今回は、アメリカ軍の防寒パイロットトラウザーズを分析します。
以前は、生地がナイロンやオックスフォード(ナイロンとコットンの混紡)のF-1パイロットトラウザーズを分析しましたね。
今回のモデルは、それを更に改良したモデルになります。
保管上の汚れもありますが、今回のアイテムもデッドストックですよ!
目次
スポンサーリンク
スポンサーリンク
1 アメリカ軍防寒難燃パイロットトラウザーズCWU-18P(セージグリーン)とは?
輸送機内で活動する空中勤務員は、物量投下などで吹きさらしで勤務することが多く、特に冬場は専門の防寒装備が必要ですね。
これまで、アメリカ軍(特に空軍)は、各種防寒トラウザーズを開発、支給してきました。
参考:F-1B防寒トラウザーズ
ただ、過去のモデルは、シェルの記事がナイロンやオックスフォードまたはコットンだったりと、火気への対策が万全とは言い難いものでした。
既にパイロットスーツやフライトジャケットは、1970年代から難燃化が進められていて、遅ればせながら、防寒トラウザーズや防寒カバーオールにも徐々に難燃化が導入されるようになりました。
それが今回のモデルです。
当時のCWU-45PやCWU-36Pなどに使用されている材質が、そのまま使用されているようですね。
さてさて、それはどんな防寒トラウザーズなのでしょうか?
今回は、アメリカ軍パイロット装備マニアのみならず、最強の防寒着をお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはジッパーと ダットファスナーです。
タグ①
1979年度契約品です。
メーカーの社名が「ALAMO」って、あの「アラモ」でしょうか?
タグ②
膝ポケット
ダットファスナーで開閉
(初期型の生地なので、縦線が顕著に見えますね。)
左内股のナイフポケット
こんなナイフが装備されます。
膝の補強生地
腰のスリット
ヒップポケット
こちらもダットファスナーで開閉
臀部の丸い補強生地
ウエスト背面のサイズ調整ストラップ
金属製バックル付き
裾にはニットを装備
ふくらはぎ付近までジッパーで大きく開きます。
着用例
同年代のCWU-45Pとペアで。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
3 その特徴とは?
シェル、インナーライニング、ライニングとも全てアラミド(難燃繊維)製で、防寒能力と難燃性を両立させています。
特に表面の生地は、艶があって一種金属的な印象を受けます。
(この生地には、根強いマニアがいることでも有名ですね。)
デザインは、膝ポケット×3(ナイフポケットも含む)、ヒップポケット×2で、ウエスト背面にはサイズ調整ストラップがあります。
あと足首にニットがあって、冷気の侵入を防いでいますよ。
しかもふくらはぎくらいまで開くジッパーもあって、パイロットスーツやブーツを履いたままでも着脱は容易ですね。
勿論、ウエストには、サスペンダー用のループやボタンがあって、専用のサスペンダーを取り付けることができます。
(今回のモデルには、最初から付属していましたが、同じデッドストックでも付属していないものもあるようです。)
全体的な縫製は、少々雑な部分もありますが強度は十分です。
アメリカ軍アラミド衣料品は、メーカーで縫製が全く違う場合が多いですね。
今回のモデルは、股上が長いので、一つ上の(場合によっては二つ上)のサイズで丁度良い場合が多いです。
(股上が長く、身体の最細部分よりウエスト部分が上になるからですね。)
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1979年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 アラミド
表記サイズ 36
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
ウエスト 約48cm
股上 約37cm
股下 約80cm
裾幅 約15cm
着丈 約120cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 浜松の専門店
入手難易度 3(困難)
スポンサーリンク
【中古】U.S.AIR FORCE◆フライトジャケット/XL/ポリエステル/DLA100-87-C-0390/CWU-45P/87年製/汚れ有【メンズウェア】
スポンサーリンク
5 まとめ
生地をアラミドに変更したことで、より安全な防寒トラウザースになりました。
例え炎に晒されても、ナイロンのように瞬時に燃えたり溶けたりして、身体に張り付くことはなくなりました。
(急激に炭化して、火傷も最小限で済むようです。←くれぐれも実験しないでくださいね。)
また、薄いジャケットよりもインナーライニング(中綿)もあるので、断熱されているのも防火、防寒という意味でも良いですね。
まさに最強の防寒トラウザーズと言えます。
(今ブームの「冬キャンプ」では、安心・暖かな使えるアイテムですよ!)
ただ、
- 現在のところカラーはセージグリーンのみなので、地味であること。
- アラミド製なので、高価であること。
- 生産数が少ない=払い下げられる数量も少ないこと。
から、入手は意外に困難です。
数年前まで大手通販SHOPでも、商品ラインアップにあったのですが、現在は全て取り扱っていないようです。
探しているあなたは、ネットのオークションやフリマを確認してみましょう。
その場合は、生地の一部変色に要注意です。
何故なら、アラミドは紫外線(太陽や蛍光灯でも!)によって茶色く変色しやすいからです。
畳んでそのままだったりすると、露出している部分のみ変色して、少々見苦しくなっている個体があります。
(気長に待っていただけるなら、今回のモデルもネットオークションへ出品予定です。)
今回は、難燃繊維性のアメリカ軍防寒パイロットトラウザーズを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240227更新)
スポンサーリンク
スポンサーリンク
参考:他のアメリカ軍パイロットトラウザーズに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のパイロット装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
スポンサーリンク
スポンサーリンク