今回は、1990年代の陸上自衛隊レザーユニフォームを分析します。
偵察部隊のバイクライダー用の装備ですね。
とてもリッチな造りで驚きました。
残念ポイントもありますが、殆ど使用感のない極上品ですよ。
目次
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1 陸上自衛隊オートバイ服・偵察隊用(レザーユニフォーム・OD・旧作業服タイプ)とは?
古今東西の軍隊では、特殊な任務に就く兵士には、一般的な兵士とは違う特別な装備が支給されていましたね。
例えば、パイロットや空挺部隊員…そして文字通り特殊部隊員。
使用する武器や機材、そして任務から考えると、そうなるのは必然なのかもしれませんね。
バイク(二輪車:モーターサイクル)を使用する兵士も同様です。
第一次大戦前後に登場したバイクは、歩兵よりも早く移動でき、戦車や装甲車より静寂なので、偵察や伝令に多用されるようになりました。
ただしライディング中は、殆ど動かず常に外気に剥き出しで、転倒すると大怪我の恐れもありました。
そのため、やはり独特の装備が支給されていましたね。
このブログでも、以前フランス陸軍モーターサイクルパンツを分析しました。
(とても重厚な造りが魅力でしたね。😃)
今回のモデルは、陸上自衛隊が偵察隊のライダーに支給したレザーユニフォームになります。
当時の標準的な陸上自衛隊の作業服が原型になっていますよ。
さてさて、それはどんなレザーユニフォームなのでしょうか?
今回は、陸上自衛隊マニアのみならず、バイク用レザースーツマニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
上衣
前面
背面
前面裏側
ほぼ全面にナイロン製のライニングがあります。
背面裏側
襟周りレイアウト
前合わせはジッパーとだとファスナーです。
サイズタグ
内ポケットとタグ跡
タグは両面テープで位置決めして縫い付けられていたようです。
本来は、こんなタグが縫い付けられていたはずです。
(ブログ歴代の自衛隊装備:陸上自衛隊 オートバイ服偵察用 1990年度より引用後加筆)
内ポケットはジッパーで開閉
自衛隊の野戦装備で内ポケット付きは珍しいですね。
エポレット
テーパーなしのクサビ型で、ダットファスナーで開閉
胸ポケット
ダットファスナーで開閉
左袖ポケット
ペンポケット(3本)ですね。
袖
テーパーが付いています。
袖口はダットファスナーで開閉
手首付近はジッパーで開閉。
マチ付です。
袖は二重袖で、内側は袖口がニットになっています。
防風は完璧ですね。
脇にはジッパーで開閉する通気スリットが。
前身頃下部は独特の形状
ジッパーは、この当時のシャツタイプ作業服のように、下側から開くタイプ
襟の付け根は独特のステッチ
下衣
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはジッパーとダットファスナーです。
サイズタグ
タグ跡
上衣と同じ使用ですが、横に並べてあったようです。
強度の必要な箇所には、念入りに補強されていますね。
ベルトループは細いベルト用で、その上にも長くレザーがありますね。
右側面レイアウト
腰ポケット
ダットファスナーで開閉
裾
テーパーが付いています。
足首はジッパーで開閉
これで着脱が容易になりますね。
股間は三角形のレザーで独特のデザイン。
ダットファスナー
OGというより濃緑色ですね。
着用例
使用感のあるユニフォームも素敵ですね!💕
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3 その特徴とは?
レザーは牛革で、OD…というよりは濃緑色に染められています。
このカラーは、同じく陸上自衛隊のパイロットが使用するフライトジャケットと同じですね。
革は少々厚いですが、信じられないくらい柔く、いわゆる「なめし」は完璧です。
ほぼ全面にポリエステルのライナーが装備されています。
デザインは、当時のODのシャツタイプ作業服が原型のようです。
構成は、上衣がエポレット付、胸ポケット×2、内ポケットで、前合わせや袖口はジッパーとダットファスナーの併用です。
下衣が、腰ポケット×2で、足首はジッパーで拡げることができます。
面白いのは、ベルトループから上にレザーを多くとってるところですね。
(上衣は、おそらく裾のデザインから下衣にINするので、この部分の用途は何でしょう?)
全体的な縫製は、これ以上ないくらい正確かつ丁寧で、強度も抜群です。
とても高い技術で製造されていますよ。
さすが日本製ですね。
(民間で同じものを同じ品質で製造し販売した場合、おそらく10〜15万円くらいしそうな雰囲気ですよ!)
タグがなくて正式なサイズは不明ですが、股下が短いのは半長靴(ブーツ)使用を前提にしているためですね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年代(推測)
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 レザー(牛革)
ポリエステル
表記サイズ タグなし
(日本人のL)
各部のサイズ(平置
上衣
着丈 約78cm
肩幅 約46cm
身幅 約55cm
袖丈 約59cm
下衣
ウエスト 約49cm
着丈 約107cm
股上 約35cm
股下 約74cm
裾幅 約18cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 東京のイベント
入手難易度 5(まず無理!)
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5 まとめ
いやー観察すればするほど、凄いユニフォームですね。
これを支給された隊員さんは、おそらく嬉しかったのでは?
リッチなレザー、そして高品質な仕立ては官給品の中でも数少ない「着用する喜び」を感じるものだと思います。
100歩譲って(誰に?)例えば、合成皮革でもこのジャケットは製造できたと思います。
でも本革を用いているところに大きな意味がありそうですね。
現役時代、陸上自衛隊のパイロットとお話しする機会がありまして、その時にレザーに関する興味深い話を聞きました。
何でも、当時(1990年代)の陸上自衛隊パイロットに支給されていたフライトジャケットは、合成皮革製(確か本革製もあったような…。)だったそうですね。
陸上自衛隊フライトジャケット(3枚目の写真)
言っちゃ悪いけど、
— 緑の悪魔(新垢) (@GREENDEVIL8578) 2019年11月24日
CWU36Pフライトジャケット(画像1枚目)華がないですよね
(^_^;)
G1(画像2枚目)みたいにカッコ良くない
(  ̄▽ ̄)
画像は拾いですが、陸自の航空科部隊で空中勤務者(旧軍用語?)が着るジャケットがこちら。
画像3枚目「航空防寒上衣70式」しかもこれ合皮(  ̄▽ ̄) pic.twitter.com/9TMdIeSeId
それでフライト中には背中が汗だくになったとか。
そこで、パイロット有志でお金を出し合って、官給品と同じデザインのジャケットを本革で新調・使用したとのこと。
以降、汗抱くになることが激減したとか。
風を通さず、防寒目的で使用されることの多い皮革ですが、適度な湿度管理…これも皮革の持つ重要な性質なのかもしれませんね。
今回のジャケットも、初冬や春先の微妙な気温の時期は重宝するかも。
でも今回のレザーユニフォームは、少ない偵察隊の、さらに少ないライダー用です。
支給された数(製造も?)も、とても少ないようですね。
(私が現役時代には、一回も見たことがありませんでした。)
ましてや中古品といえども入手はまず無理でしょう。
それでもオークションなどでは、10年に一回くらいは出品されているようです。
また、各種ミリタリー イベントでも、販売されている場合がありますね。
欲しいあなたは、資金を貯めて気長に探してみましょう!
今回は、陸上自衛隊偵察隊用オートバイ服を分析しました。
いやー、自衛隊装備品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240909更新)
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参考:他国のモーターサイクル装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他の自衛隊装備に関する記事はこちらです。⬇︎
その他の各国レザー装備はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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