今回は、1940年代のイギリス空軍レザーフライトジャケットを分析します。
第二次大戦中のフライトジャケットといえば、日本ではアメリカ軍物が大人気ですよね。
しかしイギリス軍にも素晴らしいアイテムがあるんですよ!
メーカーの名前から「アーヴィン(Irvin)ジャケット」とも呼ばれていますね。
諸事情で今回もモデル品ですが、程度は良好ですよ!
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目次
1 イギリス空軍レザーフライトジャケット(アーヴィンジャケット・モデル品)とは?
ところで、このブログでも時々出てくる映画「空軍大戦略(原題「バトル・オブ・ブリテン」)」(1969公開)を観たことありますか?
第二次大戦中にあった、実際の戦闘を映画化した歴史映画の超大作です。
内容は、質・量ともに劣るイギリス空軍が、イギリス国民らと一致団結して、押し寄せてくるドイツ空軍を撃退、最後にはドイツのイギリス侵攻を頓挫させるという話でした。
原題は、フランスがドイツに敗れたとき、時のイギリス首相チャーチルが放った「次はイギリスでの戦いが始まる!」と宣言した言葉からきています。
イギリスにとっては、本当に誇らしいお話なのでしょうね。
この映画の撮影のため、イギリス映画界は総力を結集し、湯水の如く資金を使用しました。
有名なエピソードでは、当時スペイン軍で稼働していた大戦中のドイツ戦闘機や爆撃機を全部買取って敵役としました。(パイロットも雇ったそうですよ!)
いったい、いくらかかったのでしょうね。
また、自国に残る当時の戦闘機をフル活用して、完全実写で撮影された空戦シーンは、CGに無い迫力があり航空機マニアや戦争映画マニアならずとも一見の価値がありますよ。
その映画の中で、ロバート・ショー演じるイギリス空軍の飛行隊長(?)他が着用していたレザージャケットが、とてもカッコ良かったですね。
今回のモデルは、そのジャケットになります。
材質からシープスキンジャケットとも呼ばれていますよ。
さてさて、それはどんなジャケットなのでしょうか?
今回は、イギリス軍マニアのみならず、ファッションリーダーのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
防寒性能を重視したため、内外にポケットはありません。
購入してそろそろ30年。各部にツヤが出てきましたよ。
背面
何枚かのシープスキンを貼り合わせて一着を作っています。
表革のカラー(処理)は、何種類かあるようですよ。
今回のモデルは、一番明るいタイプです。
前面裏側
ラウンジ「AYA」のママさんが、閉店後に着ている毛皮のコートみたいですね。
(誰?どこの店?)
背面裏側
見るからに暖かそうです。
前合わせはジッパーと裾のベルトです。
ジッパースライダーのタブは当時の物を再現していますが、現代のメーカー名を刻印。
良心的です。
複雑な構造のジッパー差込口
裾ベルトのバックル
ベルトは8段階に調整可能
袖口にはジッパーが。
脇の通気孔は、金属のハトメ付きで8個あります。
袖は立体裁断で、コクピットに座り、スティック(操縦桿)を持った時にしっくりくるようにデザインされています。
襟裏にはチンストラップとそれを留めるバックル
それに襟を立てるための黒ゴムストラップが忠実に再現されています。
袖のジッパーは、熱が逃げないような工夫がなされています。
タグ
メーカー名以外は、当時のタグを再現
さすがイギリスですね。
うなじ付近には、チェーンのループが。
着用例
第二次大戦中のドイツ空軍名指揮官であり撃墜王でもあるアドルフ・ガーランド。
イギリス空軍の捕虜パイロットから鹵獲したIRVINジャケットを着用しています。
(意外に似合っていますね!)
大戦中のイギリス空軍パイロット
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3 その特徴とは?
この種のジャケットは、防寒性能を高めるためボア側を内側にして、表革は耐候性を高めるためにコーティングを施している場合が多いですね。
今回のモデルも、羊毛を内側にして、表側はブラウンの塗料でコーティングされています。
デザインは、複数の革で一枚のジャケットが造られていますよ。
当時の官給品の中には、一部を小さい面積の革で縫製している場合がありますね。
(面積の小さい革も無駄にしていませんでした。)
特徴的なのは、ポケットが一切無いことです。
防寒に徹していますね。
特筆すべきは、襟裏の黒いゴムストラップです。
これは襟の後ろから額に引っ掛けて、襟を立てたままキープするためのものです。
珍しい装備ですね。
着丈が短いので、シープスキンジャケットの中では、動きやすいモデルになりますよ。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 イギリス
契約会社 イギリス
製造会社 〃
材 質 シープスキン
表記サイズ 40
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約67cm
肩幅 約56cm
身幅 約60cm
袖丈 約60cm
状 態 中古極上品
官民区分 民生品
入手場所 愛知県のデパート
入手難易度 2(やや困難)
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MORGAN MEMPHIS BELLE(モーガン メンフィスベル)RAF IRVIN イギリス空軍スタイル アービン ジャケット Brown
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5 まとめ
今回のモデルは、デパートで売れ残り値下げ(投げ売り?)されていた物です。
長らく蛍光灯の下にあったためでしょうか?襟が僅かに退色していました。
(それも「味」だと思って購入!)
半値以下になっていたので、お買い得品でしたが、何故誰も買わなかったのか今もって謎ですね。
(当時はアメリカ軍フライトジャケットがブームになっていた頃でしたので、見向きもされなかったのしょうか?)
それはともかく、実際に着用してみると、とても暖かいジャケットです。
風は通さないし、ボアが空気を沢山含んでくれるので、当然かもしれませんね。
ただバイクでは、首元に風が侵入するのと、ポケットが全く無いのが気になりました。
当時の着用例を見ると、セーターや制服の上に羽織っている場合が多いですね。
例えば、狭いスピットファイア戦闘機の中で、地図や書類はどこに格納していたのでしょうね?
(そんな使い勝手を見越してか、市販されている別のメーカーのモデルには、ハンドウォーマーも兼ねるポケットや内ポケットが追加された物もありますよ。)
何より、このジャケットは着用すると嬉しくなります。
(なかなか羊さんと一緒にバイクとか乗れないですよね!←モフモフ大好き中年!)
当時の官給品を忠実に再現した今回のモデル。
渋いです!大好きです!
今回のモデルの製造メーカーは、日本でリアル◯ッコイズや◯ズリクソンズなどの有名ブランドが立ち上がる遥か以前よりモデル品を製造していました。
伝統に裏打ちされた、確かな再現度は素晴らしいですね。
実は、このジャケットは現在も製造されていて、誰でも入手可能です。
サイズも各種ありますので、女性でも無問題ですよ。
問題は、価格です。
年々上昇している気がします。
購入はお早目に!
今回は、大戦中にイギリス軍が使用した、シープスキンフライトジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、モデル品も本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240129更新)
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参考:各国のレザーフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の第二次大戦装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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