こんにちは!
今回は、スペイン軍の迷彩服を分析します。
とても有名かつ希少なモデルで、一部のマニアにとても人気があります。
原型は、あの迷彩だと思われます。
目次
- 1 スペイン陸軍山岳兵用迷彩ジャケットとは?
- 2 スペイン陸軍山岳兵用迷彩ジャケットの全体及び細部写真
- 3 スペイン陸軍山岳兵用迷彩ジャケットの特徴とは?
- 4 スペイン陸軍山岳兵用迷彩ジャケットの製造とサイズのデータ
- 5 スペイン陸軍山岳兵用迷彩ジャケットまとめ
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1 スペイン陸軍山岳兵用迷彩ジャケットとは?
かつての大航海時代に、南米インカの富を喰らい尽くし、栄華を極めたスペイン。
現在ではヨーロッパでも貧乏な国になっていますね。
まさに盛者必衰そのものです。
スペイン内乱では、ドイツの支援を受けた独裁者フランコ将軍が勝利したことから、当初の軍装備品は殆どドイツ系でした。
中でも戦闘機や爆撃機は、1960年代まで旧ドイツ軍のレシプロ機(ガソリンエンジンのプロペラ機)を使用していましたね。
(世界はジェット戦闘機、爆撃機の時代にですよ!)
そこに目をつけたイギリスが、「空軍大戦略(英名「バトル・オブ・ブリテン」)という映画を撮影するため、スペイン軍の古い航空機を全部買い取りました。
そのお金で、やっと近代的なジェット戦闘機を購入できた…というのは有名な話ですね。
個人装備もドイツ系でした。
でも大戦後は、ドイツを基本としながらも周辺の国やアメリカを参考に装備を整えてきましたよ。
今回のモデルは、そんな1960年代から1980年代まで使用された迷彩服です。
ドイツの影が見え隠れしているように感じます。
さて、どんな迷彩服なのでしょうか?
早速、確認していきましょう!
2 スペイン陸軍山岳兵用迷彩ジャケットの全体及び細部写真
前面
複雑な迷彩ですね。
海外では「ジグソーパターン」と呼ばれていますね。
背面
前面裏側
ライナー用のボタンはありません。
背面裏側
迷彩は全く透けていません。
前合わせはボタンのみです。
襟は開襟で、チンストラップやフード用のボタンなどはありません。
脇の裁断が変わっていますね。
左胸ポケット
マジックテープで開閉
めちゃくちゃ強力です。現時点では片手で開けられません。
右胸ポケット
マジックテープで開閉ですが、ポケット側のマジックテープの中央にはボタンが。
袖はボタンで開閉しますが、大きく開いています。
袖口には、4本のタックが入っています。
各部に使用されているボタン
脇のデザイン
裾のスキャット…ではなくてスリット
エポレット
テーパー無しのクサビタイプです。
今回のモデルには、最初から刺繍がありました。
階級章でしょうか?
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3 スペイン陸軍山岳兵用迷彩ジャケットの特徴とは?
迷彩ですが、ベージュの生地に、その一部を塗り残すようにライトブラウンでベースをプリントし、その上からディープグリーン、グリーン、レッドブラウンで、浅瀬に漂う海藻のような(表現力の無さ!)パターンを沢山描いています。
そして、各色は重なり合って別の色となり、とても複雑な迷彩パターンを構成していますよ。
(意図的にそうしたでしょうか?)
部分的に旧ドイツ軍が採用したライバーマスターに近いパターンも存在しています。
ドイツとの繋がりを考えると、偶然とは思えません。
ライバーマスターの影響を受けているのではないでしょうか?(私見)
生地は一般的なコットンツイルでやや厚めです。
今回のモデルは、デッドストックなのでゴワゴワしていますね。
デザインは、エポレット付き2ポケットのシャツタイプですが、襟は開襟です。
また、袖口は通常の状態で大きく開いていますよ。
腕まくりし易いようにとの配慮でしょうか?
今回は、山岳兵用でしたが、デザインや色調の違う一般兵科用、砂漠用迷彩のモデルもありますよ。
4 スペイン陸軍山岳兵用迷彩ジャケットの製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 1980年代
・製造場所 スペイン
・契約会社 スペイン
・製造会社 〃
・材質 コットン
・表記サイズ 表記無し
・各部のサイズ(平置)
着丈 約80センチ
肩幅 約52センチ
身幅 約62センチ
袖丈 約63センチ
・状態 デッドストック
・官民区分 官給品
・入手場所 ヤフオク
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5 スペイン陸軍山岳兵用迷彩ジャケットまとめ
複雑ですが、全体的に明るい迷彩ですね。
森林の多い日本のフィールドでは逆に目立つかもしれません。
(おそらく停止間でも。)
そこを逆手にとって、シティカモフラージュとして人工物で作ったサバイバルゲームフィールドで使用してみるのはどうでしょう?
細かい迷彩なので、野鳥観測にも使えそう…な気がします。
この迷彩服も問題は入手です。
マニアに人気の迷彩服なので、数がとても少ないです。
日本では1980年代のミリタリー雑誌で、この迷彩パターンの一般兵科用戦闘服が取り上げられました。
スペイン軍が採用しているセトメの軽機関銃(ドイツMG42の5.56mm版)の特集記事で、銃を操作している兵士が着用していましたね。
以来、入荷しては即売の状態が続いているようです。
これはオークションでも同じですね。
じつは、スペイン軍は1980年代から新しい迷彩服を採用していて、今回のモデルは廃止されたようです。
今後さらに数が減って行く見込みです。
見つけたら全力で保護してあげましょう!
今回は、スペイン軍の迷彩服を分析しました。
次回は、ロシア軍のPX品に相当する迷彩服を分析します。
有名な迷彩パターンですよ。
お楽しみに!
参考:旧ドイツ軍武装親衛隊ライバーマスター迷彩の影響を受けたと思われる迷彩服はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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