今回は、2000年代のロシア軍特殊部隊迷彩ユニフォームを分析します。
迷彩パターンが横に流れる「リザード型」が特徴です。
どうやら官給品ではなくPX品のようですね。
でも、実際に特殊部隊で使用例があります。
まさかのデッドストックですよ!
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目次
1 ロシア陸軍特殊部隊用迷彩ユニフォーム(リザードパターン・PX品)とは?
かつての旧ソ連軍は、陸軍だけを比べても他国の軍隊を大きく上回る兵力を有していました。
それは、とても脅威だった反面、個人装備における迷彩服は限定使用で終始していましたね。
ソ連としても迷彩服の効果は充分認識していたようですが、いかんせん兵士の数が半端なく多いため、全員支給には二の足を踏んでいたというのが現状だったようです。
(この点、アメリカは国内のアパレルメーカーを総動員して、初の4軍統一迷彩であるウッドランド迷彩服の製造したのとは対照的で面白いですね。)
ところがソ連崩壊後の新生ロシア軍は、旧ソ連時代の反動からでしょうか?
各メーカーが、多種多様の迷彩服を開発し、いろんな部隊に供給していますね。
またモデルチェンジも比較的短い期間で実施されているようです。
その結果、当のロシア軍ですら把握できないくらい多種類の迷彩服が存在することになりました。
現在、その全てをコレクションしたり、系統だって説明するのは不可能とされています。
今回のモデルはその中でも特異な迷彩服といえる、一部の特殊部隊で使用されたモデルになります。
その迷彩パターンから「ロシアン・リザード」「ロシアン・タイガー」なんて呼ばれていますね。
さてさて、それはどんな迷彩ユニフォームなのでしょうか?
今回は、ロシア軍装備マニアのみならず、リザード迷彩ファンのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
ジャケット
前面
裾の処理が、共産国特有の人民服に似ています。
背面
何処となく、タイガーストライプ にも似ていますね。
前面裏側
背面裏側
迷彩は裏側にも透けています。
タグ
エポレット
テーパーなしのクサビ型です。
階級章用のループ付き。
胸ポケット
マジックテープで開閉。
前合わせはボタンのみです。
裾はゴム付きのタブとボタンでサイズを変更できます。
そのゴムテープは一方の端が縫い付けられています。
交換が大変ですね。
右袖ポケット
袖は肘に六角形の補強生地が。
左袖
こちらには袖ポケットに加え、細く小さいポケットがあります。
マジックテープで開閉。
ファーストエイドドレッシング(救急包帯)用でしょうか?
袖口はボタンで開放できます。
ロシア装備に共通している左胸の内ポケット
リップストップのナイロン製(防水?)で上端のみ縫い付けられています。
右隅の予備ボタンに注意。
袖の付根内側
黒い生地で補強されていますね。
ボタンホールにも、黒い補強生地が。
トラウザース
前面
背面
前面裏側
裾は二重になっています。
背面裏側
タグ
股間はメッシュ生地で通気性を確保
右側面
スラッシュポケットと膝のパッチポケット
加えて細長くダットファスナーで開閉するポケットもあります。
ナイフやバヨネット(銃剣)入れでしょうか?
膝の補強生地
下部がマジックテープで開放できます。
これは、膝パットを挿入するためのものですね。
左臀部のポケット
マジックテープで開閉。
臀部のポケットの下には、細長い2つのコンパートメントに分かれたポケットが。
中央にゴムを内蔵しマジックテープで開閉。
用途不明です。
前合わせはボタンとホックです。
ウエスト左右にはゴムが内蔵されています。
ベルトループもありますよ。
(今回のモデルには、サスペンダー装着が考慮されていません。)
おまけ
タクティカルベスト
前面
胸の前にはマガジンパウチ(弾納)が。
右肩には、銃の反動を和らげるパットが内蔵されています。
でも、これではサウスポーの射手が使用できませんね。
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはジッパーとマジックテープです。
タグ
左右にマジックテープがあって、サイズを調整できます。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ライトカーキの生地に、グリーン、ブラウン、ブラックを用いて、刷毛で横に乱雑に塗ったようなパターンを描いています。
一見、フランス軍やポルトガル軍のリザード迷彩に似ていますが、パターンにキレがなく、ほぼ真横に流れているのが特徴です。
生地は薄いツイルで、おそらくコットンとポリエステルの混紡ですね。
デザインは、ジャケットが胸ポケットと袖ポケット×2の人民服タイプ。
トラウザースは前面膝ポケット×2で右太腿部に独特の縦に細長いポケットが付いた旧ソ連軍KGBタイプです。
でもジャケットもトラウザースも、用途不明のポケットが付いていますよ。
ライナーは装着できません。
全体的な縫製は、少々雑で不正確ですが、強度は十分なようです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 2000年代
製造場所 ロシア
契約会社 ロシア
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ 50–5
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
ジャケット
着丈 約75cm
肩幅 約53cm
身幅 約64cm
袖丈 約62cm
トラウザース
ウエスト 約43cm
股上 約31cm
股下 約80cm
着丈 約105cm
裾幅 約18cm
状 態 中古上品
官民区分 民生品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
とても明るい色調の迷彩ですね。
日本では使用できるフィールドが限定されるかもしれません。
(この点、ベトナム戦争で使用された多くのタイガーストライプは、グリーンとブラックの面積を増やすことで明るくなるのを防いでいました。)
でも今回のモデルは、メリハリの効いた迷彩なので、木漏れ日のある森林のなどでは効果がありそうです。
横方向に流れる迷彩なので、移動間でも問題なさそうですね。
実際に着用してみると、生地が薄く肌触りが良いので暖候期のサバイバルゲーム、野鳥観測、狩猟、キャンプなどに向いていそうです。
ただしタクティカルベストを着用すると、かなり蒸れますね。
(もしかしてベストは寒候期用かもしれません。)
ところが、かつて大手通販サイトでも取り扱われていた今回のモデルも、現在では絶版になっているようです。
それでも時々オークションで見かけます。
探しているあなたは、国内外のオークションを狙ってみましょう!
今回は、ロシア軍特殊部隊が使用したリザードパターンの迷彩ユニフォームを分析しました。
いやー軍装品って、PX品も素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20230420更新)
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参考:同じ迷彩パターンの色違いユニフォームに関する記事はこちらです。⬇︎
他のロシア軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
旧ソ連軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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