今回は、1980年代の旧ソ連陸軍空挺迷彩ユニフォームを分析します。
いわゆる「ブタン迷彩」なのですが、プリントがソ連末期を表現しているものでした。
また特殊なデザインも面白い一品ですね。
奇跡のデッドストックですよ!
目次
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1 旧ソ連陸軍空挺迷彩ユニフォーム(ブタン迷彩・後期型)とは?
現在でこそ、世界各国で標準的に組織されている空挺部隊。
あまり知られていませんが、世界で最初に空挺部隊を編成したのは、1932年の旧ソ連軍とされています。
初期の頃は、パラシュートの性能や航空機の造りが、パラシュート降下に必ずしも適したものではなく、多くの犠牲を出したという情報もあります。
旧日本軍もノモンハンで一戦交えていますね。
でも、ドイツ軍やイギリス軍などとは違って、あまり有名ではありませんね。
そんな旧ソ連陸軍空挺部隊ですが、他の多くの国と同様、やはり空挺専用装備が支給されていました。
今回のモデルは、旧ソ連末期に支給された、ブタン迷彩の空挺ユニフォームになります。
一般兵科用ユニフォームとは、一線を画したデザインが魅力ですね。
でも用途不明なところのありましたよ。
さてさて、それはどんな空挺迷彩ユニフォームなのでしょうか?
今回は、コアな旧ソ連軍装備マニアのみならず、世界の空挺部隊装備コレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
ジャケット
前面
アフガンカタイプに比べて着丈が短く、腰ポケットもありませんね。
背面
中央下のスリットにも注意
前面裏側
右胸のホルスター(拳銃入れ)兼務の内ポケットに注意。
背面裏側
前合わせはボタンのみ。
左右ポケット下のスリットに注意。
このスリットがないモデルが初期型とされています。
(諸説あり。)
データスタンプ
1989年度契約品です。
背面のアクションプリーツ
でも浅いです。
袖
テーパー付。
小判型の肘補強生地は面積が小さいですね。
肘の補強は、2枚の迷彩生地で構成されています。
袖口はマチ付
ボタンで開閉。
袖ポケット
両袖にあります。
マジックテープで開閉
前見頃のスリット
サスペンダー用でしょうか?
胸ポケット
マジックテープで開閉。
前合わせのボタンホール内側は、カーキの生地で補強されています。
脇の通気孔
ボタンホールタイプで片側4個。
右内ポケット
ボタンで開閉。
左胸ポケット
これはホルスター(拳銃入れ)を兼務していますね。
それにしても大きいホルスターです。
(スチェッキン・マシンピストル 用でしょうか?)
生地のループとボタンで開閉。
このポケット内側は防水コーティングされていました。
ポケット内には、拳銃を繋いでおくナイロン製ランヤードあり。
またこのポケット(兼ホルスター)は、ストラップでジャケットに繋がっていました。
前見頃のスリット裏側。
上部が開口していますね。
袖の補強生地
トラウザーズ
前面
背面
サスペンダーは取り外すことができます。
前面裏側
足首内側にあるカーキ生地のストラップに注意。
背面裏側
前合わせはボタンとホックです。
データスタンプ
背面
中央の2個のボタンはサスペンダー用。
ウエスト内側は、グレイのナイロン生地で補強されています。
股間はカーキの生地で補強されています。
ウエスト前面右側の小ポケット
内部はODの生地。
右側面レイアウト
サスペンダー用Dリング
前に2箇所あります。
ウエストのサイズ調整ストラップ
腰スラントポケット
膝ポケット
ボタンで開閉。
膝前面の補強生地
両足前面には、ミシンで細いラインを表現。
これにより、常にアイロンを当てているように見えなくもないですね。
両足にあるカーキのストラップ
使用しない場合は、裏側のブタンに留めておきます。
このストラップは、土踏まずを通して反対側にボタンで留めます。
これにより、長いブーツを履いても、裾がずり上がることを防止しています。
裾にはドローコードも内蔵
専用のサスペンダー
背面の一本はゴムバンドで、迷彩生地と境目はナイロンの補強生地でしっかり縫製されています。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ライトカーキーグリーンの生地に、ライトブラウンとブラックグリーンを用いて、複雑な雲型をプリントしてあります。
いわゆるブタン迷彩なのですが、このモデルはかなりプリントが乱れていますね。
元々ブタン迷彩は、各色の境がはっきりしているのが特徴なのですが、このモデルは所々ブラウンとグリーン境目が混じってしまっています。
(ソ連末期の製品で、手抜きなのでしょうか?)
生地はコットンのツイルで、蜜に編まれていることから丈夫で、ある程度の防風性能もありますよ。
デザインは、ジャケットがエポレット付き、胸ポケット×2、袖ポケット×2で、胸ポケット下と背面中央には小さなスリットがあります。
トラウザーズは、ウエスト右前面小ポケット、腰スラントポケット×2、膝ポケット×2で、ウエストにはサイズ調整タブ、取り外し可能なサスペンダーが付属していますね。
やはり今回のモデルにも、土踏まずを通すストラップが左右にありました。
全体的な縫製は、丁寧で正確な箇所と、少々雑な箇所が混在する面白い仕立てです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1989年代
製造場所 旧ソ連
契約会社 旧ソ連
製造会社 〃
材 質 コットン
ナイロン
表記サイズ 52-3
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
ジャケット
着丈 約75cm
肩幅 約49cm
身幅 約59cm
袖丈 約59cm
トラウザーズ
ウエスト 約45cm
着丈 約104cm
股上 約30cm
股下 約76cm
裾幅 約24cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
一般兵科用のいわゆる「アフガンカ」に似ている部分もありますが、やはり違ったデザインですね。
一部のデザインには謎が残りますが…。😅
それはともかく今回のブタン迷彩は(プリントは少々お粗末ですが)日本でも効果が期待できそうですね。
ポケット数は少ないですが、サバイバルゲーム、野鳥観測、狩猟などには普通に使用できそうですよ。
(勿論、当時の旧ソ連陸軍空挺部隊再現には必要不可欠なアイテムですね!)
ただ残念ながらこのユニフォームも、もう見かけることがありません。
(初期型もそうですね。)
よしんば見つかったとしても、一般的なアフガンカタイプよりもさらに高額な場合が多く、入手は困難と言えるでしょう!
それでも探しているあなたは、東側装備に強いSHOPを当たるか、海外のオークションに注目してみましょう!
私は初期型の空挺迷彩ユニフォームを探してみたい…と書こうとしたら発見しました!
何故か本日現在、PayPayフリマで初期型が販売されていますね。
うーん、高いですね。😅
今回もウインドウショッピングで終わりそうです。
(残念!でもまた機会がありそうですよ!)
今回は、旧ソ連陸軍の空挺迷彩ユニフォーム後期型を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20241026更新)
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参考:他の旧ソ連軍ブタン迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他の旧ソ連軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
ソ連崩壊後のロシア軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の空挺装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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