今回は、1970年代のオーストリア陸軍迷彩ジャケットを分析します。
偶然か、意図的か、どこかでみた迷彩パターンになんとなく似ていますね。
誰もが知ってる有名なハリウッドスターも若かりし頃に着用していましたよ!
なんと上下でデッドストックです!
目次
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1 オーストリア陸軍迷彩ジャケット(スポットパターン)とは?
大戦中ドイツに併合されたオーストリアですが、戦後いち早くドイツから脱却して独特の軍備を整えました。
その装備体系は…当初戦車はフランス系、戦闘機はスウェーデン系とか多種多様でしたね。
(補給は大丈夫だったのでしょうか?)
個人装備も基本は、アメリカ軍系のOD単色でしたが、1960年代からは限定的に迷彩の衣類を支給しましたよ。
それが今回の迷彩ユニフォームです。
同じ迷彩生地のものとしては、コート、ヘルメットカバー、バックパック、水筒カバーなんかもありましたね。
独特の配色とパターンで識別も容易ですよ!
さてさて、それはどんな迷彩ユニフォームなのでしょうか?
今回は、オーストリア軍装備マニアのみならず、迷彩服コレクション初心者のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
色調は暗いですが、やはり武装親衛隊の迷彩パターンに似ていませんか?
着丈が短い、腰ポケットのないタイプです。
背面
デッドストックなので色彩が鮮やかですね。
前面裏側
裏側はホワイト(生成り)です。
リバーシブルではありません。
背面裏側
生地が厚く、迷彩は殆ど透けていません。
前合わせはボタンのみ。
しかし個人でジッパーを取り付けている兵士もいます。
胸ポケット
隠しボタンで開閉
官給品ボタン
パンツァーグラウ(?)のプラスティック製
二つ穴でなんか可愛いですね。
フードのドローテープ
グレイのヘリンボーン
付け根のハトメはアルミ製
エポレット
こちらも隠しボタンで開閉
ボタンを外すのも付けるのも難しいです。
脇の通気孔
金属製の重厚なハトメ。
その裏側
袖
肘に補強布あり。
袖口
ゴムを内蔵
裏側裾のスタンプ
1976年度契約品です。
ウエストのドローテープ
グレイのコットンHBT生地
両胸裏側には小さな内ポケットが。
ボタンで開閉
内ポケットのボタンは小さい四つ穴タイプのイギリス軍型
袖口裏側 折り返し
前面
背面
前面裏側
基本的に生地が厚いので、迷彩は殆ど透けていません。
背面裏側
前合わせはボタンのみです。
ベルトループはイギリス軍のように幅広のベルトを装着できるようになっていますね。
左の大きなボタンは、オーストリア軍の標準タイプ
右の小さいボタンはイギリス軍タイプですね。
右側面レイアウト
ポケットは左右の腰、膝の4ポケットです。
フラップつきのスラッシュポケット
ボタンで開閉します。
膝のポケット
容量は小さいです。
ボタンで開閉
ポケット後ろにはマチがあります。
臀部には四角い補強生地があります。
通常丸いデザインが多いですが、四角は珍しいですね。
裾はスリットがあってドローコードも内蔵されています。
ポケット内側の生地
生地が薄いので裏側に迷彩が透けています。
各種スタンプ
こちらは1976年度契約品です。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ホワイトの生地に、ライトブラウン、ブラウン、マホガニーブラウン、グリーン、グレイブラウンでソラマメの様なパターンを描いています。
(五色迷彩ですね。)
私はその迷彩色調に敬意を表して「あずき」パターンと呼んでいます。
(オーストリア軍そしてファンの皆さん、ごめんなさい!)
でも…グリーンはともかく、配色は「ぜんざい」に似ていませんか?
(お腹がすいているからではありません!)
生地は、厚めのコットンサテンで防風性能は高いですが、少々重いです。
デザインは、ジャケットがフード、エポレット付き、胸ポケット×2、内ポケットで、シンプルな造り。
トラウザーズは腰スラッシュポケット×2、膝ポケット×2で、各ポケットにはポケットフラップが付いているという凝った作りなのが対照的です。
時代でしょうか?膝のポケットは容量が小さいのも特徴ですね。
ボタンは全て隠ボタンになってて、なかなか渋いですね。
全体的な縫製は、とても正確かつ丁寧で、強度も十分の上質な仕立てです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1976年
製造場所 オーストリア
契約会社 オーストリア
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 175–185/95
各部のサイズ(平置)
ジャケット
着丈 約85cm
肩幅 約49cm
身幅 約60cm
袖丈 約61cm
トラウザーズ
ウエスト 約42cm
着丈 約113cm
股上 約34cm
股下 約80cm
裾幅 約18cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手方法 岐阜の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
今回のモデルには面白いエピソードがあります。
その昔、現在のように精巧なモデル品がなかった時代には、今回のモデルをそのまま、または改造して大戦中のドイツ武装親衛隊迷彩服の代用品にしていましたね。
(特にテントが重宝しましたね。)
今から思えば、ある意味おおらかな時代でしたね!😃
さて、今回のモデルは、その色調から秋冬用の迷彩に思えますが、オーストリア軍は通年で使用していましたね。
日本では、森の日陰とかならともかく、新緑の季節などでは、逆に目立つかもしれません。
迷彩生地は厚めで丈夫なのですが、通気性の問題から日本の夏には少々使い辛いものになりそうです。
やはり気温の低い地域または冬装備ですね。
(どちらかというと、重ね着してスモックやオーバーパンツ的な使い方をするのかもしれません。)
やはり前合わせは上下ともジッパーとの併用が良かった様な気がします。
(兵士がジッパー付きにカスタムするのもわかるような気がします。)
でも寒候期のサバイバルゲーム、狩猟、野鳥観測、キャンプなどにはちょうど良いかもしれませんね。
小さいサイズもありますので、女性にもおススメです。
…ですが現在、今回のモデルは入手困難品になっていますね。
元々兵士の数が少ない上に限定使用であったため、生産数は少なかったようです。
特にトラウザーズは、酷使されているため見つかっても、酷く傷んでいるものが多いですね。
でもオーストリア軍は、その後戦闘装備の更新を図っていますよ。
最新型では、カーキ系で何とも表現できない、微妙なデジタル迷彩に更新されたようですね。
今回のモデルのファンとしては少々寂しい気もしますが、逆に古い装備は逐次払い下げられているので、もしかしたらまだ入手できるチャンスがあるかもしれません。
探しているあなたは、信じて待ってみるとともに、オークションなどで網を張っておきましょう!
私はコートタイプのデッドストックを探してみたいと思います!
今回は、オーストリア軍の古い迷彩ユニフォームを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240401更新)
参考:今回の迷彩と似ている大戦中のドイツ軍迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他のオーストリア軍装備品に関する記事はこちらです。⬇︎
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今回のモデルを着用した若かりし頃のハリウッドスターです。
https://twitter.com/grzegorz_9696/status/1486919634246721547?s=21
Austrian Bundesheer M47 tank driver pic.twitter.com/ni7aINEcxP
— Grzegorz (@Grzegorz_9696) 2022年1月28日
…あなたは彼が誰なのか、もうおわかりですね?
20歳前後の写真らしいです…。😃
(キャプションではM47戦車になっていますが、フランスAMX13戦車のオーストリア版ですね。)
読んでいただき、ありがとうございました。
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