今回は、1980年代のスペイン陸軍迷彩ユニフォームを分析します。
一般兵科用で、以前分析した山岳兵用迷彩ジャケットの色違いですね。
複雑な迷彩は、日本でも効果がありそうです。
奇跡(?)のデッドストックですよ!
目次
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1 スペイン陸軍迷彩ユニフォーム(一般兵科用・PX品?)とは?
今回のモデルを初めて見たのは、1980年代のミリタリー専門誌「Cマガジン』内でした。
スペインはセトメ社の軽機関銃(MG42のスケールダウンモデル)の特集記事の中で、銃を操作する兵士(オジサン)が着用していました。
あまり見かけない迷彩だったので、思わず一目惚れしてしまいました。💕
以来なんとか入手しようと画策し、約20年後に入手したのが今回のモデルです。
口では表現できない迷彩パターンが魅力ですね。
スペイン内乱以来、何かとドイツと近しいスペイン。
あるいは迷彩も、当初はドイツの影響を受けていたのかもしれない…そんな予感のする迷彩服ですね。
さてさて、それはどんな迷彩ユニフォームなのでしょうか?
今回はスペイン軍装備マニアのみならず、迷彩服コレクション初心者のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
ジャケット
前面
背面
前面裏側
背面裏側
襟周レイアウト
前合わせはポケット横のボタンとマジックテープですが、テープが強力で迅速に開けることができません。😅
タグ
サイズ表記は英語です。
PX品でしょうか?
エポレット
テーパーなしのクサビ型です。
太く短いタイプ
ボタンで開閉
胸ポケット
マジックテープで開閉
こちらも強力なテープです!
袖ポケット
ボタンで開閉
袖
ほぼストレートです。
肘の補強生地
同心楕円状に何本ものステッチ。
袖口はボタンで開閉
マチはなく、大きく開放することができます。
裾のスリット
ボタン
オリーブグリーンのプラスティック製
イギリス軍系の皿型です。
袖の取り付け部
独特の裁断ですね。
トラウザーズ
前面
背面
前面裏側
背面裏側
ウエスト周辺
ベルトループはイギリス軍タイプで、ボタンで開閉できます。
ピストルベルト(弾帯)用ですね。
前合わせはボタンのみです。
ウエスト背面裏側にはサイズを調整するためのゴム製ストラップあり。
でも、このままではサイズ調整できないように見えますね。
トラウザーズのタグ
右側面レイアウト
迷彩効果でよくわかりませんが、ポケットは全てパッチポケットです。
ウエスト側面
ベルトループは5本
腰ポケット
4個のボタンで開閉
おそらくポケット容量に応じてボタンの留める位置を変えられる工夫と思いますが、ボタンを全部留めてしまうと、開閉に時間がかかりますね。
膝ポケット
こちらもボタンで開閉
ボタンホールが45度に傾いていて、ボタンを外しやすいですね。
各ポケットにはマチがありますが、下端は約45の角度で短く縫い付けられています。
股間の補強生地
生地の端末は無加工でした。
裾には平ゴムが縫い付けられていました。
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3 その特徴とは?
迷彩は、タンの生地に濃淡二色のグリーン、ハルレッド、ブラックを用いて、タンを塗り残すように雲型、アメーバ型などを描いています。
山岳兵用が全体的に茶色味が強かったのに対し、今回のモデルは緑味が強いのが特徴ですね。
迷彩パターンの一部は、旧ドイツ軍の「ライバーマスター迷彩」を彷彿させるものがありますね。
ドイツ軍「ライバーマスター」迷彩
(テント生地)
ホビージャパン発行「GERMAN CAMOFLAGE UNIFORMS 1937▶︎1945 第二次大戦ドイツ迷彩服」より引用
迷彩パターンの間隔も広く、かなり考えて造られた迷彩パターンのようです。
今回のモデルの迷彩パターンと色調
生地は、コットンとポリエステルの混紡ツイルで、現時点では固く肌触りも良くありません。
(おそらく洗濯によって着やすくなる様です。)
デザインは、ジャケットが開襟、エポレット付き、胸ポケット×2、袖ポケットで、トラウザーズが腰ポケット×2、膝側面ポケット×2で、ポケットは全てパッチポケットです。
面白いのはトラウザーズのベルトループ及びボタンで、イギリス軍のトラウザーズに似たデザインを採用していますね。
全体的な縫製は、雑で強度も足りないようです。
もっともスペイン軍スタンダードな仕立てではありますが…。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 不明
契約会社 スペイン
製造会社 不明
材 質 コットン
表記サイズ 2
(日本人のXXL)
各部のサイズ(平置)
ジャケット
着丈 約75cm
肩幅 約50cm
身幅 約61cm
袖丈 約60cm
トラウザーズ
ウエスト 約45cm
着丈 約100cm
股上 約31cm
股下 約71cm
裾幅 約19cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品?
入手場所 東京の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
衣類としての質はともかく、なかなか魅力的な迷彩ですね。
コレクションの中でも一際目立つこと請け合いです。
物の本によると、細かい迷彩パターンは、人間のみならず野生動物…特に鳥類に効果があるとか?
もしかしたら対人以外にも野鳥観測などに抜いている迷彩服かもしれませんね。
しかし、1980年代当時から現在に至るまで、この迷彩服は入手困難です。
スペイン軍はこの迷彩ユニフォームの後に、アメリカ軍のブラウンリーフパターンに似た迷彩を採用しました。
概ね1990年代でしたでしょうか?
アメリカ軍を主体とする「多国籍軍」が湾岸戦争で大勝利を得た時期でもあります。
スペイン軍も他国にもれず「虎の威を借る狐」のように、強い軍隊に擬態していったのかも。
自国のオリジナル迷彩が軽んじられるのは時代かも知れませんが惜しいことですね。
それはともかく、今回のモデルも含めたこの迷彩アイテムは入手困難です。
それでもセットではなく単品(例えばジャケットのみとか…)なら、数年に一回程度国内のオークションに出品されますね。
探しているあなたは、国内外のオークションを覗いてみましょう!
私は、存在は不明ですが同迷彩のフィールドジャケットやキャップを探してみたいと思います。
今回はスペイン軍の少し古い迷彩ユニフォームを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20240218更新)
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参考:スペイン軍の装備関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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