今回は、1980年代の陸上自衛隊(一部海上自衛隊や防衛大学校でも)使用されていた戦闘服(作業服)を分析します。
今となっては懐かしい一品ですね。
今回のモデルは元の持ち主がカスタム化していましたよ。
中古品ですが程度は良好です!
目次
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1 陸上自衛隊65式作業服(OD・上下・シャツタイプ)とは?
太平洋戦争でアメリカ(のみ)に敗北した日本は 、戦後軍隊の所有をGHQから禁止されます。
彼らは日本人の潜在能力に恐怖し、その能力を日本人自らが封じ込める施策を我々に施したのですね。
(恐ろしいですね。それは憲法、教育、マスゴミ等々に及んでいて、一部は現在も続いていますよ。)
しかし朝鮮戦争の勃発と、それに伴う共産勢力の直接的な拡大を防止するため、自分達が示した方針に矛盾する「日本再軍備化」に踏み切りました。
本当に自分勝手な国ですよね。
そして発足したのが「警察予備隊」でした。
その後「保安隊」、「自衛隊」と名称を変えて現代に至るのは、皆さんもご存知の通りです。
一方個人装備は、当初アメリカ軍供与品及び旧軍装備品の混用から始まり、アメリカ軍装備の簡略国産化を経て、日本オリジナルの装備を開発してきました。
そんな中、4ポケットのジャケットタイプからモデルチェンジしたシャツタイプの作業服が今回のモデルになります。
陸上自衛隊の4ポケット作業服に関する記事はこちらです。⬇︎
新しい作業服は、見た目スッキリでしたが、欠点も多かったですね。
さてさてそれはどんな作業服なのでしょうか?
今回は、コアな陸上自衛隊装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
上衣
前面
バッグに入れてきたので、シワシワになってしましました。
後日、アイロン当てて再度写真を撮りなおしたいですね。
背面
前面裏側
背面裏側
タグ
1981年度契約品dすね。
エポレット
若干のテーパー付きの楔形です。
胸ポケット
ボタンで開閉
ボタンホールは、ポケットフラップに縫い付けられています。
ジッパースライダーには桜のマークが。
メーカーは信頼の「YKK」です。
袖口
2個のボタンで開閉、調整
ボタンは、当然ですが陸上自衛隊用の官給品です。
糸で縫うところが凹んでいて、糸が擦り切れないように工夫されています。
背面裏側の背中上部
二重になっています。
ただし一枚仕様ですね。
サイズスタンプ
ジッパースライダー
背面
肘の補強布は、内側に縫い付けられています。
下衣
前面
背面
前面裏側
背面裏側
裾の白い糸は?
前合わせはボタンです。
タグ
腰ポケット
ポケット裏側の力布
裾上げされていました。でも、糸が「白」って…。
膝の補強布は、内側に縫い付けられています。
サイズスタンプ
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3 その特徴とは?
生地のODは、洗濯を繰り返すと次第にグレイに近付くタイプと、グリーンに近付くタイプがあります。
今回のモデルは、グリーンに近付くタイプのようです。
珍しいところでは、北海道で官給品のノーアイロン(こちらは茶色味が強いです。)も見たことがありますよ。
デザインは、上衣の裾がYシャツのようなカットになっています。
上衣を下衣の中に入れるタイプですね。
(若い方には受け入れられないかもしれません。でも昔は常識でしたよ。)
全体的には、これまで分析したいわゆる「熊笹迷彩」の迷彩服1型と全く同じです。
迷彩服1型の記事はこちらです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1981年
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
ビニロン
表記サイズ 1
各部のサイズ(平置)
上衣
着丈 約81cm
肩幅 約44cm
身幅 約56cm
袖丈 約61cm
下衣
ウエスト 約46cm
着丈 約103cm
股下 約69cm
股上 約35cm
裾幅 約23cm
状 態 中古並品
官民区分 官給品
入手方法 東京のイベントで購入
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
諸先輩方は4ポケットタイプ作業服に対し、「だらしなく見える」「みっともない」と口を揃えておっしゃいますね。
だからの改善だったのでしょうか?
確かにビール腹(私です!)でなければ、軽快かつすっきりとした外観になります。
しかし、匍匐時に下衣に泥が入る、体温調節が難しい(熱がこもる)、上衣がずり上がってくるので修正が面倒…などの欠点もありましたね。
この後に採用された、迷彩服2型は2ポケットで上衣も4ポケット型より短く長く、表出しにも下衣に入れることもできるので便利になりました。
今回のモデルは、諸説ありますが1960年代中期に作られたと言われています。
迷彩服2型採用が1990年代でしたので、約30年もの長い間、大きな改造なく使われたことになりますね。
良く言えば物持ちの良い、悪く言えば何も考えていなかった…とも言えそうですね。
おそらく隊員からも、各種改善提案が提出されたと思うのですが、とうとうモデルチェンジはありませんでした。
これが昔の日本、昔の自衛隊だったのですね。
でも現在は本当に装備が良くなりました。
時代は大きく変わったようです。
今回のモデルを、わざわざネットや店舗で購入する人は居ないでしょう。
でも私にとっては、この作業服は大切な思い出です。
着用することはありませんが、初心を忘れないように、時々引っ張り出して確認しようと思います。
(できれば…裾上げしていないものが欲しいですね!)
今回は、年配者をノスタルジックな気分にさせる陸上自衛隊の作業服を分析しました。
いやー自衛隊装備品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240215更新)
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参考:その後に採用された迷彩服2型に関する記事はこちらです。⬇︎
他の自衛隊装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
* * *
読んでいただき、ありがとうございました。
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