今回は、1970年代のオランダ陸軍HBT(ヘリンボーンツイル:杉綾織)ユニフォームを分析します。
ジャケットはアメリカ軍の影響が色濃く残るデザインですね。
でもオランダ軍独自の改良(?)点もありました。
中古ですが程度は良好ですよ!
目次
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1 オランダ陸軍HBTジャケット(ODタイプ)とは?
第二次大戦で国土をドイツ軍に蹂躙されたオランダ。
(植民地であったインドネシアでは、日本軍にボコボコにされましたね。)
戦後は何かとドイツとの距離を取るようになりました。
軍の装備品、特に個人装備は周辺のイギリス軍やフランス軍ましてやドイツ軍ではなく、助けてくれたアメリカ軍系の装備を採用しましたよ。
第二次大戦後、最初にオランダ軍が採用した迷彩服(空挺バージョン)⬇︎
アメリカ軍のダクハンター迷彩に似ていますね。
(J.F.Borsarello著「CAMOUFLAGE UNIFORMS of European and NATO Armies 1945 to the Present」より引用)
上の例は迷彩服ですが、その他の衣類も大きくアメリカ軍の影響を受けていますね。
今回のモデルは、そんなオランダ軍が開発・支給した単色ユニフォームになります。
なかなかリッチな生地が用いられている高級ジャケットですね。
さてさて、それはどんなユニフォームなのでしょうか?
今回は、オランダ軍装備マニアのみならず、通年で使える快適なジャケットをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
シャツ
前面
背面
前面裏側
背面裏側
襟周りレイアウト
前合わせはボタンのみ
タグ
1972年度契約品です。
(KLはKoninklijke Landmacht:王立陸軍の意味です。)
エポレット
テーパーなしのクサビ型
胸ポケット
ボタンで開閉
袖はテーパーとタック付き
袖口は3個のボタンで開閉
オランダ軍衣類は、袖に特徴がありますね。
ボタンもアメリカ軍系でODのプラスティック製
トラウザーズ
前面
背面
前面裏側
背面裏側
左右非対称デザインですね。
前合わせはボタンのみ。
タグ
シャツとトラウザーズは別々に入手したので、タグが違っていました。
1972年度契約品というのは同じですね。
黒地に黄色糸で刺繍。
右側面レイアウト
ヒップポケットに膝ポケットがオーバーラップしているのが特徴です。
ウエストサイズ調整タブとボタン
ベルトループ
ボタンで解放できる長いタイプ
ベルトループは、裏側までほぼ一周あります。
サスペンダー用ループも兼ねているのでしょうか?
ヒップポケット
右側のみ。
ヒップポケットの内側生地もHBT。
膝ポケット
2個のボタンで開閉
ポケットフラップのボタンホールは斜めに開いています。
これは使い易いですね。
裾
テーパー付き。
裾にはゴム丸紐を内蔵
表出しなのが珍しいですね。
ボタン大
濃いODのプラスティック製
ボタン小
イギリス軍系の皿型ですね。
こちらもODのプラスティック製
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3 その特徴とは?
生地はODに染められたHBT(ヘリンボーンツイル:杉綾織)で、やや厚めでとても丈夫ですね。
(リッチな生地と言えます。)
全体的なデザインは、アメリカ軍が第二次大戦中に支給した陸軍HBTユーティリティジャケットに似ていますね。
形状比較
今回のモデル
アメリカ陸軍HBTユーティリティージャケット
構成は、エポレット付き、胸ポケット×2で、とてもシンプルです。
面白いのは袖口で、3個のボタンで大きく開くデザインになっていますよ。
これは迅速に腕まくりできそうですね。
一方トラウザーズは、右ヒップポケット、左右膝ポケットで、ウエストにはサイズ調整タブがあります。
面白いのはベルトループで、とても長くほとんど一周しているところですね。
また、裾のゴム紐が表に出ているところも珍しいですね。
全体的な縫製は、丁寧かつ正確で、強度も十分です。
この時代のモデルには、カラーや仕様が僅かに違ったものがあるのも特徴ですね!
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1972年
製造場所 オランダ
契約会社 オランダ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 96–100
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
シャツ
着丈 約77cm
肩幅 約45cm
身幅 約59cm
袖丈 約62cm
トラウザーズ
ウエスト 約43cm
着丈 約110cm
股上 約36cm
股下 約79cm
裾幅 約21cm
状 態 中古良品
官民区分 官給品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 1(容易)
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5 まとめ
とてもシンプルなユニフォームですね。
生地はやや厚めなので、一年を通して使用できそうです。
夏は少々暑そうですが、ジャケットは前見頃のボタンを留めずに腕まくりをすればなんとか体温の上昇を防げそうです。
(冬は着込めば大丈夫ですよ。)
HBT生地は丈夫なので、長く愛用できるのも嬉しいところですね。
各種野外活動や、作業に打って付けですね。
カラーも軍物としてはオーソドックスなODなので、ファッションとしてのコーディネートも楽しめそうですよ!
着用例
Debit / Credit | Army jacket outfits, Shacket outfit, Fashion
このユニフォームも大手通販サイトでも取り扱われているので、いつでもどこでも誰にでも購入できます。
しかし最近は少々お高くなっていますね。😅
購入する場合は、必ず状態や実寸を確認しましょう。
(オランダ軍物は、使い古したもの(ボロボロ)が紛れ込んでいる場合があります。)
またカラーにも誤差があるので、できれば実際に店舗などで試着することをお勧めします。
さて、この使えるHBTユニフォームですが、後に生地とカラーが変更されました。
よりオランダ色を強めたモデルになりましたが、その話はまたいつか…😃
今回は、戦後オランダ陸軍の古い単色のHBTジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20231203更新)
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参考:今回のモデルが参考にしたアメリカ軍HBTジャケットに関する生地はこちらです。⬇︎
他のオランダ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎www.military-spec-an.com
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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