今回は、1960年代のフランス陸軍Vネックセーターを分析します。
おそらくサービスドレス(制服)関連の衣類だと思われます。
でもよく回っているモデルとは、一部で違う箇所がありました。
もしかしたら…?
まさかのデッドストックですよ!
目次
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1 フランス陸軍Vネックセーター(OD)とは?
軍用セーターは言うに及ばず民生品のセーターにおいても、その襟の形状に着目すると大きく以下の3タイプに分けることができます。
それは、
- タートルネック
- ラウンドまたはクルーネック(丸首)
- Vネック
です。
中でも「Vネックセーター」は、他のデザインのセーターに比べて防寒性能はやや劣りますが、シャツの襟をセーターの上に出したり、ネクタイをしてサービスドレス(制服)と一緒に着用されることが多いですね。
特にイギリスやフランスなどでは、ジャケット(迷彩服でも)の上にシャツの襟を出す文化(?)があり、こういった国においては重宝されるセーターと言えるでしょう。
今回のモデルは、そんなフランス軍が1960年代に支給した「Vネックセーター」になります。
フランス軍の「Vネックセーター」は、各年代でいくつかタイプがありますが、今回のモデルは1950年代開発との説もありますね。
さてさて、それはどんな「Vネックセーター」なのでしょうか?
今回はフランス軍装備マニアのみならず、カッターシャツの上にも着られる落ち着いたセーターをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
前面裏側
背面裏側
襟周り
Vネックと呼ばれる襟が特徴ですね。
襟のニット
胴体とは別パーツで後から縫い付けられています。
タグ①
勿論フランス語ですが、サイズ表記が数字1桁というのが疑問点ですね。
タグ②
これはフランス陸軍ウールシャツと同じものですね。
後のモデルと違って、編み目が小さく前見頃中央には3本のストライプがあるのが特徴です。
袖
ほぼストレートですね。
袖ニット
別パーツではなく、織り方を変えています。
腰ニット
こちらも袖ニットと同様ですね。
肩のステッチ
後方へ回り込んでいます。
袖付け根
肩口裏側の補強生地
袖と胴体は別パーツで製造され、後で縫い付けられていますね。
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3 その特徴とは?
ウール生地は、茶色味の強いODに染められたやや細めの毛糸で編まれていて、見た目より軽量です。
ある程度の伸縮性もありますよ。
襟、袖は別に製造されて後で胴体に縫い付けられています。
(胴体も前後2枚の生地を縫い合わせていますね。)
前見頃に3本のストライプがあるので識別は容易ですね。
袖と腰は細めに織り方を変えてあり、閉まって冷気の侵入を防ぐようになっています。
今回のモデルで面白いのはサイズタグで、当時のフランス軍にはあまり例のない表記方法となっています。
それゆえ「ベルギー軍用」と解釈しているSHOPのあるみたいですね。
全体的な縫製は、とても正確かつ丁寧でフランス軍に共通する上質な仕立といえます。
4 製造とサイズのデータ
製造・契約年度 1960年代
製造場所 フランス
契約会社 フランス
製造会社 〃
材 質 ウール
コットン
表記サイズ 3
(日本人のM)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約45cm
着丈 約56cm
身幅 約43cm
袖丈 約55cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 愛媛の専門店
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
今回のモデルのサイズは、表記サイズが「3」で、シリーズの中では小さいサイズになります。
それでも伸縮性がありますので、普段アメリカ軍の「M」または「40(インチ)」を着用している私でもなんとか着用できましたよ。
(タイトではありますが…😅)
Vネックなので下に着たシャツと合わせてファッションにも幅をもたすことができますね。
落ち着いたカラーも魅力的です。
1960年代のフランス軍リエナクトには当然使用できますし、ファッションにも最適ですね。
また襟の形は違いますが、アメリカ軍が第二次大戦中航空兵用に支給したA-1セーターの代替品に使用できなくもなさそうです。
(あくまで雰囲気の再現…ということで。😅)
第二次大戦中のアメリカ陸軍航空隊A-1セーター
ところで今回のモデルは、使用期間が短かったのでしょうか?
SHOPでもあまり見かけませんね。
それでも現在、辛うじて大手通販サイトでも取り扱われているので入手はなんとか可能ですよ。
数が少ないので探しているあなたは早めの購入をお勧めします。
私はもっと後の時代の同軍Vネックセーターの購入を画策(書き方!)したいと思います。
今回は古いフランス陸軍のVネックセーターを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20240506更新)
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参考:各国軍のVネックセーターに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のコマンドセーターに関する特集記事はこちらです。⬇︎
他のフランス軍装備に関する生地はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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