今回は、1990年代のアメリカ陸軍エアクルーサバイバルベストを分析します。
アメリカ空軍パイロットサバイバルベストSRU-21Pと双璧をなすベストですね。
でも陸軍の独自装備なんです。
一部焼損がありますが、程度は極上ですよ!
目次
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1 アメリカ陸軍エアクルー・サバイバルベスト(1995年・OD)とは?
現在の軍パイロットなどのエアクルーのみならず、釣り人や写真家、果ては大阪の中年男性(いわゆるオッチャン)にも御用達のメッシュベスト。
昨今では一部の歩兵装備にも取り入れられていますね。
アメリカ軍では、第二次大戦中からパイロット用として数種類のベスト(サバイバルベスト)が開発されていました。
中でも有名なのは、アメリカ空軍のSRU-21Pと呼ばれるもので、これは以前当ブログでも取り上げましたね。
しかし今回のモデルは、アメリカ陸軍が採用したモデルになります。
空軍のように型式番号はありませんが、その機能は何らSRU-21Pと変わりませんね。
でもそこは陸軍。
独自のこだわりがありましたよ。
さてさて、それはどんなサバイバルベストなのでしょうか?
今回は、アメリカ陸軍装備マニアのみならず、パイロット装備コレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
デザインはSRU-21Pに似ていますね。
カラーがOD(オリーブドラブ)で「陸軍」していますよ。
背面
ジッパースライダー
ブラスで無刻印。
裏側
腹部前面の薄いポケットに注意。
右側ポケット類
配置もSRU-21Pに似ています。
左胸ポケット及び腰ポケット
右背面ポケット
マジックテープで開閉
右前面胸ポケット
マジックテープで開閉
右胸中段ポケット
こちらもマジックテープで開閉
右前部腰ポケット
こちらはジッパーで開閉
ジッパーは黒染めの「SCOVILL」
右側面ポケット
薄いですがマジックテープで開閉
(SRU-21Pは左側にありましたね。)
縦長のパウチ
ジッパーで開閉。
内側のポケット
マジックテープで開閉。
背面にはマジックテープと紐で身幅を調整できます。
(紐の通し方や結び方が、前オーナー(兵士)の性格を表していますね。)
所々ある変色は、紫外線によるものですね。
タグ
1994年度契約品です。
タバコを落としたのでしょうか?
焼損した跡。
でも、ナイロンのように一瞬で大穴があくということはありません。
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3 その特徴とは?
生地はセージグリーン…ではなくOD(オリーブドラブ)で、ポケットなどは同じく陸軍のエアクルージャケットやCVCジャケットに似たものですね。
全てノーメックス(難燃ナイロン)製です。
デザインは、空軍のSRU-21Pに似ていますが、最初から所定の位置に同じポケットが縫い付けられているようです。
デザイン比較
今回のモデル前面
空軍SRU-21P
今回のモデル背面
空軍SRU-21P背面
構成は、前面に大小ポケット×5、右側面ポケット×3、内ポケット×2です。
勿論背面にはマジックテープとコードで身幅を調整できるのもSRU-21Pと同様ですね。
全体的な縫製は、意外に丁寧かつ正確で、アメリカ軍らしくない仕立てです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1994年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 ノーメックス
表記サイズ L
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約57cm
肩幅 約41cm
身幅 約56cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
空軍SRU-21Pサバイバルベストを原型とした(…と思われる)今回のモデルも、狭い航空機のコクピット内での使用を前提としてデザインされていますね。
そのためSRU-21P同様、とても便利なベストと言えます。
しかし今回のモデルに関しては、使用期間が短かったようですね。
何故でしょう?
これは私見ですが、アメリカ陸軍の航空機はヘリコプターが主体です。
滑走路を持たず、垂直離着陸が可能なヘリコプターは、作戦上固定翼機より柔軟な運用が可能でした。
しかしより低空を飛行するため、敵歩兵の携帯地対空ミサイル、ロケットランチャー果ては小銃や拳銃の弾幕内に入り、撃墜されることも多かったですね。
(例:映画「ブラックホークダウン」「戦火の勇気」など。)
ヘリコプターが撃墜されるとパイロットといえども、武器を携行し地上戦闘を余儀なくされます。
その場合、今回のモデルでは各種ポケットの容量が明らかに不足していますね。
元々原型のSRU-21Pは、必要最小限のサバイバルギアを装備して、緊急脱出後から救助までの短期間を生き抜くためのベストでした。
でも陸軍ではさらなる機能と容量が必要だったようです。
(弾薬運搬も考慮した大容量のポケット、対弾性、吊り下げなどの機能)
だからでしょうか?
後に全く違うコンセプトのサバイバルベストを数種類採用していますね。
それはともかく今回のモデルは、機能的に空軍のSRU-21Pとなんら変わることがありませんので、日常生活でもあらゆるシーンで使用できそうですね。
1990年代のアメリカ陸軍再現以外でもキャンプ、釣り、登山などにもおすすめです。
ただし空軍のSRU-21Pに比べて、圧倒的に数が少ないです。
入手は困難でしょう。
でも、あまり軍装品に知識やこだわりのない業者やSHOPでは、「色違いのSRU-21P」または「SRUー21Pのモデル品)くらいの認識で輸入したり、安価で販売している場合があります。
探しているあなたは、一見SRU-21Pに見えても、細部をよく確認してみましょう!
(思わぬ掘り出し物があるかもです。)
あと今回のモデルもそうですが、紫外線による褪色(変色)が顕著です。
日射や蛍光灯には十分注意しましょう!
私は、もう数着同じモデルの完品を探してみたいと思います。
今回は、空軍SRUー21Pと似ているデザインの陸軍エアクルー・サバイバルベストを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20231125更新)
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参考:アメリカ軍の各種ベストに関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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