今回は、旧ソ連軍の迷彩服を分析します。
ソ連が崩壊する寸前のモデルですね。
プーチン大統領が就任するくらいまではロシア軍も使用していましたよ。
中古品で、残念ながら破損や褪色があり状態は今ひとつです。
目次
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1 旧ソ連陸軍VSR迷彩服(ショフィールド迷彩・明るい色調モデル)とは?
1979年からのアフガン紛争でアフガニスタンに介入した旧ソ連軍は、当初新型の単色戦闘服を導入しました。
それまでのプルオーバー戦闘服を、大幅に近代化した戦闘服でしたね。
僅かなニュース画像でしたが、目撃したマニアは、狂喜乱舞したものです。
(…て、私だけ?)
また一部の部隊では、コンピューターで描いたようなパターンの迷彩服を支給していましたね。
その後、ブタン迷彩と呼ばれる、迷彩服を限定で採用しました。
(この辺りの個人装備は、映画「アフガン」で忠実に再現されていますよ。)
その後1989年にアフガニスタンから撤退する少し前に、それまでにはない全く新しい迷彩服を採用しました。
いつも通り正式な名称は不明ですが、日本では大いなる勘違いからVSR又はショフィールド(あるいはスコフィールド)迷彩と呼ばれていますよ。
今回のモデルは、その迷彩ジャケットになります。
独特の「斜に構えた」パターンが面白いですね!
さてさて、それはどんな迷彩ジャケットなのでしょうか?
今回は、コアな旧ソ連軍装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真
前面
評価が極端に分かれる迷彩ですね。
(私は好きですが…。)
背面
前面裏側
肩から胸は、ライニングがあります。
内ポケットに注意!
背面裏側
前合わせはボタンのみです。
エポレットは短いテーパーなしの、微妙なクサビ型です。
(洗濯で変形した?)
胸ポケット
2個のボタンで開閉。
腰ポケット
こちらも胸ポケットと同様です。
袖ポケット
こちらは二枚のマジックテープで開閉。
袖口
マチ付きでボタンで開閉
肘の補強生地
小判…型?
背中と裾にアクションプリーツが。
旧ソ連のアフガンカ戦闘服のデザインですね。
脇にはボタンホール型の通気孔が4つあります。
肩は生地が二重になっていますよ。
(固定されています。)
サイズ及びデータスタンプ
内ポケット
ボタンで開閉
内ポケット内には、ナイロン生地の小さなポケットあり。
これで濡れてはいけないもの(タバコ?)も収納できます。
袖付け根のステッチ
二重です。
これは頑丈かも。
ウエストのナイロン製ドローコード。
ソ連特有の片側から引っ張るタイプです。
用途不明のループが裾付近にありました。
また、小穴も…。
アクションプリーツの裏側
上部のみ作るのが面倒だったので、上下同時に縫い付けた?
小穴
生地はリップストップではないので、使用中に穴が拡がりそうですね。
迷彩パターン
斜めに流れているのが珍しいですね。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ライトカーキの生地に、ダークグリーンとレッドブラウンの細い雲型を、斜めに描いています。
迷彩が斜めに流れているのは、珍しいですね。
生地は少々厚めのコットンツイルで、ゴワゴワです。
デザインは、エポレット付き4ポケット+袖ポケット(と内ポケット)で、当時の標準的な戦闘服ですね。
(一説によると、アメリカ軍のBDUを参考にしたのだとか。本当でしょうか?)
面白いのは、内ポケットにナイロン製の小さなポケットが設けられているところです。
これで濡れてはいけないものも所持可能ですね。
(タバコとか?)
背中にはアクションプリーツがありますが、何故かウエストから下もプリーツがありますよ。
縫製が面倒だったのでしょうか?
全体的な縫製は、やや雑で強度も足りないようです。
ソ連末期は、戦闘服を製造している場合ではなかったのでしょうか?
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 旧ソ連
契約会社 旧ソ連
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 50-3
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約78cm
肩幅 約51cm
身幅 約60cm
袖丈 約63cm
状 態 中古並品
(褪色・小穴あり。)
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
今回のモデルは、じつはもう少し濃い色調なのですが、洗濯と日射によりやや退色しています。
特にライトカーキは著しく退色していて、部分的にタンに近くなっていますね。
この迷彩生地には、数種類の色調があるのですが、もしかしたら一番明るいカラーのバージョンだったのかもしれません。
(ポケットフラップ裏側に原色が残っていますよ。)
あるいは、あまり上質の染料でなかった可能性もありますね。
実際に着用してみると、身体にまとわりつくようにフィットします。
袖が少し長い以外は、特に問題はありませんでした。
また、前身頃のボタンも間隔が開いていて、着脱は容易です。
(冬は隙間があって寒そうです。)
現在の退色した状態では日本のフィールドで使用できる季節や場所は限定されそうです。
サバイバルゲームでも目立ちそうですね。
でもメリハリが効いた迷彩なので、野鳥観測などのあまり動かない場合には効果があるかもしれません。
(周辺に溶け込むというより、人なのか木なのか判別できないのような効果です。)
今回のモデルは、一時期市中に溢れていましたが、最近品薄です。
希少さが増しているので、やはり見つけたら保護してあげるべきですね。
(特に、サイズが大きい物はより少ないようですよ。)
私も未使用品の上下を探してみたいと思います。
今回は、歴史の転換点を目撃した、希少な旧ソ連軍の迷彩ジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20230411更新)
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参考:旧ソ連軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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