今回は、2000年代のロシア陸軍迷彩ユニフォームを分析します。
以前もソ連軍時代の同じパターンの迷彩を分析しましたが、今回はロシア軍時代のものになります。
でも違う箇所もいくつかありましたよ!
中古品ですが程度は極上です!
目次
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1 ロシア陸軍迷彩ユニフォーム(VSR・ショフィールド迷彩)とは?
その昔、世界は大きく二つの勢力に分かれていました。
一つは、アメリカを代表とする「西側」、いわゆる資本主義(自由主義)の国々。
もう一つは、旧ソビエト社会主義共和国連邦を代表とする「東側」の社会主義(共産主義)の国々です。
お互いの勢力は、第二次大戦前後に核兵器を保有し、核の使用をチラつかせながら睨み合っていました。
これを「東西冷戦」と言います。
(なんか893の出入り前みたいですね。実際双方とも893国家ですから仕方ないですね。)
しかし、社会主義の限界からソ連が崩壊、東側諸国は指導国を失い一時バラバラになります。
当時の旧ソ連では国のシステムが根本から崩壊し、軍隊の維持もまま成らない状況でした。
今回のモデルは、そんな時代に旧ソ連で開発されたモデルですが、その後に復活した(?)ロシア軍でも製造された面白い迷彩ユニフォームになります。
それまでも、数種類の迷彩服を採用していた旧ソ連軍ですが、それをロシア軍が引き継いだ形ですね。
さて、どんな迷彩ユニフォームなのでしょうか?
旧ソ連時代と何が変わったのでしょうか?
今回はロシア軍装備マニアのみならず、日本のフィールドでも効果的な迷彩服をお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
ジャケット
前面
やはり、斜めに流れる迷彩ですね。
背面
前面裏側
背面裏側
迷彩は、僅かに透けています。
前合わせはボタンのみです。
エポレットはテーパーなしの太短いクサビ型です。
旧ソ連時代のモデルより太いですね。
胸ポケット
ボタンで開閉。
腰ポケット
ボタンで開閉。
袖ポケット
こちらはマジックテープで開閉
袖口はマチ付きでボタンで開閉
肘の補強生地は楕円形ですね。
(2枚で構成されています。)
脇の通気孔
ボタンホールタイプで4個。
アクションプリーツはとても浅いです。
ただの飾りかもしれませんね。
タグ①
タグ②
後付けの輸出用タグ
内ポケットは両側にあって、何故か段違いです。
面白いですね。
内ポケット下はフリー
ウエストと裾のドローコード
ソ連/ロシア系の一本ループ方式
トラウザース
前面
ウエスト前面のタックに合わせて、ウエストから裾までミシンで細く縫ってあります。
これなら、アイロンを当てなくても、シャキッとして見えますね。
各国の軍装でも、時々見かける処理ですよ。
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはボタンのみです。
旧ソ連時代に常備していたホックは無くなっていますね。
右側面
腰のスラントポケットと膝のパッチポケット
膝ポケットは2個のボタンで開閉。
臀部にポケットはありません。
ウエストの調整タブ
ボタンはポケット用とは違うタイプ。
ウエスト部裏側
グレイのポケット生地。
裾にはボタンで取り外し可能のストラップが。
これとは別に、ドローコードも準備されています。
やはり長いブーツを使用するための必需品ですね。
トラウザースのタグ
こちらも3種類あります。
もう一枚、別のタグが。
裏側を表にして縫い付けられている?
ウエスト調整タブのボタン
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3 その特徴とは?
迷彩は、黄色味の強いカーキの生地に、グリーンとブラウンでたなびく雲や葉の様なパターンを描いています。
やはりソ連時代と同様、パターンが斜めに流れているのが特徴ですね。
でもよく見ると、パターンも色調も旧ソ連時代の製品と違っていますよ。
迷彩比較
今回のモデル(背面)
旧ソ連時代のモデル
(褪色あり)
よく見るとパターンは僅かに違っていますね。
色調が違うのは、褪色もありますが、元々の生地色や染料の色調と質が違うようです。
生地は、やや薄いツイルですが、旧ソ連時代より良質で肌触りがとても良いです。
生地もあきらかに別物ですね。
(グレードアップされているような印象です。)
一方デザインは大きく変わっていません。
ジャケットは、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2、袖ポケット×2のコートタイプ。
トラウザースは、腰スラントポケット×2、膝ポケット×2でシンプルです。
長いブーツを使用する想定で造られているので、トラウザースの裾には、ボタンでループになるストラップが縫い付けられていますね。
面白いのは、背中のアクションプリーツです。
とても浅くて、機能していません。
(ここは手を抜いた感じです。)
全体的な縫製は、少々雑で不正確ですね。
ある意味、旧ソ連時代からのスタンダードな仕立てとも言えます。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 2000年代
製造場所 ロシア
契約会社 ロシア
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ 不明
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ(平置)
ジャケット
着丈 約81cm
肩幅 約51cm
身幅 約58cm
袖丈 約65cm
トラウザース
ウエスト 約45cm
股上 約30cm
股下 約80cm
着丈 約110cm
裾幅 約24cm
状 態 中古上品
官民区分 官給品
入手場所 兵庫県の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
迷彩の色調が鮮やかな今回のモデルは、日本のフィールドでも効果が高そうですね。
(効果を確認したいです。)
旧ソ連時代末期の、粗末な生地で製造されたモデルとは違い、より使いやすくなっているようです。
(ロシア軍…侮れませんね。)
サバイバルゲームは勿論、狩猟や野鳥観察にも十分使えそうですよ。
面白い所では、旧ソ連時代のヒストリカルゲーム(コスプレ)に使ってみるのはどうでしょう?
ところで今回のモデルは、英語表記のタグが後から縫い付けられていました。
どうやら普通に輸出されているようです。
でも、現時点では、SHOP、ネットでもあまり見かけません。
(見かけてもめちゃ高価ですよ!)
既にロシア本国では、フローラ迷彩、デジタルフローラ迷彩が主流となっていて、今回のモデルは用途廃止になっていると思ったのですが…。
入手を考えている方は、もう少し様子をみましょう!
もしかしたら、軍からさらなる放出があるかもしれません。
今回は、ロシア陸軍の迷彩ユニフォーム(VSR・ショフィールド迷彩)を分析しました。
いやー軍装品って、本当に面白いですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20230416更新)
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参考:旧ソ連時代のVSR迷彩服はこちらです。⬇︎
他のロシア軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
旧ソ連軍時代の装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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