今回は、1970年代のアメリカ空軍防寒トラウザースを分析します。
第二次大戦中の皮革製モデルから続く、ヘビーゾーン対応のトラウザースですが、シェルがオックスフォードのモデルですね。
より火気にに強くなりました。
中古品で破損もありますが、程度は良好ですよ!
目次
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1 アメリカ空軍防寒パイロットトラウザースF-1B(6284J)とは?
今もってなお、パイロットを含む空中勤務員の大敵は、風や上空の寒気ですね。
敵と戦う以前に、これにどう対処するか?
各国は熱心に研究を重ねてきました。
特に与圧や熱交換技術が未熟だった朝鮮戦争の頃までは、生死に直結した深刻な問題でしたね。
これに対しアメリカの回答は、電熱服とシープスキンジャケット&トラウザースの装備でした。
(羊さんを多用するのはリッチですね。)
さすがに現在では技術や素材が発達して、以前のような重装備は必要がなくなりましたね。
でも輸送機などは、まだ充分とは言えない機体があるようです。
今回のモデルは、主にそんな輸送機上で勤務するパイロットやロードマスター(空中輸送員)の為に開発された装備品(オーバーパンツ)になります。
シープスキンのトラウザースを現代の素材に置き換えたモデルといえますね。
通常、有名なN-2系やN-3系のヘビーゾーンフライトジャケットとペアで使用します。
さてさて、それはどんな防寒トラウザースなのでしょうか?
今回は、アメリカ軍パイロットマニアのみならず、完璧な防寒ズボンをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
シェルにツヤがありませんね。
背面
前面裏側
裏側の生地が色違いになっています。
背面裏側
前合わせはジッパーと一番上のダットファスナーです。
ウエスト背部の生地がやや上部に出ていますね。
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1978年度契約品です。
腰横のジッパー(左右にあります。)はポケットではなくスリットです。
腰前面のポケット
ダットファスナーで開閉
膝の補強生地は小判型
ウエスト部背面
サイズ調整用のストラップがあります。
バックルは金属製。
臀部にはおむすび型の補強生地あり。
サイズ調整用ストラップのアップ。
かっちり作られています。
臀部のポケット
こちらもダットファスナーで開閉。
裾は約半周がニットです。
でもジッパーもあって大きく開くことができますよ。
股の裏側は、独特の裁断
足首のジッパーは「General」で革タブ付き。
光って見えますが、全て黒染めです。
その他のジッパーも黒染めですね。
ダットファスナー表面
ダットファスナー裏側の刻印
サスペンダー用ボタン
横から見ると、厚みが分かりますね。
中綿がぎっしり入っています。
専用サスペンダーです。
トラウザースのボタンに取り付けます。
装着した状態(前面)
装着した状態(背面)
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3 その特徴とは?
シェルは、コットンとナイロンの混紡でオックスフォードと呼ばれているものです。
陸軍のM51パーカー(通称モッズパーカー)後期型と同じ生地ですね。
でもカラーは、セージグリーンです。
シェルとライニングとの間には、ポリエステルの中綿が内蔵されていますよ。
デザインは、シープスキン時代のモデルを受け継いでいますが、前面の腰から足首まであった通しのジッパーは廃止され、通常のトラウザースタイプになっていますね。
構成は、膝ポケット×2、ヒップポケット×2で、裾にはニットを配し、背面にはサイズ調整用のバックストラップがあります。
また腰サイドのジッパーは内側に着用しているフライトスーツのポケットを使用できるようにスリットになっていますね。
トラウザース上部には、複数のボタンがあって、専用のサスペンダーを装着できます。
足首にもジッパーがあって、大きく開くことできますよ。
これは、ブーツを履いたままでも着用し易いですね。
全体的な縫製は、やはりやや雑ですが強度は抜群の仕立てです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1978年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
ナイロン
ポリエステル
表記サイズ 36
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約111cm
ウエスト 約45cm
股上 約35cm
股下 約77cm
裾幅 約15cm
状 態 中古上品
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 1(容易)
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5 まとめ
私事ですが現在単身赴任中で、休日は自宅までの片道道約150kmをバイクで移動します。
(ちょっとしたツーリング感覚ですね❤️)
公共交通機関を利用するとバイクの約6倍以上の交通費が掛かるので、大きな節約といえます。
勿論真冬でも、道路事情が許す限りバイクで移動しますが、そのときに重宝するのが今回モデルです。
通常のライダースパンツ(デニム)の上にこのトラウザースを履くだけで、下半身の防寒は必要十分ですね。
実際の運用方法と同じくオーバーパンツとして使用していますが、ポケットもあって使い勝手は抜群です。
オックスフォード生地は、ナイロンより熱に強く、コットンより軽量なので、バイクでの使用にピッタリですね。
(同じモデルでも、シェルがナイロンのみ、コットンのみのモデルもあります。)
不意にマフラーに触れても、生地が大きく溶けることがありませんよ。
ただ、着込むとモコモコで、走ったり匍匐したりするのは、どうしても動きが鈍くなりますね。
(普通サバイバルゲームには使用しませんよね!)
ツーリングの他には、釣りや野鳥観測にも使えそうですよ。
狩猟には、待ち伏せ時(…という状況はあるのでしょうか?)に使えるかもしれませんね。
(獲物を追い立てるときは向いていません。着て動けば真冬でも大汗かきますよ。)
今回のモデルは、1978年製ですが、1990年代までの製造を確認しています。
まだまだ入手可能ですね。
パイロット装備ということで、やたら高値で販売しているショップがあります。
要注意です。
(そんなショップは無視しましょう!)
ネットでは比較的安価な場合が多いですよ。
サイズも各種あるので、女性でも安心です。
購入する場合は、程度とサイズを必ず確かめましょう。
(少しでも気になるところ(破損、修理、汚れ)があったら次を探しましょう。)
軍装備品にこだわる方は専門のサスペンダー購入もお忘れなく!
今回は、オックスフォード生地のアメリカ空軍防寒トラウザースを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20230911更新)
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参考:生地がナイロンのモデルに関する記事はこちらです。⬇︎
後継モデルで難燃生地製のモデルに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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