今回は、1980年代のイギリス空軍パイロットスーツを分析します。
何処かで見たことのあるカラーと材質ですが、デザインは独特ですね。
おそらく見た目のカッコ良さを追求したのでは?
…でも、このスーツをカッコ良いと思うか、思わないかは、貴方次第です!
中古品ですが程度は極上ですよ!
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目次
1 イギリス空軍パイロットスーツ(Mk.14A)とは?
第二次大戦初期のいわゆる「バトル・オブ・ブリテン」で、数に勝るドイツ空軍の進撃を食い止めたイギリス空軍(RAF)。
しかし、その後のドイツ本土爆撃では、爆撃機の被害を恐れて夜間爆撃のみを実施。
(昼間爆撃は、アメリカ軍が担当)
しかも、わざわざ避難民で溢れている都市を選んで爆撃するなど、英国人のずる賢さと残忍さを代表する空軍になってしまいました。
戦後は、イギリスが航空業界の拡張に失敗、それに続くポンコツ軍用機の量産などにより、イギリスとイギリス空軍は世界の趨勢から取り残されていきます。
イギリス空軍に何があったのでしょうね?
現在もなお、戦闘機の国産開発はできておらず、トーネードもタイフーン(?機名が悪い?)もヨーロッパ諸国との共同開発に甘んじています。
(ただし航空機用エンジンの開発は世界でもトップクラスですね。)
そんなイギリス空軍のパイロット装備は、アメリカ軍の合理的な装備を見慣れた日本のマニアには、奇異に感じる物が多いですね。
被ると重くて自由に顔の向きを変えられないヘルメット、第二次大戦中のレザージャケットのデザインを基にしたフライトジャケット等々…。
なんかよくわからないです。
今回のパイロットスーツも、必要性の有無を考えざるを得ないデザインや装備がありますよ。
さてさて、それはどんなパイロットスーツなのでしょうか?
今回はイギリス軍装備マニアのみならず、世界のパイロット装備をコレクションしているあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面全体
前面上半身
前面下半身
背面全体
背面上半身
背面下半身
前面裏側上半身
前面裏側下半身
背面裏側上半身
背面裏側下半身
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襟は一般のスーツやブレザーみたいなデザインです。
チンストラップやタブはなくて、どうやら開襟のまま使用するようですね。
エポレットはスクエアタイプでマジックテープで開閉します。
ジッパーはDPMスモックにも使用されていいる「NZ」製
前身頃には6個の ダットファスナーが設けられています。
用途は?
胸ポケットは角度が付いていて、ジッパーで開閉。
腰のスラッシュポケット
膝のパッチポケット
ふくらはぎのマチ付きパッチポケット
前合わせは、上下から開くダブルジッパーです。
腰のスラッシュポケットには、 マジックテープで開放するスリットがあります。
その部分にはホワイトのコットンで力布が準備されています。
膝ポケットはとても複雑で、上部が マジックテープで開閉(一番下のコンパートメント)
膝内側もマジックテープで開閉(一番上のコンパートメントです。)
地図や書類を入れるためでしょうか?開放されています。
外側には2本のペンポケットも!
下部もマジックテープで開閉(真ん中のコンパートメント)
用途不明のマジックテープが中にあります。
都合、この膝ポケットはペンポケットも含めると5個のポケット集合体になります。
裾のパッチポケットもマジックテープで開閉
フルレンジでとても強力です。
足首はジッパーで開閉できます。
ダメ押しで、 マジックテープのタブも付属
左袖のペンポケット
袖口はマジックテープで開閉・調整
ウエストにもサイズ調整タブがありますが、調整量は少ないです。
襟裏にはステンシルで何か記入されていました。
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3 その特徴とは?
生地はODのノーメックス(難燃ナイロン)で、アメリカ軍のCVCカバーオールやジャケットに酷似しています。
何か情報共有とか、生地をアメリカに注文したとかいう経緯があったのでしょうか?
薄くて通気性が抜群です。
各ジッパーの裏側にはちゃんと当て布がありますね。
(これでジッパーが熱くなっても安心です。)
デザインは、イギリス軍独特のスーツのような襟を持つタイプで、下半身にポケットを集中させています。
特に膝前面のポケットは、とても凝った造りで、ここまでする必要性があるのか疑問ですね。
おそらく長らく空軍を保有しているので、独特のノウハウというか、技術の蓄積があるのでしょう!
(形式番号が、Mk.14というのもイギリス軍らしいですね。つまり14番目のパイロットスーツなのでしょうか?)
全体的な縫製は、正確かつ丁寧で、イギリス軍らしい上質な仕立てです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 イギリス
契約会社 イギリス
製造会社 〃
材 質 ノーメックス
(難燃ナイロン)
表記サイズ 3
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約142cm
肩幅 約49cm
身幅 約58cm
袖丈 約56cm
ウエスト 約44cm
股下 約63cm
裾幅 約21cm
状 態 中古上品
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
今回のモデルで、どうしてもわからないのは、襟の処理です。
何故この襟を採用したのか?
サバイバルベストやライフプリサーバーなどから首を守るためのものでしょうか?
少なくとも防寒目的ではなさそうですね。
襟に疑問は残りますが、その他に関しては変わったデザインではなく、普通に使えそうですよ。
実際に着てみた印象は、肌触りなどはCVCカバーオールに似ていますね。
通気性は良いですが、一種のナイロンですので繊維に吸湿性がないのも同じですね。
とはいえ、真夏のツーリング、サバイバルゲーム 、キャンプなどに使えそうです。
特に膝ポケットは、(おそらくパイロットもそうだと思いますが)地図などを入れてたまま見ることができるので、応用すれば意外と使い道があるかもしれません。
さて、このパイロットスーツですが、いくつかタイプがあるようですね。
最近では、もっとグリーン系カラーのモデルも見たことがあります。
まだまだ新しいスーツですので、今でも極上品が入手可能ですよ。
ただ、やはりパイロット装備なので、プレミア価格で販売しているSHOPもあります。
注意してくださいね。
今回は、イギリス空軍のちょっと前のパイロットスーツを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240305更新)
参考:他のイギリス軍パイロット装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のパイロットスーツに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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