今回は、1980年代のタイ王国軍海兵隊迷彩ユニフォームを分析します。
いわゆるタイガーストライプなのですが、一般的(?)なものと色調が大きく違っています。
その色調は、ある意味「ダーク・タイガーストライプ」とも言えますね。
上下で生地色が違っていますが、デッドストックですよ!
目次
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1 タイ王国陸軍迷彩ユニフォーム(タイガーストライプ・2トーン)とは?
ベトナム戦争中に旧南ベトナムで開発されたタイガーストライプ。
じつはアジアの各国でも類似品が多く製造されました。
高品質で兵士に大人気だった日本製をはじめ、台湾、韓国、そして今回のタイ王国でも製造されましたね。
これらは当時の南ベトナムに送られ、南ベトナム軍やアメリカ軍の将兵に使用されました。
そのうち、台湾とタイ王国は実際に自国の軍隊用に採用・支給しました。
今回のモデルは、そんなタイ王国軍海兵隊のタイガーストライプユニフォームになります。
独特の配色は、日本でも効果に定評がありますね。
今回は偶然ですが、上下で違うメーカーの製品でした。
僅かながら迷彩の色調が違うため「一粒で二度美味しい」仕立てと言えます。
さてさて、それはどんなタイガーストライプ迷彩ユニフォームなのでしょうか?
今回は、タイガーストライプファンのみならず、迷彩服コレクション初心者のあなたと一緒に確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
ジャケット
前面
迷彩は、ハイライト以外の明度差がほとんど無いため、三色迷彩に見えますね。
迷彩の影響でポケットの位置がよくわかりません。
背面
迷彩パターンはタイ王国オリジナルです。
前面裏側
生地が薄いので、殆ど裏に透けていますね。
背面裏側
襟周りレイアウト
前合わせはボタンのみ
タグ
何かのスタンプ
検査印でしょうか?
胸ポケット
ボタンで開閉
アメリカ軍ジャングルファーティーグのように角度が付いていますね。
(ポケット中央にプリーツもあります。)
腰ポケット
こちらもボタンで開閉
左胸ポケットフラップにはスリットあり。
何故か左胸ポケットの左側にサイズタグ
袖
立体裁断ですね。
袖口はボタンで開閉・調整
ボタンはアメリカ軍BDUタイプですが、表面が粗くやすりがけされて艶消しになっています。
トラウザーズ
前面
ジャケットと違ってハイライトが青みがかっていて面白いですね。
でもやはり三色迷彩に見えます。
背面
前面裏側
同じ薄い生地なのですが、迷彩はジャケットほど裏側に透けていませんね。
背面裏側
前合わせはジッパーとボタンです。
タグ
ジャケットより後の時代の製品でしょうか?
もしかしたらPX品なのかもしれませんね。
左側面レイアウト
ウエストの調整タブ
ナイロン製で金属製バックル
腰スラントポケット
ヒップポケット
ボタンで開閉
何故かサイズタグが表に出ていますね。
膝カーゴポケット
ボタンで開閉
ポケットフラップの前部は縫い付けられています。
裾
ややテーパーが付いています。
裾にはドローコードを内蔵
出口はボタンホールタイプ
ジッパー
刻印は「SCZ」
ボタン
こちらは全面的にされています。
形状もジャケットと違っていますね。
やはり表面ポケットにあるサイズタグ。
せっかくの迷彩が台無し?
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3 その特徴とは?
迷彩は、ライトグレイ(トラウザーズはミントグリーン)ブラック、ブラックグリーン、マホガニーブラウンを用いて、ライトグレイの生地を塗り残すように、植物のつるや葉、水滴などのパターンを描いています。
配色はともかく、ブラックのストライプが「虎縞」に見えることから、ターガーストライプと呼ばれています。
でもタイ王国のモデルは、グリーン、ブラウンの色調が暗く明度差もないので、遠目にはブラック、グリーン、ライトグレイの三色迷彩に見えるのが特徴です。
今回のモデルは、ベースとなる生地色が上下で違っているので、最終的な色調も少々違って見えますね。
生地はコットンの薄いリッストップで、通気性が良く丈夫です。
現時点(デッドストック)では、少々硬くガサガサしていますが、洗濯を繰り返すことで柔くなってきます。
デザインは、全体t期にはアメリカ軍がベトナム戦争中に支給したトロピカルコンバットユニフォーム(通称:ジャングルファーティーグ)の3rdを参考にしているようです。
構成は、ジャケットがエポレットなし、胸ポケット×2、腰ポケット×2のコートタイプ。
トラウザーズが、腰スラントポケット×2、ヒップポケット×2、膝カーゴポケット×2です。
(ジャングルファーティーグ3rdのように、膝カーゴポケット内の小ポケットは省略されています。)
全体的な縫製は、少々雑で強度もやや足りないようです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年
製造場所 タイ王国
契約会社 タイ王国
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ M
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
ジャケット
着丈 約72cm
肩幅 約46cm
身幅 約55cm
袖丈 約58cm
トラウザーズ
着丈 約43cm
股上 約33cm
股下 約72cm
裾幅 約24cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品(上)
民生品(下)
入手場所 ヤフオク
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
ダークタイガーもしくはブラックタイガー(海老ではありません!)とも言えるこの暗い色調の迷彩は、日本の森林における日陰で絶大な効果があるという情報があります。
ましてやタイ王国の熱帯雨林の中では、見つけるのが困難でしょうね。
…そういえば、同じく海兵隊でタイガーストライプを採用している台湾軍のyにフォームも、似たような色調でした。
カラーの剪定には、共通する何か…があったのかも🤔
ところで今回のモデルですが、生地が薄く夏用なので夏季のサバイバルゲーム、狩猟、野鳥観測などに使えそうですね。
ただ、このモデルも最近見掛けません。
1990年代にさる専門誌で紹介された数年は多くのショップで取り扱っていましたが、さすがに現在では数が減っているようです。
でも東南アジアに強いショップ(例えば大阪のC店とか…)なら、あるいは入荷しているかもしれません。
(ジャケットのポケットがアメリカ軍BDUタイプでよく似た色調のモデル品なら、辛うじて大手通販サイトで入手可能ですよ。)
タイ王国軍海兵隊は、現在新型のデジタル迷彩に更新されているので、今回のモデルは用途廃止になっているはずです。
探しているあなたは、諦めず手を尽くしてみましょう!
(例によって、今回のモデルも終活で後日オークションに出品予定です!もうしばらくお待ちください!)
私は、官給品のトラウザーズとブーニーハットを探してみたいと思います。
今回は、タイ王国軍海兵隊の暗いタイガーストライプ迷彩ユニフォームを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20231025更新)
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参考:他のタイ王国軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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