
今回は少々趣向を変えて、1980年代の旧ソ連陸軍空挺部隊用リストコンパス(方位磁石)を分析します。
敵地に降下する空挺部隊には必要不可欠な装備ですね。
空挺用独特の面白い機能もありました。
偶然入手したデッドストックですよ!
目次
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1 旧ソ連陸軍空挺部隊用リストコンパス(方位磁石)とは?

「藍より蒼き 大空に 大空に たちまち開く百千の…」
空挺部隊を讃えた、あなたもご存知の傑作軍歌「空の神兵」の一節でしたね。
この軍歌の中では、空挺部隊の過酷な環境も歌にされています。
それは、
「この青空も敵の空 この山河も敵の陣 この山河も敵の陣」
というところですね。
つまり落下傘降下する場所は、そこは誰も行ったことのない敵地というわけです。
事前にいくら地図で確認しても、実際行ってみなければ何も判らないですし、風によっては全く予期してなかった場所へ降下せざるを得ない場合もあるでしょう。
そんな時に、降下後の行動を決定する一助となるのが今回のアイテムです。
今回のモデルは、1980年代の旧ソ連陸軍空挺部隊用リストコンパス(方位磁石)になります。
既に第二次大戦中からアメリカ軍では実用化されていて空挺部隊に支給してましたね。
今回のモデルはその旧ソ連版になります。
コンパクトな外観ながら必要な機能を備えた傑作コンパスですね。
また空挺用ならではの工夫もありましたよ!
さてさて、それはどんな空挺用リストコンパスなのでしょうか?
今回は、旧ソ連軍空挺部隊装備マニアのみならず、登山などで使用できる堅牢な予備コンパスをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体形

コンパス本体
表側
ベゼル(外周)はアルミ製で可動します。
磁針とベゼルの三角形の部分には蓄光塗料が塗られています。

コンパス裏側
下部はブラックの強化プラスティック製。
左右にはストラップを通すスリットがあります。

側面
地形地物を確認するためのフロント及びリアサイト(照準器)があります。
ランドナビゲーション用ですね。
サイトはアルミのリベット留め。




本体にあるこのレバーは…

磁針を固定しておくためのストッパーです。
押し込んで固定。
引き出して(画像の状態)固定解除です。


目盛は3°毎に刻まれていますね。
この意味は?

文字盤が薄汚れているように見えるのは、反射防止加工が施されているからです。

ストラップ
(リストバンド)
レザー製で片側をブラック(ライトグレイのモデルもあります。)に染められています。

バックル部分
端末のガイドループ2本あり。

バックルの取り付けはレザーの合わせで、アルミのリベット留め。
バックルの金具はプレス加工製。

サイズ調整用の穴は7個


ストラップはスリットを通して本体の下部に装着します。



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3 その特徴とは?
本体はブラックの強化プラスティック製ですが、文字盤や回転ベゼルはアルミ製のようです。
そのため全体的にとても軽量ですよ
一方、磁針はステンレスですね。
アメリカ軍レンザチックコンパスのように液体(オイル?)は封入されておらず、基本的にシンプルな構造です。
(現在でも文房具店やホームセンターで販売されている安価な方位磁石と同じ構造です。)
本体下部にスリットがあって、レザーのストラップ(リストバンド)を取り付けることができるのも特徴ですね。
面白いのは
- 一目盛が3°毎
- 磁針を固定するステンレス製のレバーあり
というところですね。
全体的な造りは、精密な箇所と雑な部分が混在する、旧ソ連特有の仕上がりです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 旧ソ連
契約会社 旧ソ連
製造会社 〃
材 質 アルミニウム
ステンレス
強化プラスティック
各部のサイズ(平置)
本体
直径 約50mm
厚さ 約15mm
ストラップ
全長 約280mm
全幅 約9mm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
現在ではGPSの発達で、方位どころか現在位置まで携帯電話に表示させることができますね。
今回のモデルが支給された当時から考えると、まるで夢のような時代と言えるでしょう。
そういった意味では、残念ながら今回のリストコンパスは時代遅れの遺物ともいえますね。
では、今後も骨董品としての価値しかないのか?
いえいえ、そうではありません。
我々が現在使用している電子機器は、たとえば核爆発等で発生する電磁パルス(EMP)によって瞬時に機能不良に陥ります。
そうでなくても各種電子機器は電源が確保できないと、全く機能しませんよね。
(一気に昭和へ逆戻り…は怖いですね。)
一方、簡素な造りで地磁気を感知するだけの今回のモデルなら、物理的な破損にさえ気をつければ、どんな環境下でも確実に作動します。
残念ながら精度はGPSより劣り、時間と共に精度も低下してくる…のですが、定期的にGPSとの誤差を確認していれば、問題なく使用できますよね。
緊急時のために、一個入手しておくのも良いかも。

私の記憶が確かなら、約30年前には各ショップでそれなりの在庫があった今回のモデル。
でも現在ではほとんど見かけなくなりました。
そもそも空挺部隊用なので、数は少なかったようです。
加えて各種電子機器の影響で需要がなくなり、かつ民生品でもさらにコンパクトで高性能な製品も発売されているのも入手困難を後押ししているようですね。
辛うじて今回のモデルは、本日現在、国内のオークションで出品されていますよ。
(しかも出品者はいくつか在庫もあるようです。)
そんなに高価でもありませんので、探しているあなたは入札してみてはいかがでしょうか?
また、あまり人気のアイテムではありませんので、大手SHOPの片隅にはまだ売れ残りがあるかもしれません。
探しているあなたは、諦めずチェックしてみましょう!
今回は、実用的な旧ソ連軍空挺部隊用リストコンパス(方位磁石)を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20251030更新)
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参考:旧ソ連軍空挺装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他の旧ソ連軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の空挺装備に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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