今回は、1980年代の旧西ドイツ軍パイロットスーツを分析します。
スーツと呼んでいますが、多くの場合ワンピース(カバーオール)のことですね。
やはりある国の影響を受けているようです。
中古品ですが、程度は良好ですよ!
目次
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1 旧西ドイツ軍旧西ドイツ空軍難燃パイロットスーツ(グレイモデル)とは?
第二次大戦に敗れたドイツは、日本同様アメリカ指導支援の元に再軍備を開始しました。
当初は、兵器は言うに及ばず、個人装備もことごとくアメリカン・テイストに仕上げられてましたね。
(ただし、陸軍は若干の抵抗を見せました。アメリカ式の大雑把で万人向けの装備に我慢ならなかったのでしょうね。東西冷戦の最前線でしたし…。)
再建空軍も同様で、アメリカ製戦闘機の装備からはじまり、パイロットもアメリカ軍の装備もしくは類似装備から始まっています。
(イギリス軍装備でなくて本当に良かったですね。)
しかし早い段階で、アメリカ装備をベースとしながらも、ドイツ流に改良していきました。
今回のモデルは、そんな旧西ドイツ空軍のパイロットスーツになります。
ドイツらしいカラーでおそらく難燃繊維製だと思われます。
さてさて、それはどんなパイロットスーツなのでしょうか?
今回は、旧西ドイツ軍装備マニアのみならず、世界のパイロット装備コレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう。
2 全体及び細部写真です!
前面上半身
生地の色調がドイツしてますね。
ポケットが沢山あって一見便利なように思いますが…じつは…。
前面下半身
背面上半身
背面にはポケット等がありません。
パイロットスーツの一大特徴ですよね。
背面下半身
前面上半身裏側
ストームフラップ(ウインドシールド)と腰のポケット生地に注意
前面上半身裏側
背面上半身裏側
背面上半身裏側
タグ表と裏
スーツはアラミド(難燃繊維)製のようです。
意味不明なタグ 使っていた兵士が付けたのでしょうか?
エポレットはマジックテープで開閉
胸のパッチポケット
左右にあります。
ジッパーで開閉。
脇下の通気孔
刺繍で6個開いています。
腰のジッパー
アメリカ軍のK-2Bでは、ここはジッパーで開閉するスリットですが、このモデルは中にポケットが装備されています。
左ウエストのタブ
これは左のみです。
用途はなんでしょう?
反射防止加工のダットファスナーで開閉。
前合わせはダブルジッパーです。
男性には嬉しい装備ですね。
右足付け根の小さいポケット マジックテープで半開きになります。
小さいループが3本
エマージェンシー用のナイフポケットでしょうか?
そのフラップにはマジックテープで留めるタブが。
これはポケットを開けるための取手ですね。
左太腿のパッチポケット
左足のポケットと足首のジッパー
右足のポケットと足首のジッパー
こちらはポケットにペン差しが付いています。
(2本用)
左袖ポケット
アメリカ軍ではシガレットポケット。
ペン差しが付いています。
(3本用)
袖口にもジッパーが。
背中にはアクションプリーツが付いています。
内側からアクションプリーツを見ると、特にゴムなどでテンションを掛けていません。
ウエストには左右にボタンが。
本来なら、ボタンホールの付いたゴムテープがあって、ウエストを任意に絞ります。
(ゴムテープは購入時から紛失してました。)
ジッパーのメーカーは「riri」
腰のジッパー裏に付いているポケット
ジッパーに直結ではありません。
ドイツ空軍のマークと国家紋章
本当はイエローではなくてゴールドらしいですよ。
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3 その特徴とは?
セージグリーンを基調とするアメリカ軍パイロット装備に対し、ドイツ空軍はグレイ系というところが一線を画していてカッコ良いですね。
生地は濃いブルーグレイのアラミド(難燃繊維)製です。
デザインは、アメリカ軍のパイロットスーツを基に、細部を改良していますね。
でも、用途不明なものもありますよ。
面白いのは腰のジッパーで開閉するスリットで、アメリカ軍のパイロットスーツではジッパーのみですが、今回のモデルはちゃんとポケットが準備されているところです。
襟の先端が丸くなっているのは、超音速で射出脱出した際に、襟の高速な振動で怪我をしないようにとの配慮から採用されました。
この種のデザインは、主要各国や海上自衛隊のパイロットスーツにも採用されていますね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1986年
製造場所 旧西ドイツ
契約会社 旧西ドイツ
製造会社 〃
材 質 アラミド
表記サイズ 175–185/105
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約140cm
肩幅 約45cm
身幅 約57cm
袖丈 約57cm
ウエスト 約50cm
股下 約66cm
裾幅 約19cm
状 態 中古良品
官民区分 官給品
入手方法 大阪専門店で購入
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
このスーツは通常、下着の上に着用します。
生地が薄く、通気性も抜群なので、夏期には特に重宝しますね。
ちゃんとしたプロテクターを付けると、バイクも快適ですよ。
しかし汗をかくと、生地の繊維が汗を吸収しないので、ベトベトしてきますね。
またポケットが沢山ありますが、調子に乗って物を入れると、素肌に当たって不快になったり、動きづらくなったりするので注意が必要です。
今回のモデルを開発した責任者には不本意かもしれませんが、このスーツが日常生活で最も活躍するのはキャンプです。
おそらくノーメックス生地の耐用年数は過ぎていると思いますが、燃やされても炭化するだけで、通常のナイロンのように高温のまま溶けて火傷をすることもありません。
(このモデルではありませんが、生地の一部を燃やして確認しました。)
また、いざと言う時は、袖口や足首にジッパーが付いているので、直ぐに捲り上げることができるのもポイント高いですね。
キャンプファイアや焚き火では、ベストなスーツかもしれませんよ。
化繊なので、水濡れしても乾燥が早いのも助かりますね。
購入する場合は、程度を確認することは勿論ですが、SHOPや出品者によっては、パイロット装備ということでプレミア価格で販売や出品されている場合もあります。
探せばまだまだ安価な良品が見つかりますので、気長に、根気よく探しましょう。
今回は、旧西ドイツ空軍のパイロットスーツを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240223更新)
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参考:ドイツ空軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他国のパイロットスーツに関する記事はこちらです。⬇︎
各国のフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとございました。
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