
今回は、1950年代のアメリカ空軍L-1Aパイロットスーツ(フライトスーツ)を分析します。
空軍創設時に採用されたエアフォースブルーに染められたウール生地が秀逸ですね!
勿論、例のタブもありますよ!
僅かに破損もありますが、時代を考えると極上品です!
目次
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1 アメリカ空軍L-1Aウールパイロットスーツ(エアフォースブルー・5390A)とは?

1947年に、それまでのアメリカ陸軍航空隊から独立した「アメリカ空軍」。
アメリカとしては、それまでになかった新しい軍の創設でした。
それに伴う兵士の士気高揚のため、なんと個人装備(主に衣類)のカラーを大幅に変更しましたよ。
その基調となったのは目も醒めるような「エアフォースブルー」!
素晴らしいですね!
実戦を全く考慮していないところが、アメリカ空軍のプライトだったのでしょうか?
今回のモデルは、そんな時期のパイロットスーツ(フライトスーツ)になります。
前作L-1の生地色(OD)をエアフォースブルーに変更したモデルですね。
上質なウール生地を用いてるのが特徴です!
さてさて、それはどんなパイロットスーツなのでしょうか?
今回は、コアなアメリカ空軍パイロット装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体前面

上半身前面

下半身前面

全体背面

上半身背面

下半身背面

上半身前面裏側

下半身前面裏側

上半身背面裏側

下半身背面裏側

襟周りレイアウト
後年のパイロットスーツとは違って、襟が尖っていますね。

前見頃中央のタブは、当時の酸素マスクを固定するためのもの。
エアフォースブルーのナイロン生地。

フロントのジッパー
上側は「CONMAR」のベルタイプ。
勿論、上下から開けるダブルジッパーです。


タグ
年代は記載されていませんが、それさえもなかった1950年代契約品。
メーカーは高品質なフライトジャケットを製造することで有名ですね。

アメリカ空軍マーク
熱転写ですね。

胸ポケット
左右にあります。
ジッパーで開閉。

ウエストは背面に縫い付けられたタブとボタンで三段階に調整可能。



ウエスト部で上半身と下半身を縫い合わせています。

腰ポケット
左右にあります。

腰ポケットの中にはボタンで開閉するスリットあり。

ボタンの下には何やらスタンプが!

ボタンを外すとスリットあり。

膝ポケット
左右にあります。
ジッパーで開閉。

足首のジッパー
マチ付き。


足首のポケット
左右にあります。
ジッパーで開閉。

左膝ポケットにはクリップあり。
航空自衛隊のパイロットスーツにもありましたね。
この辺りが原型なのかも。

クリップ拡大
かなり強力なテンション。

脇の通気孔
金属製ハトメ付きで片側4個。

袖
最初からやや曲がったデザイン。
(立体裁断?)


袖口はボタンで開閉・調整


左袖ポケット
後年の各モデルのようなシガレットポケットはなし。
内蔵されている金属製キャップは1本分のみ。😭
(本来は2本分ある。)

スーツに使用されているボタン
濃いブルーのプラスティック製で、

今回のモデルは、左足首ポケットが破損していました。
搭乗していた機種独特のものなのでしょうか?

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3 その特徴とは?
生地はエアフォースブルーに染めたれたウールギャバジンで、ウール製ですがとても肌触りが良いですね。
(チクチク感がありいません!)
しかも柔らかくて、とても着やすいですよ。
デザインは、エポレットなし、胸ポケット×2、腰ポケット×2、膝ポケット×2、足首ポケット×2で、裾はジッパーで拡げることができます。
腰ポケットにはボタンで開閉するスリットがあって、スーツの下に着た衣類のポケットが使用できます。
この時代のフライトジャケットやパイロットスーツには、前見頃に酸素マスク取り付け用のタブがあるのも特徴です。
また後のモデルでは廃止された左膝のクリップも存在していますね。
(この辺りは自衛隊の各種パイロットスーツが参考にしたようですね。)
全体的な仕立ては正確かつ丁寧で、この当時のパイロット装備に共通する上質な仕立てです。
そうそう今回のモデルは、時代を考えれば極上品なのですが、右足首ポケット表面に、何かで擦れた穴が開いていました。
4 製造とサイズのデータ
製造・契約年度 1950年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 ウール
表記サイズ M-S
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約45cm
身幅 約59cm
着丈 約147cm
袖丈 約58cm
ウエスト 約49cm
股下 約70cm
裾幅 約20cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 沖縄の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
目にも鮮やかなこのスーツは、最終的にはカラーが実戦向きでないと判断され廃止。
次第にセージグリーン系装備に置き換えられていきました。
ウールギャバジン生地も、航空機の与圧装備や暖房性能の向上にともない、コットンや難燃繊維に置き換えられていったのでした。
仕方がありませんが、この路線は一部でも残しておいて欲しかったような気がしますね。

…それはともかく、贅沢かつ高品質のパイロットスーツですね。
着用すると、現用の多くのパイロットスーツより着心地の良さを感じました。
サイズ的にもぴったりでしたよ。
ウール生地も良質で、これ一着でも意外に暖かいですね。
ましてやフライトジャケットやフライトトラウザーズと併用すると、真冬でも使えそうですよ。
寒候期の実用には最適なカバーオールといえますね。
(暖房機器の整った現代では、ちょうど良いかも?)
アメリカ空軍黎明期のエアフォースブルー装備は、年々減りつつあり、逆に価格は上昇しつつあります。
実用もさることながら、今後は入手したら適切に保存し、将来のために備えた方が良いかもしれませんね。
幸運なことに、現在大手通販サイトで少数ですが取り扱われています。
また不定期ですが、オークションにも出品されることがありますよ。
探しているあなたは、ぜひ覗いてみてください!
私は前身であるパイロットスーツ(フライトスーツ)L-1を探してみます!
今回は、古のアメリカ空軍L-1Aウールパイロットスーツを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20250121更新)
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参考:他のアメリカ空軍エアフォースブルー装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のパイロットスーツに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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