今回は、1940年代のドイツ武装親衛隊迷彩服を分析します。
以前分析したモデルは、ジャケットのみでしたが、今回はトラウザースも加えてみました。
勿論モデル品ですが、国産有名SHOPプロデュース品なのでとてもよく出来ていますよ!
中古品ですが、程度は極上です!
目次
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1 ドイツ武装親衛隊迷彩服(エンドウ豆パターン)とは?
世界に先駆けて、個人用迷彩スモックを採用したドイツ武装親衛隊。
公式的には、人類で初めての迷彩服(上着のみ)でした。
あくまでスモックなので制服の上に着用し、記章などをカモフラージュしたり汚れを防ぐ、言わば日本の割烹着みたいな存在でしたね。
諸説ありますが1939年には支給されていたようです。
しかし、ドイツの敗戦が濃厚になってきた1944年、全く新しい迷彩服が開発されました。
上下セパレートで、独特の迷彩生地から、欧米では「エンドウ豆パターン」と呼ばれていますよ。
一説には、瓦礫にあふれた市街で効果を発揮する迷彩だとか?
本当でしょうか?
今回のモデルは、その迷彩服を日本のSHOPが再現したものになります。
モデル品の製造では定評のあるSHOPなので、よく出来ているのは勿論のこと、このモデル品から教えられることも多い傑作といえるでしょう。
さてさて、それはどんな迷彩服なのでしょうか?
今回は、大戦中のドイツ軍装備マニアのみならず、迷彩服コレクション初心者のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
ジャケット
前面
残念ながら着丈は現代風にアレンジされています。
背面
前面裏側
生地が厚いので、迷彩は裏側へあまり透けていません。
背面裏側
カーキの補強生地が目立ちますね。
サイズスタンプ
メーカーと当時のサイズスタンプ(再現)
良心的ですね。
当時の所属スタンプ
エポレットはなくて、ボタンとループのみ。
(階級章の装着方法は後述)
胸ポケット
ボタンで開閉
腰ポケット
こちらもボタンで開閉しますが、ボタンは最初から紛失
袖
袖口はボタンで開閉
マチはありません。
裾背面
中央のスリット
内側脇の補強生地
前身頃裏側下部にある救急包帯入れ
(携帯電話も格納可能?)
例のベルトキーピングシステム
(金具なし)
付属していた階級章(兵卒)
表面
裏面
取り付け方法
かたのループに裏面の部分を通してボタンで留めます。
その後、表面をボタンで留めます。
縫い付けではないので、場合によっては二枚に見えることも。
当時の国家紋章
ハーケンクロイツは目隠ししました!
(別に良いと思うのですが…。)
ボタン
反射防止加工に加え、グレイに塗装
トラウザース
前面
背面
前面裏側
背面裏側
メーカーと当時のサイズスタンプ(再現)
所属スタンプ
前合わせはボタンのみです。
ベルトループとスラッシュポケット
前面には懐中時計用ポケットとその鎖用のループあり。
ボタンは全てアルミ製
ウエスト部背面
右臀部にはスラッシュポケットあり。
股間の補強生地
裏側も補強されています。
裾にはドローコードが。
ループと組み合わせて使用
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3 その特徴とは?
迷彩は、白い生地にピンク、オリーブグリーン、ダークブラウンで雲型を描き、それにピンク、ブラックグリーン、ライトグリーンで斑点を描いています。
ライトグリーン他の斑点が「エンドウ豆」のように見えるため、「エンドウ豆パターン」と呼ばれるようになったそうですよ。
(美味しくはなさそうですね。😎)
生地は太い糸で織られたHBT(ヘリンボーンツイル:杉綾織)です。
材質は実物と違って、コットンのみのようです。
(実物は「人絹」と呼ばれる、昔のレーヨン混紡でした。)
デザインは、それまでの制服のデザインを概ね踏襲していますね。
構成は、ジャケットが胸ポケット×2、腰ポケット×2、救急包帯ポケット。
トラウザースは、腰スラッシュポケット、右臀部のスラッシュポケットです。
当時の官給品は、生地節約のために、袖丈より着丈が短いのが特徴でした。
でも、海外への輸出を考慮したこのモデル品は、着丈を長くしてアメリカ人好みのデザインに変更していますね。
(できれば、オリジナル通りにして欲しかった気もします。)
国産のしかも近年の製品なので、縫製もしっかりしていますが、今回のモデルは臀部に縫製ミスがあります。
珍しいですが、逆に当時の雰囲気が出ている気もしますね。
余談ですが、この迷彩服(当時の官給品)は大量にアメリカ軍に鹵獲されて、ちょっとした誤りからなんと朝鮮戦争中のアメリカ軍に送られたそうです。
実際に当時の韓国兵が使用している写真が、どこかの朝鮮戦争記念館に残っているそうですよ。
図らずも、第二の人生(?)をアジアで過ごしたというのは面白いですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ XXL
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
ジャケット
着丈 約68cm
肩幅 約49cm
身幅 約56cm
袖丈 約61cm
トラウザーズ
ウエスト 約42cm
着丈 約107cm
股上 約33cm
股下 約77cm
裾幅 約14cm
状 態 中古上品
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 3(困難)
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【中古】 ドイツ武装親衛隊軍装ガイド (ミリタリー・ユニフォーム)
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5 まとめ
当時の官給品は、数種類の生地や迷彩パターンがあったようですね。
でも今回のモデルは材質がコットンオンリーですので洗濯も楽で助かります。
モデル品なので、ハードに使用できるのも魅力ですよ。
迷彩は、ピンク色の採用と各斑点が評価の分かれるところですね。
しかしこのパターンは日本のフィールドでも効果がありそうです。
サバイバルゲームは勿論、狩猟、野鳥観測などに使えそうですね。
ヒストリカルゲーム(コスプレ)でも、十二分に実力を発揮してくれますよ。
問題は入手ですが、現在はあまり見かけません。
でも不定期ながら製造はされているようです。
見つからない場合はオークションやフリマの他、少々待ってみましょう。
また将来の事を考えている方は、ぜひ当時の官給品を入手してみてください。
人気ある迷彩スモックに比べて、やや安価に入手できる場合が多いようですよ。
(それでもお高いですが…😅)
特に海外オークションは、時々とんでもなく程度の良いものが出品される場合がありますよ!
今回は、第二次大戦中にドイツ武装親衛隊が支給した迷彩ユニフォームを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240401更新)
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参考:他のドイツ武装親衛隊迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
ロシア軍が蘇らせた武装親衛隊迷彩に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
第二次大戦中の各国軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他のドイツ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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