅 約54cm
身幅 約66cm
袖丈 約61cm
状 態 中古上品
(ボタン一部破損)
官民区分 官給品
入手場所 愛知の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
今回のモデルは、1960年代に開発された画期的な防寒パーカーでしたが、いくつかの不具合点があり、かつ量産に向いていませんでした。
そのため、後に不具合点を改良し、一部を省いた後期型(量産型)に切り替わりましたね。
ボタンの割れやすさを除けば、初期型の方がより実用に向いているような気がします。
例えるなら初期型は「ガンダム」、後期型は「GM」と言ったと言った所でしょうか?
また、初期型は製造時期や製造会社によっては、よりグリーンの強いシェルカラーのモデルもあって興味が尽きませんね。
日本では、初期型の未使用品は見かけませんが、中古品が後期型に混じって同じ値段で販売されていますよ。
ある意味、これは幸運かもしれませんね。
…とは言え、このモデル(初期型)も、コアなドイツ軍マニア以外は購入する必要もないようです。
肝心な時にボタンが壊れたら、台無しですものね。
ところで、貴方が持っているパーカーはどちらでしたか?
もし初期型だったら、早急にボタンを後期型用又は類似の色と大きさのボタンに換えておきましょう!
今回は、旧西ドイツ陸軍の希少な防寒パーカー初期型を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20230110更新)
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参考:同軍の後期型防寒パーカーに関する記事はこちらです。⬇︎
各国の防寒パーカーの記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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