今回は、1970年代のアメリカ陸軍レインコート（トレンチコート）を分析します。
アメリカ映画で時々目にしますね。
以前分析したアメリカ陸軍ウインドブレーカーと同じ生地が使用されています。
実際に兵士が使用していたもので、所々汚れがありますが、程度は良好ですよ！
目次
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１ アメリカ陸軍レインコート（トレンチコート・AG274・初期型）とは？
各国の軍隊で支給される制服のコートですが、大きく２種類に分かれます。
それは
- 防寒を目的としウールなどの素材で製造されたオーバーコート
- 制服着用時の雨衣として使用するレインコート
ですね。
その昔はトレンチコートがありましたが、現在では戦闘時に、それもトレンチ（塹壕：ざんごう）で使用することもないので、場合によってはレインコートと兼務されている場合があるようです。
今回のモデルは、そんなトレンチコートデザインのレインコートで、ベトナム戦争中のモデルになります。
AG（アーミーグリーン）274という番号が付与されたグリーングレイのカラーと全体的に軽量なのが特徴です。
さる有名な映画にも出演していましたよ！
さてさて、それはどんなレインコートなのでしょうか？
今回は、アメリカ陸軍装備マニアのみならず、ハリウッド映画ファンのあなたと一緒に、確認していきましょう！
２ 全体及び細部写真です！
前面
市販品でこのカラーは少ないので渋いですね。
背面
前面裏側
ライニングは上半身上部のみです。
背面裏側
襟周りレイアウト
前合わせはベルトとボタン。
最下端はタブと小さいボタンで留めます。
最下部はタブと小さなボタンで開閉
タグ①
タグ②
1971年度契約品。
エポレット
僅かにテーパーのついたクサビ型。
右肩付近にはガンフラップあり。
ボタンで開閉。
ウエストのベルトループ
左側面のループは長短の二重になっていて、ベルトのストラップを短いループに通します。
腰ポケット
オープンタイプで角度が付いています。
袖
緩やかなテーパー付。
袖口には２個のボタンで留めるストラップあり。
後期型はボタンが１個で、先端がラウンド型に変更されました。
レイントートなので胸から上は生地が二枚ですね。
生地裏のスタンプ
生地番号でしょうか？
背面裾のプリーツ
意外に裾は拡がります。
ボタン（大）
グリーングレイのプラスティック製ですが、割れそうな感じ。撮り直し
裏面の力ボタン。
ボタン（小）
ベルト
表と裏
ベルトのストラップ
ボタンで開閉
ベルトのバックルはグリーングレイのプラスティック製。
表面
裏面
着用例
映画「ターミネーター」（1984）
カイル役のマイケル・ビーンとサラ役のリンダ・ハミルトン
（劇中のコートは、中古の払い下げ品で、もう少しくたびれた個体だったような気が…？）
映画「ランボーFirst Blood（1982）」
トラウトマン大佐役の故リチャード・クレンナ
（ちなみにコートは後期型でした。）
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３ その特徴とは？
生地は、グリーングレイに染められたコットン／ポリエステルの混紡です。
緻密に織られていてある程度の防風性能がありますよ。
また新品の状態では生地に撥水性もありますね。
（数回の雨や洗濯で撥水性は弱くなりますが…。）
防寒目的の衣類ではないので、ライニングは一部しかなく、ライナーも取り付けることができません。
デザインは、エポレット付き、ガンフラップあり、ダブルブレスト・腰ポケット×2で、ウエストのベルト付き。
全体的な縫製は、少々荒いですが強度は十分というアメリカ軍スタンダードな仕立てです。
４ 製造とサイズのデータです！
製造・契約年度 1971年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ 42R
（日本人のL〜XL）
各部のサイズ（平置）
肩幅 約48cm
身幅 約59cm
着丈 約117cm
袖丈 約64cm
状 態 中古良品
官民区分 官給品
入手場所 東京の古着屋
入手難易度 2（やや困難）
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５ まとめ
今回のモデルは、私が把握しているだけでも「ターミネーター」と「ランボー」で衣装として使用されていますね。
やはり軽量なのか劇中でも俳優さんが軽快に気こなしていましたよ。
またトレンチコートも含めて、このAG274というグリーングレイはあまり例がなく、個人的にはとても気に入っています。
ジーンズ、チノパンそしてスーツにも合うので、格好のファッションアイテムだと思います。
でも何故かミリタリー界隈では、あまり人気がありません。
…ですので、意外に安価に入手できる場合があるようです。
幸いなことに、現在大手通販サイトでも取り扱われていますし、オークションやネットショップでも普通に販売されているので、いつでもどこでも誰にでも入手可能ですよ。
ただ購入する場合は、サイズ（実寸）を確認するのは当然、破損や汚れもしっかり確認して、少しでも不具合があれば、安くてもその個体の購入は控えましょう。
（焦らなくても、まだしばらくは入手できそうですよ。）
私は今回のモデルのサイズ「40」のデッドストックを探してみたいと思います。
今回はベトナム戦争期のアメリカ陸軍レインコート（トレンチコート）の初期型を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね！
それではまた、次回をお楽しみに！
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参考：他のアメリカ陸軍AG装備はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍トレンチコートに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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